「20世紀少年 −第2章− 最後の希望」

公開
2009年1月31日
監督
堤幸彦
原作
浦沢直樹
脚本
浦沢直樹、長崎尚志
音楽
白井良明
出演
平愛梨、豊川悦司、常盤貴子、香川照之、石塚英彦、宇梶剛士、唐沢寿明、黒木瞳、生瀬勝久、佐々木蔵之介、小日向文世、木南晴夏、森山未来、藤木直人、 ユースケ・サンタマリア、古田新太、中村嘉葎雄、石橋蓮司、ARATA、片瀬那奈、前田健、荒木宏文、六平直政、光石研、佐藤二朗、 西村雅彦、西村和彦、手塚とおる、田鍋謙一郎、甲本雅裕、田中要次、はなわ、設楽統、日村勇紀、ブレッド・マックイーン、 チャイポン・サーマート・セーンサンギアム、陳昭栄、徳光和夫、石丸謙二郎、佐々木すみ江、梅津栄、小松政夫、竜雷太、研ナオコ、 西山潤、松元環季、安西壱哉、矢野太一、上原陸、澤畠流星、小倉史也、吉井克斗、森山拓哉、清水歩輝、安彦統賀、藤原薫、他
備考
  
物語
 2000年12月31日に起きた「血の大晦日」は、「悪魔のテロリスト・ケンヂ一派」の計画を「ともだち」が阻止した事件とされた。 ケンヂは行方不明になり、オッチョは投獄され、モンちゃんは、不治の病と闘いながら情報収集活動を続けて、2002年に死亡。 マルオは国民的歌手・春波夫のマネージャーとなって時を待ち、ヨシツネは地下に潜伏して抵抗勢力を組織。 そしてユキジは、ケンジの代わりにカンナを育てた。
 2015年。日本のみならず、世界中がともだちを救世主と仰ぐ社会。 東京では、万国博覧会の開幕が近付いている。 ともだちは、間もなく世界は終わり、ともだちを信じ、共にある者だけが救われると予言している。
 高校生になったカンナは、ボロアパート「常盤荘」に一人暮らしをして、新宿の中華料理屋でアルバイトしながら、高校に通っている。 歴史の授業では、事実と反対の“ともだち史観”に反発し、級友と喧嘩することもいとわない。 そんなカンナは、同級生の小泉響子共々、ドリームナビゲーター・高須の案内で「ともだちランド」に送り込まれた。 清掃員として潜伏していたヨシツネと接触して、そこが洗脳施設であることを知ったカンナだが、あえてアトラクションのボーナスステージに進んで、 小泉響子とそれぞれ、思いもよらないものを目にする・・・・。
 カンナ達の高校に、新しい英語教師サダキヨが赴任した。 サダキヨは拉致するように、小泉響子を「ともだち博物館」に連れて行く。 すぐに高須率いるともだち教団の一団に包囲されたが、サダキヨの思惑通りカンナもやって来た。 サダキヨは、かつてモンちゃんを殺して奪った“モンちゃんメモ”をカンナに渡すと、後事を託し、ともだち博物館ごと焼身自殺した。
 カンナは、モンちゃんメモを頼りに、2002年時点に母・キリコがいたらしい町を訪ねる。 町の病院で働いていたキリコが残していたいくつかの物から、自分の母親が殺人細菌に関わっていたらしいことを知って、衝撃を受けるカンナ・・・・。
 オッチョは、脱獄に成功して、付いて来た漫画家・角田と一緒に、東京の街に入った。 株で大儲けしてホームレスではなくなったカミサマと再会したオッチョは、「血の大晦日」の後、殺人細菌のワクチンを販売して急成長した会社が怪しいと聞いて、その社長・ヤマネと接触する。 ヤマネは、オッチョ達の小学生時代の同級生だった。 ヤマネも真実の一端を握っているが、彼と話しても、オッチョにはともだちの正体が分からない。
 モンちゃんが生前入手していた資料の中に「しん よげんの書」のコピーがあった。 全体のほんの一部と思われるそのコピーには、“2015年に、新宿の教会で救世主が正義のために立ち上がるが、暗殺されてしまう”と書かれていた。
 万国博覧会開幕を目前にしたある日、滅多に講習の前に姿を見せないともだちが、新宿を視察した。 この日、新宿の教会を訪れていたカンナは、ともだち信者に銃口を向けられる。 そこへ駆けつけたオッチョが、「カンナは俺たちの最後の希望だ」と立ちはだかる。 襲撃者は何者かに狙撃され、オッチョは襲撃者の銃を拾って、パレード中のともだちへと走った。
 歓喜の群衆に囲まれたともだちの前に、オッチョが銃を構えて立った。 いくつかの言葉を交わして・・・・オッチョはともだちの正体に思い当たるのだが・・・・銃声が響いて、ともだちは倒れた。 撃ったのはヤマネで、彼はすぐ自殺。オッチョはその場を走り去る。
 ともだちは、死んだ。万国博覧会の開会式が、ともだちの葬式を兼ねることが発表され、その日がやって来た・・・・・・・・・・。
一言
 もったいぶり過ぎ、と思うのです。 第1章で最後の最後まで謎のまま引っ張った「ともだち」が、原っぱメンバーの誰かなのか、という謎。 第1章のラストシーンから15年後の第2章でも、ともだちの正体が最大の謎として扱われて・・・・ 第1章と同じように、何十年も前に子供が書いた予言書が登場して、 第1章と同じように、最後の最後に大惨事が起きて破滅的なことになり、 第1章と同じように、「ともだち」の正体は分からないまま、第2章も終わってしまいました。
 実際には、第1章を受け、最終章に向けて、伏線が少しずつ現れているのですが、「ともだちは誰なのか?」に関心が引き付けられている内に、 いつの間にか第2章が終わってしまった、という印象が強いのです。 そのために、「何が起きているのか?何が起きようとしているのか?」が理解出来ないくらいに。 むしろ、後者の方が重要な事態に至っているにも関わらず、
 第2章の最大の収穫は、カンナでしょう。 第2章の物語で中心的に動き回っているカンナには、この重大事態に対しては何もしていないに等しい(事態が大き過ぎてあまりにも無力)にも関わらず、 映画を引っ張っている力強さを感じました。
 3部作の、3分の2まで終わった時点で、“たらふく食べたのに食べ足りない”気分が続いていますが、 最終章ですっきり出来ることに期待します。



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