| 公開 |
2009年1月17日 |
| 監督 |
瀬々敬久 |
| 脚本 |
瀬々敬久 |
| 音楽 |
安川午朗 |
出演 |
妻夫木聡、壇れい、国仲涼子、藤竜也、佐藤浩市、池脇千鶴、金田明夫、キムラ緑子、正名僕蔵、馬淵英俚可、三浦アキフミ、小松彩夏、
宮川一朗太、田山涼成、三浦浩一、光石研、嶋田久作、田中裕二、カンニング竹山、太賀、夏雄、ダンテ・カーヴァー、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
2011年1月3日。いずみ野市立病院で、医師の松岡剛は、発熱等の症状で来院した真鍋秀俊を診察、風邪の診断をした。
ところが翌日、秀俊は、高熱、けいれん、吐血、多臓器不全等の、新型インフルエンザと想定されていた症状に陥る。
インフルエンザ検査では陰性であるにも関わらず!?
これが全ての始まりだった。秀俊は死亡、妻の麻美も発症し、同じような症状の患者が続々来院して、院内感染まで起きた。
病院職員はタミフルを服用して、非常態勢で事態に当たるが、有効な治療法も無く、秀俊の診療中に吐血を浴びていた医師の安藤が倒れ、死亡した。
感染症はいずみ野市以外の各地でも発生し、厚生労働省も混乱する中、WHOのメディカルオフィサー・小林栄子がいずみ野市立病院に派遣された。
栄子は、日本にいた頃、松岡の恋人だったが、今は別々の道を歩んでいる。
外部の人間である栄子を快く思わない高山医師は自ら、栄子のサポートに付くと申し出たが、監視しようという魂胆を見抜いていた栄子は、
松岡をサポート役に指名した。
栄子は、次々に、取るべき方策を指示した。
病院そのものを職員ごと隔離して、診療を感染症に限定し、重症患者のみを入院病棟に受け入れ、軽症患者は自宅療養とさせる・・・・。
冷徹な栄子のやり方に、医師も看護師も反発していたが、やがては自らの意思で過酷な勤務に向き合っていく。
同じ頃。いずみ野市内の養鶏場で鳥インフルエンザが確認され、全ての鶏が殺処分された。
鳥インフルエンザの権威・仁志教授をはじめとする調査団がこの養鶏場に入るのだが、野鳥の侵入する余地は無く、
仁志の目から見ても、鳥インフルエンザ感染対策は完璧だった。
何よりも、最も鶏と接触していた養鶏場主の神倉章介も、その一人娘・茜も感染していない。
松岡も栄子も、今の事態は、鳥インフルエンザが変異した新型インフルエンザとは違うのではないかと考え始める。
厚生労働省は、各機関の調査・検査の結果、今回の感染症はインフルエンザではないと発表した。
だがその発表の直前、それまで世間から感染源として“犯人扱い”されていた神倉章介は、首吊り自殺していた。
茜は、父が“濡れ衣”で死んでしまったことに、愕然とする・・・・。
「ブレイム」と命名された感染症は、全国で猛威を振るい続け、交通網も都市機能も麻痺、政府が正確な感染者数と死亡者数を把握出来なくなるまでに至る。
松岡は、回復して自宅に帰っていた真鍋麻美に会い、彼女と死亡した夫・秀俊が発症する前に、父・立花修治の訪問を受けたことを聞き出した。
立花は、東南アジアの小国・アボンで医師をしているのだが、その時体調が悪そうで、予定を切り上げて1日でアボンへ帰って行ったという。
松岡は意を決して、以前知り合った無名の研究者・鈴木浩介に検体を“横流し”して、感染症の原因究明を委ね、自らは仁志と共にアボンへ飛んだ。
アボンで、立花の足跡を追った松岡と仁志は、正体不明の感染症が蔓延する島にたどり着く。
立花は、そこで医療活動をし、自らも感染、命を落としていたのだった。
松岡は帰国し、ガンで余命の少ない仁志が島に残って感染源を追う。
遂に、ブレイムの感染源が解明された。
アボンの島で、開発された海岸部から内陸部へと住民が踏み行ったために、未発見のウイルスが人間に触れてしまったのだった。
そしてそのウイルスも、確認された。
ウイルスが発見されても、ワクチン完成には半年を要する。それまでは、従前通り、対症療法しかない。
なおも非常事態は続く。
いずみ野市立病院でも、人工呼吸器が足りなくなった。
栄子は、回復の見込みが無い重篤な患者から人工呼吸器を外して、回復の見込みがある患者に回すよう指示を出す。
しかしこの苦渋の対応でも、死者は増えて行く・・・・。
栄子は、長野県の病院に移ることになった。
だが、移動途中で血の混ざった咳が出て、栄子自身もブレイムに感染したことを悟る。
着任した病院で、栄子は、志願して重症患者の担当医として働くのだった。
いずみ野市立病院に、茜がブレイムに感染して救急搬送された。
危険な状態の茜の治療に当たる松岡に、栄子からテレビ電話が入った。
死の迫った栄子自身に、アフリカのエボラ出血熱で数例成功した血清療法を試みるという。
一か八かの方法だが、松岡も目の前の茜に血清療法を採用する決断をし、血液型が同じ麻美の協力を得て、実行した。
一時は心肺停止状態に陥った茜は、麻美の血液から作った血清の効果があり、持ち直した。
松岡は、栄子がブレイムと闘っている長野の病院へ向かう・・・・・・・・・・。
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| 一言 |
鳥インフルエンザが変異して、人から人へ感染する新型インフルエンザが発生したら?
〜現実に恐れられていることが起こって、感染爆発し、医療機関は大混乱、社会機能も低下して、日本中が荒廃。
感染症が新型インフルエンザではないことが判明して、正体が既存だが未知だったウイルスだと突き止められても、
ワクチン完成には半年を要し、その間に感染者は3000万人を突破、死者も1000万人に達する。
〜ぞっとするような、リアル・シミュレーション作品です。
引っかかったのは、松岡の二度の“戦線離脱”行為です。
一度目は、感染症の正体を探して、アボンへ行ったこと。
彼の勤務する病院は、スタッフごと隔離状態にされて、医師も看護師も死にものぐるいで、精神的にも肉体的にも限界を超えるような仕事をしているのに、
1人の医師が数日間不在にすることは、同僚をさらに危機に陥らせる行為であり、彼の「移動」が、正体の分からない感染症を広める可能性すらある、危険な行為でもあります。
二度目は、生死の境目にある患者=茜を蘇生させることに成功するなり、栄子がいる長野へ向かったこと。
この行為が同僚に負担をかけることは前記の通り。
加えて、蘇生したばかりの茜は、なお危険な状態であることに変わりはなく、初めて行った実験的治療法の効果を確認するためにも、目を離してはいけないところでしょう。
これらの点は、商業映画なりの「嘘」で、目くじらを立てるべきではないのかもしれません。
しかしながら、リアル・シミュレーションとしては、アボンでの調査は別の人物(例えばWHOのスタッフ)が当たるべきだし、
生死をさまよう栄子がいる長野へ行きたい気持ちをこらえて、松岡は茜の側を離れずにいるべきでしょう。
主人公の英雄的活躍や、恋愛ドラマ的部分を抑えた方が、この映画の迫力は増していたと思うのです。
十分佳作ではあるけれど、ちょっと惜しいところです。
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