「ミッドナイトイーグル」

公開
2007年11月23日
監督
成島出
原作
高嶋哲夫
脚本
長谷川康夫、飯田健三郎
音楽
小林武史
出演
大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作、石黒賢、藤達也。袴田吉彦、大森南朋、佐々木勝彦、橋爪淳、坂本爽、金子さやか、 浪岡一喜、濱田岳、重松収、佐藤弘紀、相築あきこ、他
備考
  
物語
 戦場カメラマンだった西崎優二は、目の前で幼い子供が爆死した経験を境に、北アルプスに籠もって星空の写真を撮っていた。 妻・志津子は死別し、一人息子・優は、週刊「WISE」の記者である志津子の妹・有沢慶子が引き取って育てている。 夫がいつか戦場カメラマンに戻ることを願いながら姉が死んだ経緯から、慶子は西崎を恨んでいた。
 ある夜、西崎は、夜空をよぎる光体を目撃し、シャッターを切った。 北アルプスに消えた、その光体が気になった西崎から情報を聞いた、高校の山岳部の後輩でもある東洋新聞記者・落合信一郎は、強い興味を持ち、 西崎を訪ねて、半ば強引に北アルプスへ一緒に向かった。途中、西崎が撮った光体の写真を、落合は「WISE」の慶子に郵送しておいた。
 北アルプスの登山口は、自衛隊によって封鎖されていた。 何かあると感じ取り、西崎と落合は、警備の手薄な登山道を選んで進む。 だが、彼らは正体不明の戦闘部隊の銃撃を受け、西崎は下山を、落合は強行を主張。 西崎は一度は一人で下山を開始したものの、引き返して落合と再び合流する。
 西崎と落合は、自衛隊の特殊部隊と正体不明の戦闘部隊の銃撃戦に遭遇した。 西崎の目撃した光体は、アメリカのステルス爆撃機B5、通称ミッドナイトイーグルで、某国の工作員の爆破により、北アルプスに墜落し、 日本国政府は、渡良瀬首相が招集した安全保障会議にて自衛隊による機体回収を決定、特殊部隊を派遣したが、工作員も同じくミッドナイトイーグルを確保しようとしていたのだった。 ミッドナイトイーグルには特殊爆弾が搭載されており、これが爆破された場合、日本は甚大な被害を受ける。 西崎と落合は、生き残った自衛隊の三等陸佐・佐伯と共に、ミッドナイトイーグルの墜落現場へと進んだ。
 米軍横田基地に工作員が進入した事件を追っていた慶子は、落合が送った西崎の写真を受け取り、又、編集長の宮田の指示を受け、 負傷した工作員・平田俊夫に接触する。 恋人・チヘ共々俊夫を、慶子とカメラマンの青木はホテルに隠したが、工作員が俊夫を追っており、俊夫とチヘはさらわれてしまった。 慶子達が救出に向かったものの、俊夫の自爆と引き換えに、彼の子を宿しているチヘを取り戻すのが精一杯だった。
 慶子は公安に捕らわれたが、宮田が公安と取引をしていたらしい。 優と一緒に、慶子は、安全保障会議に連れて行かれた。
 北アルプスでは、西崎達3人がミッドナイトイーグルにたどり着いていた。 先に着いていた工作員を掃討して機体内部に入った西崎達は、特殊爆弾に取り付けられた時限起爆装置を発見する。 工作員により解除用パスワードが変更されていたが、俊夫がチヘに渡したペンダントに鍵となるチップが隠されており、 安全保障会議により解読されて、起爆寸前で危機は回避された。
 しかし、ミッドナイトイーグルは、新手の工作員に包囲されていた。 数十人の敵に対し、守るのは佐伯に、民間人である西崎と落合を合わせて、たった3人。 佐伯の指示通りに西崎と落合も銃撃戦に加わって、時間稼ぎに成功した。 頼みの応援部隊が上空までやって来たが・・・・天候不良でヘリが降下出来ないまま工作員の攻撃を受け、やむなく帰投してしまう。
 このままでは、ミッドナイトイーグル搭載の特殊爆弾が工作員の手に落ちるのは時間の問題。 そうなれば、数え切れないほどの犠牲者が出てしまう。 西崎は、無線を使って安全保障会議に、ナパーム弾の使用を提言した。 一瞬の高温で周囲を焼き尽くすナパーム弾なら、ミッドナイトイーグル搭載の特殊爆弾に影響を与えることなく、西崎達もろとも、包囲する工作員部隊を殲滅可能だ。 もっともナパーム弾は、日本の自衛隊は保有していないのだが・・・・・・・・・・。
一言
 日本の危機に、主人公を巡る愛憎を織り込んだ、大作映画。 十分面白いのですが、「大作」の悪いところ(?)で、北アルプスでのミッドナイトイーグルをめぐるの西崎達の攻防と、 東京での俊夫とチヘを巡る慶子達の攻防とが交互に描かれて、緊迫感がかえって薄れてしまったり、クライマックスで「感動させよう」という意図が見え見えの引っ張り方をしたり、 文句なしの傑作とは言い難い面もあります。 天候不良で応援部隊が降下出来なかったのに、クライマックスでは気象が回復しているように見えて、“その方法”をとる必然性が感じられなくなっていたのも、大きな興醒め点。 それでも、複雑な物語を、よくこの上映時間に収めていると思います。
 アメリカ軍が勝手に日本に持ち込んだ物が、第三国の工作により、日本の一大事の種になった時〜この国の危機管理に、一石を投じる物語でもあります。
 演技的に、一番目に止まったのはチヘ役の金子さやか。 不法入国した外国人の設定で、日本語がほとんど喋れないという役で、台詞らしい台詞がほとんど無い中、言葉を発する必要がないくらいに「チヘ」を表現していると感じられました。



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