「交渉人 真下正義」

公開
2005年5月7日
監督
本広克行
脚本
君塚良一
音楽
松本晃彦
出演
ユースケ・サンタマリア、水野美紀、國村隼、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松茂豊、甲本雅裕、遠山俊也、柳葉敏郎、八千草薫、 西村雅彦、石井正則、金田龍之介、他
備考
  
物語
 2003年11月24日、「台場連続殺人事件」解決直後、真下正義は自ら「警視庁初の交渉人」として、報道陣の前で事件について語っていた。
 それから1年余りが過ぎ、2004年12月24日。午後4時頃。 東京の地下鉄には不審な車両が走り、警視庁のWEBサイトはハッキングを受けていた。 “犯人”は単なるいたずらではない証拠に公園のゴミ箱を爆破し、真下を名指しで挑戦。 かくして、柏木雪乃とクリスマスイブのデートを約束していた真下は、事件に関わらざるを得なくなった。
 室井管理官の命令で、交渉課準備室課長として真下は、部下5人を連れて、東京トランスポーテーション・レールウェイ(TTR)の総合司令室に乗り込む。 又、現場の捜査は、木島警視が仕切って始まった。
 真下達は、不審車両=何者かに乗っ取られた最新鋭実験車両・クモの暴走をTTR独力で解決すると息巻く総合指令長・片岡に、邪険に扱われる。 かろうじてTTR広報主任・矢野の協力で総合指令室の片隅に配置し、態勢を整え、犯人の割り出しにかかる真下のチーム。
 他の車両を衝突の危機に陥れながら暴走するクモは、目撃情報から、誰も乗っていないことが分かる。 さらには、何故か路線の監視網から消えては現れる、クモの神出鬼没の行動。 運行管理システムは、10年前の作成時に意図的に組み込まれていたと思われるOSのトラブルでダウンし、線引屋・熊沢が書くダイヤグラムと手動運行により、TTRは必死に事故を回避する。
 遂に、「弾丸ライナー」を名乗る犯人から、真下宛てに電話がかかった。かくして、真下と「弾丸ライナー」の頭脳戦が始まる。 犯人は何者なのか、犯行の目的は何なのか、クモに爆弾は仕掛けられているのか、何故クモは神出鬼没なのか・・・・?
 TTRの車両基地で第2の爆破が起きた。真下と「弾丸ライナー」の駆け引きと、木島達の捜査は続く。
 「弾丸ライナー」が出すヒント、真下の交渉、真下のチームの情報解析、TTRが渋々明かした秘密・・・・。 クモは、路線図に載っていない線路を走行して新宿に向かっていること、第3の爆弾が仕掛けられているのは新宿のコンサートホールであること、 そのホールで演奏中の曲が起爆に利用されること、クモは爆破指令の中継に使われることが判明した。 現場のコンサートホールには、真下を待つ雪乃がいる! 爆弾の発見と処理に爆破物処理班が、演奏を利用した起爆の阻止に木島達が、クモの進行阻止にSATが走る。 真下もまた、犯人がいると思われる現場を目指した。
 真下の部下は、犯人の割り出しにも成功するが、すぐにそれは今は存在しない筈の人物と判明。
 爆破物処理班、木島達、SATはそれぞれの任務を遂行。 コンサートホールの前に到着した真下の眼前、地下駐車場から不審な車が現れた。 不審車は、真下を誘うように、徐行と停止を繰り返す・・・・・・・・・。
一言
 「踊るレジェンドムービー」第1弾と銘打たれた、「踊る大捜査線」(以下、「踊る」)の派生作品。 「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ」(以下、「踊る2」)で、“警視庁初の交渉人”として活躍した真下正義が主人公で、「踊る2」の一応の続きに当たるのが本作。
 あの面白かった「踊る2」の派生作品故に、期待大で鑑賞したせいか、見終えた後の満足感は、随分物足りないものでした。 本家「踊る」では脇役だった真下は、劇中、よく頑張っているのですが、“本庁と所轄の軋轢”も無く、湾岸署の面々もほとんど登場せず、 “スリーアミーゴス”も本編終了後の「容疑者 室井慎治」の予告に姿を見せるだけ、といったことが肩すかし感の元のようです。 真下の恋人(?)・柏木雪乃役の水野美紀が、今作では見た目がどことなく「恋人はスナイパー」で演じた円道寺きなこ風だったのも違和感を感じました。
 もっとも、「踊る2」を意識するから物足りないのであって、駄作とは思いません。 随所の「踊る」シリーズらしさをちりばめながら(クライマックスの、木島達が“起爆”を阻止したシーンは、あまりの“らしさ”に大笑いしました)、 きちんと違う違う作品に仕上がっているのは、評価出来ます。
 それにしても、今作の犯人は・・・・・・。 真下正義=交渉人が主人公でありながら、彼が交渉により対決した相手である犯人の正体について大きな謎を残したままというのには、 主人公がやってきたことまでも釈然としない印象を受けました。 映画の最後は、「踊る」シリーズ以来続いた真下のプライベートなことに決着が着いて終わっていますが、事件そのものもきちんと決着をつけて欲しかったと思います。



学芸員室/映画掛TOPへ戻る