「あずみ」

公開
2003年5月10日
監督
北村龍平
原作
小山ゆう
脚本
水島力也、桐山勲
音楽
岩代太郎
出演
上戸彩、小橋賢児、成宮寛貴、金子貴俊、石垣祐麿、小栗旬、りょう、伊武雅刀、佐藤慶、 北村一輝、竹中直人、原田芳雄、オダギリジョー、岡本綾、松本実、榊英雄、他
備考
  
物語
 関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利した後も、天下は必ずしも静謐ではなかった。 小幡月斎は、家康の側近・天海に、反徳川分子を抹殺する刺客の養成を命じられ、素質のある子供を集めた。 戦乱で母を亡くした少女・あずみも、その1人だった。
 時は流れ、人里離れた山中で、爺こと月斎に仕込まれた10人の少年少女は、いよいよ「使命」のために外界に出て行くことになった。 だが、その前に課された最後の修練は、一番仲の良い仲間を斬ること! 戸惑いながらも、命じられるままに殺し合い、生き残った5人=あずみ・うきは・ひゅうが・あまぎ・ながらは、爺と共に山を出た。
 早速、爺が受け、5人に命じた「使命」は、“戦を起こそうとする者”である浅野長政と加藤清正と真田昌幸を殺すことだった。 5人はまず、浅野長政と難なく殺害した。 あずみは、長政が“悪い奴”には思えなかったのだが・・。
 次の標的、加藤清正をも襲撃し、討ち果たしたと思ったあずみ達。 だが、浅野長政が暗殺されたことで警戒を強めた、清正の家臣・井上勘兵衛の計略で、斬られた清正は影武者だった。 逆に、顔が知られたあずみ達は、勘兵衛の放つ刺客の攻撃を受けることになる。
 間違えて旅芸人一座を襲う佐敷三兄弟に遭遇したあずみ達は、彼らを返り討ちにするが、先の戦いで受けた傷から忍びの毒が回って動けなくなったあまぎをめぐって分裂する。 あまぎを置いて発つ爺と、ついて行くうきはとながら。 足手まといになるまいと自決したあまぎ。 ひゅうがは、旅芸人一座の生き残り・やえを、故郷・丹後に送ろうとするが、次なる刺客・最上美女丸が立ちはだかり、一騎打ちの果てに敗れた。
 あずみは、ひゅうがの代わりにやえを丹後に送ることにする。
 爺達3人は、清正の宿所を襲撃する。 しかしそこには、勘兵衛以下の加藤勢のみならず、勘兵衛配下の忍び・飛猿が雇った無数のならず者達が待ち受けていた。 爺は、重傷を負いながら清正にあと一歩まで迫るが、勘兵衛に阻まれ、捕らわれた。 ながらも、手傷を負って乱戦の中で姿を消し、ひゅうがは壮絶な討ち死にを遂げた。
 一方、やえと旅をするあずみ。 やえは、あずみを普通の娘にしようとし、やえの衣をまとってみたあずみだが、ならず者に襲われて、彼らを斬り伏せた。 「斬りたくなくても斬らされる」と。 そして、あずみは引き返した。
 清正が出立した後の宿所では、爺が囮として磔にされていた。 あずみを待ち受ける最上美女丸、飛猿、加藤勢、そして数百人のならず者達。 あずみはたった一人、そのただ中に斬り込んで行った。 1対多勢の激しい戦いは、生き残っていたながらの加勢や、加藤勢とならず者達がもめて同士討ちを始めたこともあって、最後には、あずみと美女丸の一騎打ちとなる。 そして、美女丸に、あずみは勝った。 だが、爺は、「使命は終わった、あとはお前の思うままじゃ」と言い残して、絶命した。
 海を往く船。 甲板では、清正が、勘兵衛をねぎらっていた・・・・・・・・・・
一言
 「使命」を果たすために人の命を奪うことに疑問を感じていた少女が、自らの意志で刺客として生きる決意をするまでの物語。 逃れようとしても逃れられない運命を悟っての決心というと格好良くもあるのでしょうが、戦いの中で仲間を失い、育ての親にして師匠でもある爺をも失った後、 刺客として育てられた少女には結局、刺客として生きる以外に道が分からなかったと考えれば、哀しい話です。
 ほとんどノースタントでアクションに挑んだという主演・あずみ役の上戸彩は、かなりの好演だと思います。 ただ、あずみは「速さで一番」と仲間から評価されていたにも関わらず、他の少年達にスピードが劣っているように見えたのは、彼我の体力差を考えれば仕方ないとはいえ、残念なところ。
 時代劇というよりは、時代劇の衣をまとったアクション映画という印象で、全体のノリは「RED SHADOW 赤影」に近いものを感じました。 時代考証云々はさておいて、格好良く見せる映画。
 見苦しい悪役が目立ちましたが・・・・。



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