「ゴジラ ファイナル ウォーズ」

公開
2004年12月4日
監督
北村龍平
特殊
技術
浅田英一
脚本
三村渉、桐山勲
音楽
キース・エマ−ソン
出演
松岡昌宏、菊川怜、ドン・フライ、水野真紀、北村一輝、ケイン・コスギ、船木誠勝、水野久美、佐原健二、長澤まさみ、大塚ちひろ、 伊武雅刀、国村隼、宝田明、他
備考
  
物語
 環境破壊が進み、巨大怪獣が人類を脅かす時代。人類は地球防衛軍を結成。 その海底軍艦・轟天号は、戦闘中に発生した地震に助けられて、最強の怪獣ゴジラを南極の氷に閉じ込めることに成功した。
 さらに年月は流れ・・・・ゴードン大佐が館長を務める新轟天号は、海中の怪獣・マンダと交戦、撃滅に成功したが、轟天号も大きく損傷し、修理ドッグへ。 ゴードン大佐は軍法会議で上官を殴り、懲罰房に入れられた。 新轟天号に搭乗していた、人類の中に発生したミュータントを組織したM機関の兵士・尾崎は、国連から派遣された分子生物学者・音無美雪の護衛を命じられる。
 美雪の任務は、北海道沖でミイラ化した状態で発見された、生物と機械が融合した、謎の巨大生物の調査。 防衛博物館の神宮寺博士は、この巨大生物にM塩基が存在することを解明していた。 M塩基とは、ミュータントの能力の基でもある。 その時突然、尾崎と美雪と神宮寺博士は、インファント島の洞窟にいて、小美人の言葉を聞いた。 〜巨大生物は、12000年前に飛来しモスラと戦った、ガイガンという怪獣であること、ガイガンが復活すれば地球は脅威にさらされること、 尾崎に邪悪なるものの血が流れていること、自分がどういう存在であるか自分で決めることが出来ること〜気付いたら3人は元の研究室にいた。
 その頃、世界各地に怪獣が出現した。 ラドンは国連事務総長・醍醐の専用機を襲った後、ニューヨークに襲来。 上海にはアンギラス、沖縄にはキングシーサー、パリにはカマキラス、アリゾナにクモンガ、シドニーにはジラ、富士山中にはミニラ。 ミニラ以外の怪獣は都市を破壊し、地球防衛軍は反撃を開始した。 M機関のミュータント兵士達は、東海コンビナートに出現したエビラと交戦。 戦闘のさなかに、未確認飛行物体の発射した光線が、全ての怪獣を消滅させた。 代わりに、消息不明だった醍醐国連事務総長が、帰還した。
 未確認飛行物体の乗員はX星人と名乗り、妖星ゴラスが地球を直撃することを警告しに来たと告げた。 醍醐はラドンに襲われた際、X星人に助けられたと言い、彼らとの提携を主張、支持を受けた。
 美雪の姉でニュースキャスターの音無杏奈は、この動向に疑いを感じ、醍醐が瞬きをしないことに気が付いた。 美雪を訪ねて来た杏奈からそのことを聞かされた尾崎は、地球防衛軍司令官・波川に面会、彼女もまた瞬きをしないことに気付く。 神宮寺博士は、妖星ゴラスが実在しない、巨大なホログラムのようなものであることを発見した。
 X星人が信用出来ないこと、何かを企んでいることを悟った尾崎達は、間違いなく偽物ではない人間・ゴードン大佐を懲罰房から連れ出し、 杏奈がキャスターとして醍醐にインタビューした機会を利用して、醍醐がX星人が化けた偽物であることを暴露した。 X星人の参謀は野心を露わに、司令官を射殺して実権を握ると統制官を称して、人類を家畜として収穫することが飛来の目的であると明言。 包囲するミュータント兵士達を操作して、統制官のコントロールを何故か受けなかった尾崎や、ゴードン大佐達を襲わせた。 辛くも脱した尾崎達は、ドックの新轟天号を目指す。
 X星人の統制官が地上に投下した怪獣達は再び人類の都市を破壊し始め、ガイガンも復活。 地球防衛軍の戦力は瞬く間に壊滅した。飛翔した新轟天号は、真っ直ぐ南極に向かう。 ゴードン大佐の狙いは、南極に眠るゴジラを復活させて、怪獣達と戦わせ、その間に新轟天号でX星人と決着をつけること。
