「7月24日通りのクリスマス」

公開
2006年11月3日
監督
村上正典
脚本
金子ありさ  
音楽
服部隆之
出演
中谷美紀、大沢たかお、佐藤隆太、上野樹里、安部力、川原亜矢子、沢村一樹、YOU、小日向文世、劇団ひとり、他
備考
  
物語
 地味な服装。バサバサの髪。恋人無し。本田サユリは、市役所に勤める公務員。 格好いい弟・耕治が自慢だが、自分の現実の恋愛には興味無く、父・五郎や五郎のガールフレンド・海原和子の心配をよそに、 生まれ育った長崎を、愛読コミック「アモーレ・アモーレ」の舞台・ポルトガルのリスボンに見立てて、妄想の中で暮らしていた。
 クリスマスの1カ月前のある日、大学の演劇部のOB会に出席したサユリは、長年にわたって「王子様ランキング」1位の奥田聡史と再会した。 聡史と話すチャンスを得たサユリだったが、遅れて来た、聡史の元恋人である先輩・安藤亜希子に持って行かれてしまい、落ち込む。 王子様はお姫様のものなのだ、と。
 サユリが帰宅すると、耕治の新しい恋人・神林メグミが来ていた。 そのメグミ、あまりにも冴えない女で、自分を見ているような気になったサユリは、絶対認めないと怒ってしまう。
 聡史は、東京で活躍するライティングデザイナーで、故郷・長崎に帰って来たのは、著書の発売記念サイン会のため。 サユリは、幼なじみの森山芳夫が働く書店で行われたサイン会に行き、成り行きで聡史と一緒に帰ることに。 その帰路、何と聡史からデートに誘われて、サユリは有頂天になる。 ファッション誌やおしゃれな服や化粧道具を買い込んで、大変身を試みるのだった。
 サユリと聡史のデートは、回数を重ねる。 サユリのことがずっと好きだった芳夫は、パラパラ漫画を使って、不釣り合いな聡史とは続かないと懸念を示し、自分の気持ちを告白するが、サユリは聡史に夢中だった。 しかし、約束の時間に遅れた聡史が、亜希子に会っていたことに気付いたサユリは、夢から覚めたように、言い訳も聞かず走り去るのだった。 聡史が亜希子に会ったのは、仕事のためだったのだが・・。
 クリスマスが訪れた。耕治と、妊娠したメグミの結婚式が教会で行われる。 この式に、耕治は聡史を招待していたのだが、芳夫が追い返していたことが分かった。 和子に背中を押されるように、サユリは教会から飛び出した。「私、間違ったことしてみる!」と。
 サユリは走りに走って聡史を追いかけ、探したが、結局会うことは出来なかった。 暗くなった西通りの電停のベンチに座り、聡史の好きなホットドッグを泣きながら一人食べるサユリ。 そこは、学生時代に聡史と出逢った場所で、以来、彼女にとってはリスボンの7月24日通りになった場所・・・・・・・・・・。
一言
 ヒロインが不治の病に冒されたり、死んでしまったりする名作恋愛映画が多い昨今、“流行”の設定無しに、 お姫様とは程遠いヒロインが王子様に憧れる話で、結末は十分読めてしまった、ある意味王道的(?)恋愛映画。
 ちょっと気になったのが、作風がややコテコテのラブコメディということ。 途中からバランスが良くなるのですが、冒頭の数分間(十数分間かも?)の、サユリが如何に冴えない日陰の人物であるかを現す描写は、やり過ぎだと感じました。 テレビの2時間ドラマとして見る作品だったら、受け入れやすいように思ったものです。
 結末は、本当に見ながら、次はこうなると予測出来る、分かりやすい展開。 とはいえ、納得出来ないようなものでもないので、これでいいのでしょう。
 本作の封切りは、クリスマスの7週間以上前の、11月3日。 同じ見るなら、もっとクリスマスが近い時期が良かったかなとも思います。



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