「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

公開
2007年11月3日
監督
山崎貴
原作
西岸良平
脚本
山崎貴、古沢良太
音楽
佐藤直紀
出演
吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、堀北真希、三浦正和、もたいまさこ、ピエール瀧、 須賀健太、小清水一揮、マギー、温水洋一、、神戸浩、飯田基祐、小木茂光、小日向文世、 吹石一恵、福士誠治、貫地谷しほり、藤本静、浅利陽介、小池彩夢、平田満、浅野和之、渡辺いっけい、手塚理美、上川隆也、他
備考
  
物語
 昭和34年。春。茶川竜之介は、古行淳之介と同居して、相変わらず貧乏生活をしていた。 その彼に、淳之介の父・川渕康成が、子供の引き渡しを求めて来た。 当の淳之介が拒否して、川渕も一旦引き下がるが、茶川に対して、淳之介に人並みの生活と教育を受けさせるよう言い置いた。
 向かいの鈴木オートには、新しい住人がやって来た。 事業に失敗した親戚の娘・美加が、父が出稼ぎに行く間、預けられることになったのだ。 何かとちょっかいをかける同い年の一平はさておき、則文もトモエも星野六子も温かく迎えるのだが、裕福な暮らしに慣れた美加は、貧しい暮らしに馴染めない。 しかし、三丁目の子供達が家の手伝いや幼い兄弟の子守をしているのを目にしてから、少し変わり始め、一平とも仲良くなって行った。
 六子を、一緒に集団上京した幼なじみの中山武雄が訪ねてきた。それを見た、たばこ屋の大田キンは冷やかす。
 夏。 則文は初めて戦友会に出席。気になっていた戦友の無事を知り、上機嫌で自宅に招いてビールを飲むのだが・・・・・・翌朝、トモエも六子も、則文は一人で帰って来たと言う・・?
 茶川も、東京大学の同窓会に初めて出向くも、「芥川賞の最終選考に残ったことがある」ことを自慢している彼のことを馬鹿にする声を耳にして、引き返してしまう。 さらに、淳之介の小学校の担任から、給食費滞納で淳之介が給食を食べていないことを教えられ、淳之介が値上がりした米代に給食費を回していたことを知り、惨めな思いに・・・・。
 ヒロミの居場所が分かり、則文が茶川をその場所・ゴールデン座へ連れて行くが、2人は、金持ちの男に言い寄られるヒロミの姿を目にした。
 淳之介の給食費のことを知った川渕が、改めて、淳之介を渡すよう、茶川に迫る。 茶川は、淳之介を養っていけることを証明し、ヒロミと一緒に暮らすために、芥川賞を獲ることを宣言、茶川商店を休業して執筆に専念することにした。 鈴木オートも彼に協力し、淳之介をしばらく預かることになる。
 秋。六子は、集団上京した友達と、銀座で映画鑑賞。 又、武雄について悪い噂を聞かされる。
 一平と美加を連れて銀座へ出かけたトモエは、日本橋の上で、戦争で離ればなれになった、かつての恋人と再会した。
 茶川が、小説を完成させた。手応えを聞く則文に、「今までで一番の駄作を書いてしまったかもしれない」と答えるのだが・・・・。
 冬。茶川の小説は、芥川賞の候補に挙がっていた。 トリスバーで、「社内選考委員」を自称する男に会った則文と丸山と吉田は、茶川商店に彼を連れて行き、なけなしの金をはたいて賄賂を・・。
 芥川賞発表の前日、則文に背中を押されるように、茶川はヒロミに会いに行くが、彼女は、あの金持ちの男のもとに行くために、ゴールデン座を辞めた後だった。
 その頃、ヒロミは、茶川商店に現れていた。 驚く淳之介にライスカレーを作り、茶川の帰宅を待たずに立ち去った。
 発表の日。鈴木オートで待機する、茶川と三丁目の人々。 ついに電話が鳴り、茶川が受けたのは・・・・落選の知らせだった。 三丁目の人々は拍子抜け、集まっていた記者は引き揚げ、川渕は淳之介の引き渡しを迫る。 茶川の作品を読んだことがないという川渕に、則文は、読みもせずに茶川の才能を決めつけるなと激怒、すぐに読めと、掲載誌を押しつけた。
 その掲載誌を、ヒロミは、駅に見送りに来た先輩ダンサーから餞別として渡され、大阪行き特急の中で開いていた。
 小説を読んでも、川渕の、淳之介を連れて行こうという意思は変わらない。 淳之介は嫌がるのだが・・・・・・・・・・。
一言
 度肝を抜くオープニングシーンで幕を開ける、前作の4ヶ月後から始まる続編。 前作の良さはそのままに、登場人物それぞれのエピソードが盛り込まれ、 三丁目の人々の昭和34年を切り取った今作は、物語豊かで、温かい作品に仕上げられています。
 ただ、題名が「ALWAYS」という英語名になっていることの違和感は、前作に引き続き感じました。
 又、物語豊かな映画にしている、多くのエピソードは、短所にもなっていると思います。
 ・茶川の、ヒロミへの思いと、芥川賞への挑戦。
 ・淳之介を巡る、茶川と川渕の争い。
 ・則文の、戦争で生き残った負い目。
 ・トモエの、戦争で生き別れた元恋人との再会。
 ・一平と、同居することになった従姉妹・美加の関係。
 ・貧しい暮らしに放り出された、美加の成長。
 ・六子と、幼なじみ・武雄の関係。
 これだけのエピソードを盛り込んだものだから、上映時間が約2時間半の長編になってしまいました。 老若男女、幅広い世代を対象とし、実際に幅広い世代に支持される映画としては、長過ぎるのではないでしょうか。 整理して、2時間以内にまとめるくらいが、この映画の性格にはちょうど良いと思います。
 なお、長過ぎるとは思いましたが、冗長だとは思っていません。 観客を選ばない良作には違いありません。



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