「結婚しようよ」

公開
2008年2月2日
監督
佐々部清
脚本
寺崎かなめ、市倉久央、佐々部清
音楽
吉田拓郎
出演
三宅裕司、真野響子、藤澤恵麻、AYAKO(中ノ森BAND)、金井勇太、中ノ森バンド(YUCCO、CHEETA、
SHINAMON)、松方弘樹、入江若葉、岩城滉一、モト冬樹、田山涼成、中村育二、波田陽区、福島まり子、
田村三郎、ガガガSP、他
備考
  
物語
 香取卓は、不動産会社で働き、妻・幸子、長女・詩織、次女・香織と、4人家族で暮らしている。 夕食は必ず家族全員揃って食べることを家のルールとし、又、そうすることを卓は生き甲斐としていた。
 ある日の帰り道、駅前でストリートライブをするグループの演奏に合わせて吉田拓郎の歌を口ずさんだ卓は、木村充という名の青年と知り合った。 “今時、毎日、家族全員で食卓を囲む”話しを信じない充を、卓は自宅に招く。 本当に家族揃って夕食をとることに、充は驚く。 彼は、阪神淡路大震災で家族を亡くして千葉の親戚に引き取られて、今は三食ともアルバイト先のコンビニエンスストアの期限切れ弁当という生活に耐えながら、 亡き親がそうだったように、そば職人目指して、そば屋で修行していることを話す。 卓は充に、またいつでも食事に来いと、上機嫌だった。
 詩織は、手作り弁当を持って充を訪ね、交際が始まった。
 香織は、3人のバンド仲間と一緒に、ライブハウス「マークII」のオーディションを受け、合格した。 そのマークIIのオーナー・榊健太郎も、従業員で榊の学生時代の後輩・丸山も、香織が自宅の押入から引っ張り出して使っているギターに見覚えがあった。 そのギターは、かつて卓が使っていた物である。 そして榊と卓は、学生時代、マークIIの前身である「マークI」でデュオを組んで歌う仲間だった。 香織は、榊から、ミュージシャンを目指していた若き日の卓のこと、マークIでアルバイトしていた幸子のこと、 卓と幸子の恋と、卓が夢を断念した経緯を、聞かされる。
 詩織は、充からプロポーズされて、そば屋に通い、充の打つそばの試食をすることが増えた。 香織も、バンド仲間や榊、丸山達とのつきあいが多くなった。 夕食時に、家族が揃わなくなり、卓は不機嫌に。 結婚の許しを得に訪れた充を、卓は殴ってしまう。
 退職後の人生を夫婦二人で、農業しながら送りたいという菊島夫婦に売った、田舎の家に、卓は足繁く通った。 ボロボロの農家住宅を、環境が気に入って買った菊島夫婦は、二人で少しずつリフォームしていたのだが、卓は、裏の井戸の水を母屋に引くことを提案し、 自ら手伝うのだった。 作業の後に、菊島と酒を酌み交わすのも楽しみなのだが、娘達に関する悩みをこぼす卓に、菊島は自分の考えることを語った。
 卓が、いつものように菊島家で作業していると、幸子と香織と、香織のバンド仲間と榊と丸山までやって来た。 大勢で作業して、水路は一気に完成。 幸子が菊島夫人と一緒に用意した料理で、菊島夫婦の引越祝いパーティーが始まる。 “引っ越しそば”に卓が舌鼓を打つと、そのそばを打った充と詩織が姿を現した。 実は、香織達が菊島夫婦の協力を取り付けて、つまり卓以外の全員が仕組んだことだったのだ。 卓は、遂に、詩織と充の結婚を許す。
 詩織と充の結婚式。会場のマークIIで、卓は詩織と一緒にバージンロードを歩く。 ところが香織が、織に相談して計画したことを明らかにし、卓は驚く・・・・・・・・・・。
一言
 佐々部清監督が十八番の「家族の話」を突き詰めたらこうなった、という感じの映画。 家族の絆は、夕食を必ず一緒に食べるという形ではなく、心がしっかり繋がっていることという物語。 もっとも、主人公家族の絆は、必ず夕食を一緒に食べるという“形式”を20年以上続けたこと無くしては出来なかったのではないかとも思われますが。 (詩織と香織はかなり対照的な姉妹で、詩織に比べると随分“女らしくない”香織のことを父・卓がとやかく言わないのは、夕食を必ず一緒に食べる“形式”を香織が守り続けたからではないかとも。)
 詩織と充の関係がトントン拍子に進むのは、話がうま過ぎる感があるものの、善男善女が出会うと、恋もすれば結婚もするという、「釣りバカ日誌」シリーズにも通じるようなものを感じました。 他の登場人物も、出来事も、安心して見ていられます。
 全編に流れる吉田拓郎の音楽は、一部、歌が強過ぎるところもあるけれど、全体的にはこれでいいかなと思います。 映画館を出る時には、劇中で使われていた歌が、頭の中で繰り返し流れていました。



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