「K−20 怪人二十面相・伝」

公開
2008年12月20日
監督
佐藤嗣麻子 
原作
北村想 「怪人二十面相・伝」
脚本
佐藤嗣麻子
音楽
佐藤直紀
出演
金城武、仲村トオル、松たか子、国村隼、高島礼子、本郷奏多、今井悠貴、益岡徹、鹿賀丈史、 要潤、串田和美、嶋田久作、小日向文世、大滝秀治、松重豊、他
備考
  
物語
 第二次世界大戦が回避された世界、19世紀から続く華族制度により、一握りの富裕層と多くの貧しい庶民との格差が広がった、1949年の帝都。 予告状を送りつけては、鮮やかに富裕層から財貨を盗み去る、「怪人二十面相」が世上をにぎわせていた。 今日もまた、電力を無線で送る「テスラ装置」の模型が、怪人二十面相によって衆人の面前から奪われた。
 貧しいグランドサーカスの曲芸師・遠藤平吉は、雑誌記者の名刺を差し出す男から、写真撮影の依頼を受けた。 名探偵・明智小五郎と、大財閥の後継者である羽柴葉子の結納の様子を、身の軽さを活かして上から撮って欲しいと言うのだ。 礼金をたっぷり払うというこの話に、平吉は乗った。
 小五郎と葉子の結納の日、羽柴ビル最上階のホールで行われる儀式を、平吉がガラス張りの屋根から撮影しようとした時、ビルで爆発が起きた。 平吉は、「怪人二十面相」として逮捕されてしまう。 実は、羽柴財閥の所有する絵画「バベルの塔」を盗むという怪人二十面相の予告状が送られて、軍警が羽柴ビルで警戒していたのだった。
 拘束され、厳しい尋問を受ける平吉には、何のことかさっぱり分からない。 数日後、移送中の平吉は、何者かに救出された。 救出者は、サーカスのからくり師・源治と「泥棒長屋」の仲間達! 源治は、表向きはからくり師だったが、実は泥棒の裏稼業を持っていたのだ。 平吉はサーカス小屋に戻るが、焼き討ちを受けた後で、会えたのは、平吉に憧れるシンスケという子供1人だった。 シンスケは、荒んだ地区で大勢の孤児達と一緒に、食うや食わずやの暮らしをしていた。 又、平吉は、“逃走中の怪人二十面相”として指名手配されており、人目に触れるところには居られない状態になっていた。
 泥棒長屋の源治のもとに戻った平吉は、秘蔵の書物を借りて、泥棒修行に取り組む。 本物の怪人二十面相を捕まえて、自らの潔白を証明するために・・・・。
 ある日、いつものように修行中の平吉は、走って逃げる羽柴葉子と、彼女を追う、本物の二十面相に遭遇した。 葉子を助け出した平吉は、泥棒長屋に連れ帰る。 大財閥の令嬢・葉子は、初めて、貧しい民衆の暮らしや、数多の孤児の存在を知るのだった。
 葉子には、大した値打ちの無い絵画「バベルの塔」を二十面相が狙う理由が分からずにいた。 葉子と平吉、源治、源治の妻・菊子、シンスケら孤児達が協力して、今は明智邸に保管してある「バベルの塔」を奪回しようとした・・・・が、 小五郎にみつかってしまう。 しかし、小五郎も一味に加わることになり、「バベルの塔」の謎に取り組むことになった。
 平吉が偽二十面相となって軍警の目を引き付ける隙に、軍警が保有する特殊装置を使って小五郎が「バベルの塔」を撮影した画像を分析して、謎が解ける。 テスラ装置の本物が、羽柴ビルに? だが、窓の外に二十面相がいると叫んだ小五郎が銃弾に倒れる・・・・。
 胸を血に染める小五郎と葉子を屋敷に残して、平吉と源治は羽柴ビルの最上階へ向かった。 そこで、平吉は、テスラ装置をめぐって、怪人二十面相と対決する・・・・・・・・・・。
一言
 「第二次世界大戦が無かった世界」の日本を舞台とする、怪盗・怪人二十面相と、怪人二十面相に間違われた男の物語。 前半で怪人二十面相の正体(顔)が分かり、中盤では明智小五郎と怪人二十面相と疑われている男が共闘、 クライマックスでは、予告編映像でも見せていた、高層ビル屋上での攻防が繰り広げられ・・・・その末に明らかになった、 怪人二十面相の“真実”には、意表を突かれました。
 設定がおかしいところもありますが(例:怪人二十面相が盗みの対象とするのは、豊かな上流階級だけなのに、 怪人二十面相逮捕の報道に貧しい大衆が沸き立つ)、大作らしい、万人受けするであろう楽しい作品に仕上がっていると思います。
 ラストシーンは、続編(怪人二十面相対小林少年?)を意識したものでしょうか。 もし続編が作られるなら、観たいものです。



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