「どろろ」

公開
2007年1月27日
監督
塩田明彦
原作
手塚治虫
脚本
NAKA雅MURA、塩田明彦
音楽
福岡ユタカ
出演
妻夫木聡、柴咲コウ、中井貴一、瑛太、原田美枝子、中村嘉津雄、原田芳雄、杉本哲太、土屋アンナ、麻生久美子、菅田俊、 劇団ひとり、きたろう、寺門ジモン、山谷初男、他
備考
  
物語
 長い戦乱が続く世。醍醐景光は、48の魔物と契約を結んだ。 生まれくる子の体と引き替えに、天下を獲らせる契約を。
 20年後。男装の女盗賊が、不思議な男に出逢った。 その男、魔物を両腕の剣で斬り伏せると、右脚がとれて、新しい右脚が生えてきたのである。 訳知りの琵琶法師が語るに〜 呪い医師・寿海が、ある日、川を流れてきた赤ん坊を拾った。 その子には命はあるが、肉体の多くの部分が無かった。 寿海は、秘術を駆使して仮の四肢や臓器を作り、赤ん坊に与えた。 成長した子の両腕には剣を埋め、特に左腕の剣は、琵琶法師が譲った妖剣「百鬼丸」である。 やがて寿海は病に倒れ、遺言により、子は寿海の研究成果を家ごと焼いた。 その彼に、肉体を奪ったのは48の魔物だと、何者かが告げた。 彼は、魔物と戦って、肉体を取り戻すため、旅に出た。 〜これが、女盗賊の見た男の身の上。
 男に興味を持った女盗賊は、男をつける。 お互いに決まった名前を持たない2人だが、男が適当に言った言葉の内、「どろろ」を女盗賊が盗り、どろろは男を「百鬼丸」と呼ぶことにした。 百鬼丸とどろろの旅が始まった。
 肉体を奪われた百鬼丸と、肉体を奪った魔物は、お互いが引き寄せ合うように邂逅し、戦った。 時にはどろろの助けを得ながら、魔物を倒す度に百鬼丸は、肉体を取り戻す。
 2人は、かつて金山氏と醍醐氏の国境だった壁にやって来た。 今は、金山氏は倒され、醍醐氏が天下を平定する勢いである。 醍醐景光に親を殺されたどろろは、景光とその一族を憎んでいた。
 醍醐氏の城下町に入った百鬼丸は、絡んできた男達を簡単に蹴散らした。 それを見ていた景光の息子・多宝丸は、百鬼丸を召し抱えようと、城に連れて行く。 城で、景光の妻・百合が、百鬼丸を見るなり「多宝丸!?」と口にする。 百鬼丸は、百合の手が触れた瞬間、百合の記憶を知った。 「多宝丸」と名付ける筈だった第一子は、体の48箇所が無い状態で生まれ、景光の命令で川に捨てられた。 〜この、捨てられた最初の多宝丸こそ、百鬼丸だったのである。 百鬼丸は、城を飛び出した。
 百鬼丸は、どろろに、自らがどろろの仇敵・醍醐景光の子であったことを告げ、別行動を取ることにした。 一度は離れた2人だが、襲いかかる2体の魔物を倒して両目を取り戻した百鬼丸の前に、どろろが立っていた。 自分も恨みを捨てるから、百鬼丸も生きろ、と。 2人は、また一緒になった。
 旧・国境の壁にたたずむ百鬼丸とどろろ、それに琵琶法師。 多宝丸が手下を連れてやって来て、百鬼丸に襲いかかる。 「多宝丸は1人でいい」と。 だが、折れた百鬼丸の刀が偶然首に刺さり、多宝丸は死んでしまった。 続いて百合、さらに景光がやって来る。 多宝丸の死骸を見て百鬼丸に刃を向けた百合は、景光が百鬼丸を殺そうとするや、割って入り、景光に斬られてしまった。 百鬼丸と景光は斬り結び、景光はねじ伏せられた。 だが百鬼丸は、恨みを捨てるというどろろの言葉を思い出して、とどめを刺さずに立ち去ろうとする。 その時、魔物が景光に呼びかけた。 景光の体を差し出せば、多宝丸を生き返らせてやろうと。 景光は、多宝丸の復活と引き替えに、自らの身体を魔物に喰わせる・・・・・・・・・・。
一言
 原作では日本の戦国時代という設定を、未来か過去か分からない、どこか、という設定に変えて構成された、この映画。 特に百鬼丸とどろろが出逢った町は、昔の日本から西アジアまでのアジア地域がごちゃまぜになったような町で、無国籍感は出ていましたが、 物語が進んで、戦国時代の日本色が強くなった世界の方がしっくり来ました。 原作通り、日本の戦国時代で良かったのに、と思うのですが。
 それはともかく、テンポの良い展開でした。 中盤、百鬼丸(とどろろ)対魔物の闘いがいくつも続いて、ほとんどアクションだけで進むのも効果的。 激しいアクションシーンを、経験がなかったという妻夫木聡と柴咲コウがよく演じています。 妻夫木聡が演じた百鬼丸は、肘から先が剣になっているので、撮影時には本物の腕の部分で適役の剣を受けるような格好だった筈で、相当難しい殺陣だったでしょう。 又、生きるエネルギーが溢れるどろろは、柴咲コウでなかったら、随分違う印象になっていたと思います。
 “豪華キャスト”の本作ですが、所々、仇になっているところも。 魔物と契約した醍醐景光を演じる中井貴一を見ていると、「陰陽師2」を連想しました。 又、原田芳雄演じる寿海が、拾い子(百鬼丸)を育てて、剣術を仕込んでいるのを見ていると、「あずみ」を連想しました。 (百鬼丸が、旅に出る前に、寿海と暮らした家を焼き払うのも、「あずみ」を連想。) 適材適所なキャスティングといえばそうだけど、「どこかで見た」感がしてしまうのは、どうか・・・・。
 ラストシーンの時点で、百鬼丸が体を取り戻すために倒さなければならない魔物は、残り24体。 続編を何本でも作ることが出来そうです。百鬼丸とどろろの旅の続きを、見ることはあるのでしょうか。



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