「めがね」

公開
2007年9月22日
監督
荻上直子
脚本
荻上直子
音楽
金子隆博
出演
小林聡美、光石研、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮、橘ユキコ、中武吉、荒井春代、吉永賢、里見真利奈、薬師丸ひろ子、他
備考
  
物語
 南の島の旅館「ハマダ」に、タエコはやって来た。 分かりにくい地図を頼りに、道に迷わず着いたタエコに、犬のコージと共に迎えた宿の主人・ユージは、「ここにいる才能」があると言う。
 「ハマダ」は、何だか変だった。 朝、タエコが目覚めると、枕元に常連(?)のサクラが座っていて、「おはようございます」とにこやかにあいさつをする。 砂浜では、サクラを中心に「メルシー体操」と妙な体操をやっている。 食卓は、ユージとサクラと、何故か島の高校の教師・ハルナと一緒に囲む。 春になると毎年ここに来るらしいサクラは。砂浜の小屋で、かき氷を売っている。(お代は、その人が返せる物を、何か。) タエコが観光したいと言えば、皆、不思議そうな顔をする。 〜観光する所など無い、黄昏れないのに何をしに来たのか?〜
 タエコは、「ハマダ」を精算して出て、島のもう一つの旅館「マリンパレス」に向かう。 分かりにくい道を歩き、ようやくたどり着いた「マリンパリス」で、タエコは歓待されるのだが・・・・ 午前は農作業、午後は勉強会、という「マリンパレス」の生活を聞いて、即座にそこを後にした。
 道に迷い、日暮れが近づいて途方に暮れるタエコの前に、サクラが現れた。 サクラの自転車に、タエコは二人乗りして、「ハマダ」に戻ったのだった。
 それから、タエコはたそがれ始めた。 「ハマダ」の食卓を楽しみ、メルシー体操にも参加し、目的もなく編み物をしたり。
 「ハマダ」に、新しい客がやって来た。 タエコを「先生」と呼ぶ青年・ヨモギである。 ヨモギは、たそがれることに早々に順応した。 しかし彼はタエコに言う。旅は永遠には続かない、と。
 タエコは、「氷のお礼」に、編み物をサクラに差し出した。
 季節が変わる時が、来た・・・・・・・・・。
一言
 何とも言えない、不思議な映画。ストーリーがあるような無いような・・・・やっぱり無い?
 エンドロールが終わった直後は、とにかく「不思議」としか言いようがなかったけど、時間をおいて、「何か良かったかなあ」と思うようになってきました。 そこがまた、不思議なところです。
 この映画の登場人物達は、ほとんど何者なのか分かりません。 コージが宿の主人で、ハルナが高校教師らしいことは分かるけど、宿の主人は客がたくさん来るのを望んでいないし、高校教師は遅刻の常連だし。 タエコはヨモギに「先生」と呼ばれているけど、何の「先生」なのかはさっぱり。 (そもそもタエコは長逗留しに「ハマダ」に行っている訳で、何ヶ月もの長期休暇がとれる「先生」って?) 毎年、南の島に来てかき氷を振る舞うサクラも、正体不明。訳の分からないことばかりの、この映画の登場人物達。
 何の事件も起きず、世界の危機などなく、ただ日常が続く中で、登場人物達は、使命も帯びず、守るべきものもなく、 頑張っていないし、時間に追われてないし、何とも戦っていないし、命なんてかけてない。 ただたそがれる・・・・脱力したような生活を送るだけ。 つまらないようで、実は、こよなく平和で穏やかな生活! この何も無い島で日々たそがれて過ごすことこそ、主題歌の歌詞を借りれば「すべてがここある」のであり、「自由に生きている」のであるかもしれません。 そう思えて、感想が「不思議」から「何か良かったなあ」に変わりました。
 でもやっぱり不思議な映画です。 主要登場人物5人が全員めがねをかけていて、だから「めがね」なのか? 「めがね」という題名に、特別な意味は見出せませんが、では他にどんな題名がいいかといえば・・・・やっぱり「めがね」でいいのかもしれません。



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