 南極にたどりついた新轟天号は、追って来たガイガンの攻撃で打撃を受けながら、ミサイルで氷を吹き飛ばして、<ゴジラを復活させることに成功した。 ゴジラはガイガンを一蹴して、おびき寄せるために日本に戻る新轟天号を追って、北上を始めた。
 X星人の統制官は、ゴジラの前に怪獣を立ち塞がせるが、ジラもクモンガもカマキラスも、ゴジラの敵ではなかった。 アンギラスとラドンとキングシーサーの3体が束になってかかっても、ゴジラは止められない。 へドラとエビラもあっけなく敗れて、ゴジラは東京に上陸した。
 宇宙空間から降下した物体をゴジラが熱線で撃ち、廃墟と化した東京に、X星人の切り札である怪獣が降り立った。 さらに、再生・強化されたガイガンがゴジラを挟み打つ。そのガイガンには、インファント島から駆けつけたモスラが対抗。 ミニラも東京を目指していた。新轟天号は、X星人の母艦に突撃を開始。
 激しい“ファイナル・ウォーズ”が始まった・・・・・・・・・・。
一言
 ゴジラ生誕50周年記念作にして、(当面の)シリーズ最終作。 久々に同時上映作品が無い、単独上映で、120分を超える“大作”として世に送り出された今作ですが、大いに不満が残る出来でした。
 全体的ストーリーは面白くないものではありません。しかし大きな問題は、本編。 アクション作品で定評のある北村龍平監督らしい映画といえばそうなのですが、「スカイハイ [劇場版]」でやってしまったように、シリーズの中では随分異質な作品になってしまっています。 特に、本編における、これでもかと言わんばかりのアクションシーンは、まるで「マトリックス」! (特に、尾崎と風間の訓練所での格闘シーン、高速道路らしき道路上のシーン、X星人統制官と尾崎が闘うシーン、等。) だから、「マトリックス」の和製リメイク映画と「ゴジラ」映画の2本を、平行して見ているような気分にでした。
 特撮パートでは、着ぐるみを改良・軽量化して実現した怪獣の動きが、(一部の悪のりシーンはありますが)従来の「ゴジラ」作品を凌駕する迫力を見せつけています。 しかし、映像に被さる、けたたましいロック音楽が、巨大な怪獣が走り、激突し、殴り、投げ飛ばし、叩きつける、その音や地響きをかき消してしまっているのは、つまり迫力の一部を損ねているのは、あまりにも惜しいところ。 新しい試みを一概に否定するものではありませんが、あの音楽は合わないと感じました。 (シリーズ作品ではなく、ゴジラをはじめとする有名怪獣抜きで、全く新たな特撮映画として作られた映画だったら、違和感云々は無いと思うのですが。)
 良かったのは、作品自体はシリーズ中異質なものでありながら、主役であるゴジラのキャラクターは壊されていないこと。 この点はさすがに大切に作られたように感じます。 “ゴジラではないゴジラ”、ローランド・エメリッヒ版「GODZILLA」の怪獣を「ジラ」として登場させて、ゴジラに瞬く間に撃破させたシーンは、痛快の極みでした。
 又、富士山を背景にゴジラが立ち、咆哮を上げる姿は、紛れもなく名シーンと呼べるものでした。
 東宝特撮映画の歴史と北村作品の“アク”が混ざり合い、総じては、ずっと「ゴジラ」シリーズを見て来た観客の1人としては違和感が残りました。 「シリーズ最終作」でありながら、今までこのシリーズを見たことがない人の方が受け入れやすいかもしれません。
 満足出来る部分と不満の残る部分がまぜこぜで、今作をもってシリーズ終了となることには納得出来ないのが正直な思いです。



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