| 公開 |
2009年9月12日 |
| 監督 |
田中光敏 |
| 原作 |
山本兼一 |
| 脚本 |
横田与志 |
| 音楽 |
岩代太郎 |
出演 |
西田敏行、椎名桔平、大竹しのぶ、福田沙紀、寺嶋進、山本太郎、石田卓也、緒方直人、水野美紀、河本準一、熊谷真美、
上田耕一、前田健、石橋蓮司、内田朝陽、夏八木勲、西岡徳馬、渡辺いっけい、田口浩正、遠藤章造、福本清三、笹野高史、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
尾張国・熱田の番匠(宮大工)・岡部又右衛門は、織田信長から、安土全山の築城を命じられた。
又右衛門が安土に赴くと、信長の気が変わって、指図(設計図)争いとなる。
競う相手は、京の池上家と、大和の中井一門。
信長の付けた注文は、5重の天主の内4層までは吹き抜けにすることだったが、又右衛門は唯一人、吹き抜けの無い指図と模型を作る。
怒る信長に、又右衛門は、3者の模型の1層目内部に火を付けて見せた。
2つはあっという間に炎上するが、又右衛門の模型は、火の回りが遅い。
吹き抜けは炎の道となり、最上階に居住する信長の命にかかわる〜誠意ある説明に信長は得心、又右衛門が築城の総領に任じられた。
岡部衆はじめ、数多の職人が安土に集められ、築城が始まった。
一方で又右衛門は、天主閣の親柱となる、最高の檜を求めて、武田氏の勢力下にある木曽に向かった。
領主・木曽義昌は、杣匠の甚兵衛に、適当な木を見せて、諦めて帰らせるよう命じたのだが・・・・
甚兵衛は、又右衛門の誠意に打たれて、密かに樹齢二千年の親睦を提供することを約束した。
又右衛門の帰還に、築城現場は沸き立つ。だが、待てど暮らせど、檜は届かない。
一方で、信長の戦のための櫓造りに職人が徴発され、戦場から帰らぬ者もあり、現場は重苦しい空気が漂い始める。
待望の檜が、琵琶湖を使って運び込まれた。
その陰には、“裏切り行為”を知った義昌に甚兵衛が斬られる犠牲もあったのだが・・・・。
ようやく親柱が立ち、天主の建築が進む。又右衛門は一層仕事に打ち込む。
妻・田鶴が、患いを夫に隠したまま、息を引き取った翌日も、又右衛門の姿は現場にあった。
山でみつかった巨岩を信長が気に入り、山頂に運ぶよう命じた。
石工頭の清兵衛は、それは蛇石(じゃいし)であり、動かせば災いが起こると反対するのだが、結局、信長の厳命に屈した。
蛇石運搬の日、衆人の前に姿を見せた信長に、職人達に紛れ込んでいた刺客が襲いかかる。
岡部衆の中で炊事に携わっていたうねも刺客の1人だった。
刺客は全員討たれ、うねに思いを寄せていた熊蔵も、うねをかばおうとして、諸共に落命してしまった。
この騒動で、運搬中の蛇石が斜面を転がり落ち、多くの人が下敷きになった。
惨劇の翌日、又右衛門は、信長の不興を買ってまでも、作事を休みにした。
だが、嵐が近付く気配に、不安を覚えた又右衛門は、建築中の天主に行く。
又右衛門の不安は的中していた。
親柱を囲む柱の礎石が沈んで、親柱が天主を突き上げる形になっていて、このまま嵐を迎えたら天主は倒壊してしまう・・・・。
そこへ、娘・凛、清兵衛の石工衆、岡部衆達が続々と集まった。
又右衛門は、事実を伝え、危機を脱するために、親柱を4寸切ることを宣言した。
早速衆人は綱と滑車と台座を準備して、天主を数寸浮かせる。
その隙間を使って、親柱が4寸切断され、又右衛門自らが断面の仕上げに取りかかった。
空前の天主の想像を絶する重量に、綱を引き、支える老若男女の手は血まみれになり、又右衛門は祈る思いで作業に打ち込む・・・・・・・・・・。
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| 一言 |
巨城・安土城築城を巡る、壮大な物語・・・・なのに、観に行った映画館のスクリーンが小さめだったせいか、スケール感が今ひとつでした。
安土城の威容を表すには、大きなスクリーンでなければ間に合わないようです。
後半に、信長暗殺を巡る殺陣があり、戦国時代を舞台にした信長ものでありながらこれが唯一の戦闘シーンですが、むしろ蛇足に感じました。
いっそ殺陣が全く無い方が、この映画の場合、人間ドラマの厚みをより堪能出来たかもしれません。
建築物を造るには木の心を聞かねばならぬように、国を作るには人の心を聞かねばならぬと、宮大工・又右衛門から天下人・信長が学ぶのは爽快なエピソードです。
しかし惜しいことに、信長は、結局人の心を聞かなかったから数年後に死んだ訳で、まるで、この物語の重要な部分が史実によって否定されているかのようです。
(もちろん、史実が先ではあるけれど。)
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