| 公開 |
2005年7月30日 |
| 監督 |
阪本順治 |
| 原作 |
福井晴敏 |
| 脚本 |
長谷川康夫、飯田健三郎 |
| 音楽 |
トレヴァー・ジョーンズ |
出演 |
真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、原田芳雄、岸辺一徳、安藤政信、谷原章介、吉田栄作、豊原功輔、勝地涼、チェ・ミンソ、
橋爪淳、中村育二、中沢青六、光石研、斎藤陽一郎、盛岡龍、、佐々木勝彦、平泉成、天田俊明、鹿内孝、池内万作、松岡俊介、
矢島健一、竹村健、真木蔵人、原田美枝子、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
護衛艦いそかぜは、異様に大勢の、溝口哲也3佐率いるFTG(海上訓練指導隊)と、物々しい装備品を載せて、海上訓練のために出航した。
夜の甲板で、先任伍長・仙石恒史は、いつものようにスケッチブックに海の絵を描いていた。
そこに、配属されたばかりの如月行が来て、仙石は続きを描くよう命じた。
渋々絵筆を持った如月だが、仙石はその画才に目を見張る。
翌日。魚雷発射訓練中に、訓練魚雷が落下、菊政が下敷きになって死亡。
しかし、訓練航海は続行された。
仙石は、訓練を中止して菊政の遺体を陸に揚げるよう、宮津弘隆副長ら上層部に抗議する。
だが、FTGの山崎2尉は、驚くべき事を告げる。
いそかぜに乗艦したFTGは、実はDAIS(防衛庁情報局)であり、いそかぜに潜入した某国の工作員が行おうとするテロを防ごうとしているのだと。
さらに、その工作員は如月で、如月を動かしているのはヨンファというテロリストで、防衛大学生だった宮津副長の息子もヨンファに殺されており、
館内では既に衣笠館長が暗殺されている、と。
信じられない仙石。ちょうどその時、機械室を占拠した如月が、艦底を爆破した。
仙石は説得役を買って出て、点検用ハッチから機械室に忍び込んだ。
機械室で爆弾を仕掛けていた如月は、仙石に、山崎がしたのと真反対の説明をする。
如月こそDAISの一員で、溝口がヨンファであり、乗艦しているFTGはヨンファの手下で、宮津以下、いそかぜの幹部もヨンファの仲間だと。
この話もまた信じられない仙石だが、如月を制して、機械室のドアを開けた。
すかさずFTGが雪崩れ込み、如月は捕らえられた。
宮津副長は、如月が艦に与えた損害により沈没の恐れがあるという口実で、仙石に、総員退艦を命ずる。
如月の説明が正しかったと気が付いた仙石だが、小銃を構えて監視される中、他の曹士共々、ボートに移る。
しかし、隙を見て、仙石は単身海に飛び込み、如月が開けた艦底の穴からいそかぜに侵入した。
いそかぜの異変に、防衛庁情報局も気付いた。
護衛艦うらかぜが、いそかぜを停船させに向かったが、「海上警備行動」では先制攻撃が許されない。
そのうらかぜに、宮津は対艦ミサイル・ハープーンを発射、撃沈した。
溝口=ヨンファは呟く。「よく見ろ、日本人、これが戦争だ。」
護衛艦の反乱という非常事態に、国家安全保障会議が召集された。
宮津は政府に対し、いそかぜの全ミサイルが首都圏に照準を定めていることを告げた上で、3つの要求を突き付けた。
1米軍が極秘に開発した秘密兵器GUSOHの存在を公表すること。
2米軍が、GUSOH漏出事故を隠すため、故意に弾薬庫をテルミット・プラスで焼き尽くしたことを公表すること。
3ある防衛大学生の論文「亡国の楯」を5大新聞に掲載すること。
GUSOHは微量で大量の生命を奪う威力があり、米軍が移送していた10リットルのGUSOHがヨンファの手に奪われていた。
これがミサイルで東京に撃ち込まれれば、首都圏は壊滅する。
しかも、いそかぜは、高度の防空性能を誇るイージス艦であり、対艦ミサイルで攻撃することすら出来ない。
宮津は、日本の国防に疑問を投げかける論文「亡国の楯」を執筆した後DAISに監視され、自動車事故で死亡した息子を、DAISに謀殺されたものと信じて、ヨンファに協力したのだった。
一方、いそかぜに戻った仙石は、消火システムを作動させて混乱を引き起こす。
隙をついてヨンファの部下の拘束を逃れた如月は、仙石と合流した。
2人は、配電盤を使って電球の明滅で信号を発信、いそかぜを秘密裏に追尾していた潜水艦せとしおがキャッチした。
防衛庁情報局内事本部長・渥美は、せとしおからの連絡でいそかぜ艦内に味方が残っていることを知る。
渥美は、独断でせとしおから特殊部隊をいそかぜに送り込もうとしたが、ヨンファに見破られて失敗に終わった。
いそかぜは、東京湾に進んで行く。
政府は、圧倒的熱量を発生してGUSOHをも無力化可能なテルミット・プラスでいそかぜを攻撃することを検討、準備に入る。
いそかぜ艦内では、援軍を見込めなくなった仙石と如月が、二手に分かれて、GUSOHが搭載されているミサイル・VLSの発射装置を破壊しようと、行動を開始した。
艦内で仙石達とヨンファの部下達の戦闘が続く中、宮津に従い、いそかぜに残ってヨンファに協力して艦を操縦していた幹部達は、意識が変わりつつあった。
杉浦砲雷長の死を境に、宮津もヨンファとの決別を決意。だが、宮津はヨンファに撃たれた。
ヨンファは、GUSOHを弾頭から外して持ち出す。阻止しようとした竹中船務長も殺され、如月も倒れ、艦内は惨状を極める。
重傷を負った如月を発見した仙石は、死ぬなと命令して、ヨンファを追った。
テルミット・プラスを搭載したF−2が東京湾上空に迫る。
いそかぜ甲板上では、仙石とヨンファが、GUSOHを巡って戦っていた・・・・・・・・・・。
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| 一言 |
今年3作が相次いで映画化された、福井晴敏原作作品の、殿。
60年続いた「平和」に戦争を忘れて、非常事態に即応出来ない日本が、ここに描かれていて、3作共通する現代日本への疑問が流れています。
では、「平和」ではいけないのか?というと、そう言いたい訳でもないでしょう。
・・・・断片的に登場する論文「亡国の楯」。
瀬戸内閣情報官が、日本は60年間戦争と戦争の狭間にいるがそれでいいと思う、と語ったくだり。
又、杉浦砲雷長が死んだ時の仙石の台詞「理屈はもういい!間違っている!」
・・・・疑問を投げかけられているのは、平和な日本ではなく、平和でいる間に大事なもの(誇りや、平和そのものの尊さ)を忘れてしまった日本だということであると思います。
重厚な物語である一方、そうそうたる出演者と、自衛隊の協力による“本物”の映像で、娯楽映画としても見応えのある作品になっています。
ただ、宮津の息子の死の真相、ヨンファの真の狙い、工作員・ジョンヒと如月の絡み等、分かりにくいところが多かったのが難点。
エピローグは、なかなか上手いと思います。
あの郵便封筒から出てきた物は、仙石のある“命令”が果たされたことの証だから・・・・。
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