「僕の彼女はサイボーグ」

公開
2008年5月31日
監督
クァク・ジェヨン
脚本
クァク・ジェヨン
音楽
大坪直樹
出演
綾瀬はるか、小出恵介、桐谷健太、田口浩正、遠藤憲一、小日向文世、竹中直人、吉行和子、他
備考
  
物語
 2007年。毎年と同じように自分の誕生日を自分で祝おうとしていた、大学生のジローは、ちょっと変わった美少女と会い、夢のように楽しい数時間を過ごした。
 2008年。また一人、自分の誕生日を祝っていたジローの前に、1年前の“彼女”が現れた・・・・が、ちょっと違う? “彼女”は、人間離れした力で、銃を乱射する男からジローを守った。
 “彼女”はメッセージ・ホログラムを見せて、説明した。 〜ジローはあの銃乱射事件で重傷を負い、障害が残った。 そのことを悔やんで、2070年のジローが、長年かけて完成させたサイボーダインモデル103を2008年に送り込み、 若き日の自らを守らせることにした。 元に戻ろうとする時間の揺らぎからも、“彼女”はジローを守ってくれるだろう。〜 つまり、“彼女”は、ジローを守るために未来からやって来たサイボーグだというのである。
 それから、ジローと“彼女”の共同生活が始まった。 “彼女”は、常にジローと一緒にいて、大きなトラブルからも小さなトラブルからも、驚異的なスピードとパワーで彼を守る。 2070年のジローは、“彼女”に、ジローを守ること以外にも、懐かしい故郷の「時間旅行」にジローを伴うことや、 心を痛めた事件から子供達を守ることも任務として与えていた。 人間らしい感情や常識がプログラムに欠けているため、かえってトラブルの種になることもあるのだが・・・・夜、ジローが寝ている間も、 窓外を見張るように立ち、「任務」を遂行し続けた。
 常に側にいて、献身的に守ってくれる“彼女”に、ジローは恋心を抱いた。 だが“彼女”には、その感情が理解不能。 いつも一緒にいるのに片思い・・・・ジローは、辛さに耐えられなくなり、“彼女”に出て行けと言ってしまった。
 “彼女”は、姿を消した。“彼女”の不在に寂しさを感じるジロー。
 2009年のある日、突然の大地震が街を襲った。 アパートの床が裂けて落下するジローを、“彼女”が受け止めた。 “彼女”は、隠れながらジローを見守っていたのだ。 瓦礫と化した街を、余震が続く中、ジローは“彼女”に守られて、安全な場所へと逃げる。 だが、降り注ぐ大小の瓦礫からジローをかばって盾となる“彼女”が受けるダメージは、サイボーグにとっても小さなものではなかった。 ついには、ビルの下敷きとなって“彼女”は、身動き出来なくなる。 あらかじめ投げ飛ばしておいたジローも、次の余震で割れた地面に飲まれそうになる・・・・・・・・・・。
 そして、2070年・・・・・・・・・・。
 さらに、2133年・・・・・・・・・・。
一言
 SF的には、破綻しています。出来事が、よくよく考えると、時系列的に繋がらず、あり得ません。 ただ、かなり意識して作られていると思われる「ターミネーター」シリーズでも、SF的な矛盾は多く、それでも非常に面白い映画であるように、 本作もまた、少々(かなり?)のことには目をつぶって、楽しめる映画です。 むしろ、「ターミネーター」シリーズのパロディ的な面白さもあります。 (“彼女”の出現シーンからしばらくの展開は、「ターミネーター」そのもの!?)
 2007年の一夜の出来事を謎にしたまま、2008年から2009年の、いわば本体の物語が進み、その後、終盤の未来の部分で、全てが明らかになる展開で、 (SF的破綻を棚に上げれば)きちんと話が完結していて、細々と気になるところはあったけど、終わった後の満足度は高いものでした。 2009年以降、2070年にサイボーダインモデル103=“彼女”を完成するまで、ジローがどう生きたかを想像する“行間”も、楽しめます。
 何よりも、“彼女”役・綾瀬はるかに尽きるでしょう。 2007年の“彼女”は妙に人間っぽいなと思ったところ、2007年の“彼女”の正体が分かってみれば、それで良かった訳で、 一方、2008年〜2009年の“彼女”は、見事にサイボーグ! 大したものです。
 “彼女”に名前がつかなかった(ジローがつけなかった)のが、納得いかないといえば納得いかないところでしょうか。



学芸員室/映画掛TOPへ戻る