「グーグーだって猫である」

公開
2008年9月6日
監督
犬道一心
原作
大島弓子
脚本
犬道一心
音楽
細野晴臣
出演
小泉今日子、上野樹理、加瀬亮、大島美幸(森三中)、黒沢かずこ(森三中)、村上知子(森三中)、林直次郎、伊阪達也、 マーティ・フリードマン、大後寿々花、松原智恵子、小林亜星、高部あい、柳英里紗、田中哲司、村上大樹、でんでん、山本浩史、 構図かずお、他
備考
  
物語
 東京・吉祥寺に住む漫画家の小島麻子が、アシスタント達と徹夜で作品を仕上げた翌朝、長年一緒に暮らしてきた猫のサバが死んでしまっていた。 悲しみのあまり、ただでさえ寡作だった麻子は、全く描けなくなってしまう・・・・。
 アシスタントのナオミ、加奈子、咲江、美智子が心配する中、ある日、ペットショップに入った麻子は、1匹のアメリカンショートヘアの子猫に心を奪われる。 そして麻子は、そのアメリカンショートヘアを、仕事場で待つアシスタント達に披露するのだった。 「名前は、グーグーとします。」
 グーグーとの生活が始まって、麻子は元気を取り戻していった。 逃げ出したグーグーを探した時に知り合った青年・青自とも、ちょっといい感じに。
 遂に、新作のアイデアが浮かび、製作意欲を取り戻した麻子。だが、彼女は突然倒れてしまう。 運び込まれた病院で担当した医師は・・・・青自!?青自の職業は医師だった。
 検査を受けた結果、麻子は卵巣ガンだと判明した。 グーグーをナオミや青自に託して、麻子は入院治療に取り組む。
 入院生活と薬の副作用で、麻子はうつに陥る。 ある夜、夢か現か、井の頭公園をさまよう内に、麻子は、死神に出会った。 死神は、一番会いたい人を紹介してくれた。それは・・・・少女の姿をした、サバ!? 初めて人間の言葉で会話をする、麻子とサバ・・・・・・・・・・。
一言
 題名から、猫映画かと思いきや、案外猫抜きの人間ドラマの比重が大きく、猫好きでなくても取っつきにくくはないように感じました。 ただ、原作が“エッセイ漫画”であるせいか、断片的なエピソードを繋ぎ合わせて長編映画の上映時間に仕立てたような、いささか散漫な印象を受ける映画でした。 構図かずおの「ぐゎし!」や、森三中演じる麻子のアシスタント達の殺陣の練習等、どうでもいいようなシーンの挿入が、その感を強めています。
 又、一応、グーグーが中心のエピソードもあるのですが、どうにもグーグーの扱いが小さ過ぎるように思えてなりません。 麻子がグーグーに「サバ」と、死んだ猫の名を間違えて呼んでしまうシーンはまだいいとして、後半の、夢か現か分からない、あのシーンに至っては・・・・。 主人公・麻子にとって、グーグーと暮らしていてもなお、大切な猫は亡きサバだけであるかのようで、題名の猫・グーグーの立場がありません。
 「グーグーだって猫である」は、夏目漱石の「吾輩は猫である」に対する題名だと、本作を見る前は思っていたのですが、今は違います。 「御主人様はいつまでも前の猫を大切に思っているけれど、自分だって猫なんだ!」という、グーグーの叫びだと思えてなりません。
 上手い題名と言っていいのかもしれませんが、グーグーが、ちょっとかわいそうです。



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