「陰陽師」

公開
2001年10月6日
監督
滝田洋二郎
原作
夢枕 獏
脚本
福田 靖、夢枕 獏、江良 至
音楽
梅林 茂
出演
野村萬斎、伊藤英明、真田広之、小泉今日子、今井絵理子、夏川結衣、柄本明、岸部一徳、萩原聖人、他
備考
  
物語
 桓武天皇は、謀反の罪をかけられて憤死した弟・早良親王の怨霊を将軍塚に封じ込め、長岡京を捨てて、平安京に遷都した。
 それから150年・・・・平安京は、魔の都だった。 鬼、妖怪、怨霊らを鎮め、闇と光を調和させる者が、陰陽頭・道尊以下、陰陽寮に属する陰陽師達。 中でも、安部晴明は一際陰陽道に長けていた。
 右近衛府中将・源博雅が、晴明の屋敷を訪れる。 用件は、中納言・藤原兼家の屋敷の松に生えた瓜の正体を暴くこと。 早速問題の瓜を見た晴明は、呪(しゅ)がかかっていることを見抜き、呪の元の女の骸に博雅を案内した。
 陰陽頭・道尊が、星が、都の守り人が現れたことを示していると告げる。 その頃、内裏では、左大臣・藤原師輔の娘・任子が敦平親王を産んだ。 師輔の政敵、右大臣・藤原元方は、自分の娘・祐姫から帝の寵愛が離れることが面白くない。
 敦平親王が呪をかけられ、博雅が再び晴明の助けを求めた。 晴明は、博雅と式神・蜜虫を伴って将軍塚へ行き、博雅に評判の笛を吹かせる。 笛の音を聞いて現れた青音を加えた4人は、内裏へ行き、敦平親王の体内の邪気を青音に移し、晴明の屋敷へ。 晴明は、邪気を青音の体から解き放つと、博雅に斬らせた。
 敦平親王に呪をかけていたのは、道尊だった。 彼は、博雅を狙うことにする。 都の守り人とは、晴明と博雅のことだったのだ。
 道尊は、藤原元方と結んで、博雅に敦平親王呪殺の罪を着せようとして失敗。 次には、祐姫を生成にして任子の寝所に出現させたが、祐姫を秘かに慕う博雅の一途な心に、祐姫は人の心を取り戻し自害した。
 元方も自害。 道尊は将軍塚に封印されていた早良親王の怨霊を復活させた。 怨霊の群れが都を襲う。 検非違使の兵達には歯が立たない。 都を守ろうとする博雅は、晴明に助けを求める。 晴明は、他の誰のためでもなく、博雅のために、道尊との対決に立ち上がるのだった。 平安の都に、決戦が始まる・・・・
一言
 まず、何と言っても、主演の野村萬斎に尽きます。 古典芸能を本業とする人だけに、所作が気品にあふれ、この世のものではない(?)空気を漂わせて「安倍晴明」を完全に自らのものにしています。 他の俳優が晴明を演じれば、それはそれでそれなりの雰囲気をもった晴明であるでしょうが、彼ほどのものではないでしょう。
 ストーリーは、不可思議な出来事を通して、安倍晴明と源博雅の出会い、2人の友情の芽生え、最後の大事件へと続き、 「陰陽師・安倍晴明」の大活躍というよりは、晴明と博雅、2人の活躍する物語という印象を受けます。 最初は「晴明殿」、「博雅様」と呼び合っていた2人が、協力して怨霊と戦った事件を境に「晴明」、「博雅」と呼び合うようになるのが前半の見所。
 また、晴明が超人的であるのに対し、博雅は実に人間的で(怨霊を目の前にして腰を抜かしたり、犬のように喘いでみたり・・)、この2人の対比も面白いところです。



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