| 公開 |
2009年7月4日 |
| 監督 |
岩本仁志 |
| 原作 |
手塚治虫 |
| 脚本 |
大石哲也 |
| 音楽 |
池頼広 |
出演 |
玉木宏、山田孝之、石橋凌、石田ゆり子、山本裕典、山下リオ、鶴見慎吾、風間トオル、中村育二、半海一晃、品川徹、
林泰文、デヴィッド・スターズィック、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
沖之真船島で、島民600人が毒ガスにより、一夜にして全滅した事件から16年。
奇跡的に生存し、島から脱出していた2人の少年の内、
賀来(がらい)裕太郎は神父となって、身寄りのない子供達の世話をしながら神に祈りを捧げる日々を送っている。
もう一人の結城美智雄は、LA新世紀銀行に勤務する銀行員になっていたが、それは表向きの顔・・・・。
結城は、ある目的を持って、明晰な頭脳を駆使して犯罪を重ね、16年前の事件の時の「命の恩人」である彼に逆らえずにその手助けを続けながら、
賀来は、神に仕える身として、苦悩していた。
大手ゼネコン役員・岡崎の娘を誘拐して、身代金1億円を奪った上、親子とも殺害した結城は、次に、銀行の上司・山下をはめる。
大物政治家・望月に献金を迫られて困っていた山下に、亡き岡崎の隠し口座の存在を耳打ちして、彼の口座に資金を移動させたのだが、これが罠・・・・。
16年前に、毒ガスを少しだけ吸ってしまった結城は、時々後遺症に苦しんでいた。
発作を起こして眠る結城を、刺し殺そうとして出来なかった賀来に、岡崎の事件の容疑者として結城をマークしていた刑事・沢木の部下である橘が接触を図る。
だが、結城が先回りして“仕掛け”をして、図らずも賀来は橘の命を絶ってしまう・・・・。
山下を、横領の容疑者に仕立てておいて、拉致、監禁し、結城は「MW(ムウ)」の所在を問いただした。
MWとは、アメリカ軍が開発した神経ガスで、16年前に沖之真船島の島民を全滅させたのは、MWの漏出だった。
その事件は隠蔽されたが、日本側で関与していたのは当時の外務次官・望月であり、望月に協力して立身出世したのが岡崎や山下だったのだ。
だが山下も、現在のMWの正確な所在までは知らず、結城は彼を殺した。
部下・橘を殺された沢木は、結城のマンションに侵入して、大量の武器と多額の紙幣を発見、結城に対する疑いを強める。
東京中央新聞の記者・牧野京子は、岡崎の事件や、それ以前の殺人事件を追っている内に、沖之真船島が接点であることに気付き、
かつて沖之真船島に関わる取材をしている最中に落命した先輩記者・川村の取材手帳を入手した。
手帳には、16年前の事件とその真相が記されていた。
その情報を元に、生き残りの2人の少年を助けた神父の教会を訪ねた京子は、賀来と結城に出会う。
真実を明らかにするために、3人は、沖之真船島に向かう。
沖之真船島で、MWを探す3人だったが、空容器しか発見出来なかった。
そこへ、アメリカ軍のヘリが飛来し、地上の3人に銃撃を浴びせる。
バラバラに逃げる3人。結城は、京子から、かつて“彼が殺した”川村の取材手帳を奪うと、ヘリの銃撃を浴びるようにし向け、死なせた。
負傷した賀来を連れて脱出した結城は、川村の取材手帳から、MWの本当の在処がアメリカ軍の東京基地であることを知った。
結城の暴走を止めようとする賀来を海に突き落として、結城は、MWを目指す。
賀来の教会の孤児達を利用して、慰問と称して東京基地に入った結城は、司令官を人質に取り、MWの入った容器を手中に収める。
米軍と、特別に基地内に入った沢木に包囲されながら、結城は、用意させた軍用機に乗って、司令官を操縦士に、飛び立った。
その機内には、生き延びて、結城を止めようと追って来た、賀来も乗っていた。
東京上空の機内で、結城と賀来が対峙する・・・・・・・・・・・。
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| 一言 |
信じれば裏切られる〜何人もの劇中の登場人物と、この映画の観客とは、同じ思いがすると思います。
結城の繰り広げる凄惨な所業の果てに辿り着く結末は、そうであろうと納得すべきところ。
しかし黒幕は・・・・と思っていたら、ラストシーンに「え??」と驚かされました。
“悪魔の兵器”がこの世に存在する限り、同じことは何度でも繰り返されるという示唆なのでしょう。
この映画のキャッチコピーは、「世界を変えるのは 破壊か。祈りか。」で、結城役の玉木宏と、賀来役の山田孝之のダブル主演のところ、
物語を引っ張っていたのは、圧倒的に、玉木宏演じる結城でした。
聖職者でありながら、結城の犯罪を止めることが出来ずに苦悩するのが、賀来の役どころで、結城に振り回されるのは仕方ないとはいえ、
もう1人の主人公と呼ぶには弱々しい感が否めません。
復讐に人生をかける結城=破壊者(悪)と、憎しみを超えて神に仕える賀来=祈る者(善)が、映画の中での存在感が対等であったら、
「人間」というものをさらに深く描き上げることが出来たであろうと、いささか残念なところです。
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