「あした」

公開
1995年
監督
大林宣彦
原作
赤川次郎
脚本
桂 千穂
音楽
學草太郎、岩代太郎
出演
高橋かおり、林泰文、朱門みず穂、宝生舞、柏原収史、原田知世、多岐川裕美、津島恵子、 井川比佐志、岸部一徳、植木等、峰岸徹、村田雄浩、洞口依子、田口トモロヲ、小倉久寛、 小林かおり、椎名ルミ、大野紋香、篠崎杏兵、大前均、坊屋三郎、ベンガル、根岸季衣、他
備考
ビデオレンタル中
DVD発売中(税別4700円)
物語
 嵐の尾道沖で、呼子丸が沈んだ。 生存者は皆無で、死体さえ発見されず・・・・。
 3ヶ月後。 呼子丸の事故で大切な人を失った人々に、不思議なメッセージが届いた。 今夜午前0時、呼子浜で待つ、と言う内容のメッセージが、事故で死んだ筈の人達から。 朝倉恵にはボーイフレンドから、“SAYURI”には水泳のコーチから、永尾要治には妻子から、 金澤弥一郎には孫と妻から、森下美津子には夫から。ある者はやもたてもたまらず、ある者は戸惑いながら、 それぞれ、呼子浜を目指す。
 夜の呼子浜の待合所には、旅行中の原田法子と綿貫ルミがいた。 船に乗り遅れ、一晩そこで過ごそうとしていたのだ。 そこへ、メッセージを受け取った人々が続々到着した。 たまたまそこに居合わせた者と、再会のためにやって来た者で、待合所は賑やかになった。
 午前0時が訪れる。 呼子浜の海に、呼子丸が浮上、静かに桟橋に着いた。 船からは、メッセージの送り主が次から次へと下りてくる。 死んだ者と、残された者との、再会。 また3人で暮らせないかと考える永尾。 けんかになってしまう恵。 失神する美津子。 “SAYURI”違いで2人来てしまった沙由利と小百合。 金澤には・・・・決心があった。
 呼子丸の汽笛が響く。 短い再会の時は終わりだ。 乗るべき人々を再び乗せた呼子丸は、桟橋を離れると、暗い海に沈んで行った。
 呼子浜に朝が来た。 そこに残った人々・・・・・・ 
一言
 新尾道三部作の第2弾。 また、尾道三部作、新尾道三部作を通じて、唯一映画館で見る機会を得た映画です。
 導入部を除くと、実質24時間より短い時間の出来事。 あまりにも多い“主要登場人物”も特徴。 140分余りかけて、丹念に描かれています。
 主要登場人物達は、バラバラの場所で登場します。 しかし、死者からのメッセージを受け取ると、皆、行き先は一つ。 それぞれの場所から、それぞれの方法で、約束の場所・呼子浜を目指して行き、静かな中にも大きな動きというか、物語がそこに集約して行くのを感じます。 そして、呼子浜に集まった人々と、呼子丸で現れた人々と、大変な人数が呼子浜にひしめき合うのですが、話は散漫になることはありません。 ただ、いくつもの人生があり、それがその小さな場所に集まっているというだけで・・。
 この映画の中で、一番印象に残る台詞は、最初の方で、昔なじみの床屋の主人が、カミソリであごを剃りながら、「もしも俺があんたの命を狙ってるとしたら?」と尋ねた時の、金澤弥一郎の答えです。
 「そりゃあ、信用してる者に殺されるんなら、それは寿命ってもんだろう。」
 全く無防備な状態で、たわいもない世間話をするかのように、穏やかに笑いながら答えた弥一郎。 誰も信用出来ないなら、生きていることも出来ない、ということであるものかもしれません。
仕様

特典
 大林監督のインタビュー映像、大林監督と原作者・赤川次郎氏の対談、他。
 封入解説書(4P)に、「呼子丸のこと」と題した記事があります。 「三高丸」が「呼子丸」に生まれ変わった経緯、撮影時の呼子丸、向島に保存展示された呼子丸、そして、2000年8月6日、水没してしまったこと・・・・。 2000年9月4日、呼子丸は解体されたそうです。 実は、以前、呼子丸が係留されている筈の場所に行ったことがあるのですが、たまたまドック入り(?)しているか何かで、見ることが出来ませんでした。 そしてもう二度と、見ることは出来ないのです・・・・。



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