「陰陽師II」

公開
2003年10月4日
監督
滝田洋二郎
原作
夢枕獏
脚本
江良至、夢枕獏、滝田洋二郎
音楽
梅林茂
出演
野村萬斎、伊藤英明、今井絵理子、深田恭子、中井貴一、古手川祐子、市原隼人、鈴木ヒロミツ、山田辰夫、伊武雅刀、蛍雪次朗、五代高之、、他
備考
  
物語
 日隠れ(日蝕)の後、都に鬼が現れて、貴人を殺して体の一部を喰らう事件が続いていた。 右大臣・藤原安麻呂の屋敷では鬼封じの儀式が執り行われ、出席した源博雅は、「鬼も恐るる男姫」と噂される安麻呂の娘・日美子に心引かれる。 その後も鬼は人を襲い、次の犠牲者は儀式を仕切った神官だった。
 安麻呂は、夜に夢遊病のようにさまよう日美子が事件に関わっているのではないかと、博雅を通じて安倍晴明に調査を依頼する。 又、内裏ではアメノムラクモの剣がひとりでに音を立てる事件が起き、これにも晴明が呼ばれたが、その“気”の正体はつかめなかった。 晴明は、屋敷に籠もってアメノムラクモの剣について調べ、彼を訪れた博雅は、正史と異なる、出雲族を朝廷が制圧したという歴史に驚いた。 又、博雅は、夜道を歩いていて、美しい弦の音を奏でる須佐と知り合い、管弦の友となる。
 その頃、平為成と三善行憲は、どんな病も治し、民から神と崇められている玄角を訪ね、鬼退治を依頼した。
 再び現れ、巫女を殺した鬼は、逃走中に検非違使の放った矢で負傷する。 鬼の正体=須佐は、安麻呂の屋敷にさしかかり、何故か日美子に傷を癒され、屋敷にかくまわれるのだった。
 翌日。日美子を訪ねた博雅は、居合わせた須佐と合奏するが、須佐は左腕に激痛が走り、逃げ出した。
 安麻呂は、晴明に、日美子の秘密を明かした。 18年前、安麻呂は朝廷の軍を率いて、出雲族の村を滅ぼした。その時に殺せずに連れて帰った出雲族の少女が、日美子だったのだ。
 晴明は、出雲八卦から鬼の目論見=アメノムラクモの剣に封印されたヤマタノオロチの力を解き放つために、天岩戸に関わる8人の神々の子孫を殺すことを見抜いた。 博雅と蜜虫の手を借りて晴明は、結界を張って鬼を捕らえたが、その正体が須佐だと知り動揺した博雅の失態で取り逃がしてしまう。
 鬼の獲物の最後の1人・アマテラス=日美子は、晴明に連れられて出雲族の村の跡に行った。 晴明と日美子の前には、日美子の母・月黄泉の亡霊が現れて、真実を語った。 出雲族の長だった玄角は、アメノムラクモの剣の封印を解いて、ヤマタノオロチの力を得、出雲の神・スサノオを復活させて、朝廷に復讐する計画。 そして須佐は、日美子の弟だというのだった。
 だが、晴明にも阻止すること出来ず、須佐はアマテラス=日美子を喰らい、封印の解けたヤマタノオロチの力で、スサノオになった。 玄角はスサノオを使って、破壊の限りを尽くした。
 スサノオを鎮めるには、手段は一つ。アマテラスを復活させるしかない。 そのために晴明は、天上の天岩戸に向かった。博雅も共に。 神々の領域、天岩戸の前で、博雅が笛を吹き、晴明が舞う。
 アメノムラクモの剣を携えた玄角とスサノオも、天上に追って来た。 剣と舞、出雲の神の力と笛の闘いが繰り広げられた末、スサノオは須佐に戻り、母・月黄泉と姉・日美子に伴われて昇天する。
 下界に戻った晴明と博雅。だが、傷を受けた晴明は動かない。彼を抱きかかえて、名を呼び続ける博雅。 その背後に、アメノムラクモの剣を手にした玄角が迫っていた・・・・・・・・
一言
 2年前の前作のヒットを受けて、シリーズ第2弾として製作された本作。 圧倒的存在感を誇る、野村萬斎演じる安倍晴明。あくまでも凡人だが熱い心を持つ、伊藤英明演じる源博雅。 絶妙な、この2人のコンビが健在であることにより、安心して見ていられました。 第3作が作られるとしたら、この2人は続投して欲しいものです。
 前作に比べると、物足りなかった点がいくつか。
1つ。前作の魅力であった、晴明と博雅が出会い、友情で結ばれ、“都の守り人”として立ち上がる過程が、続編である今作では(当然ながら)無いため、ワクワクする部分に欠けたこと。
2つ。古代神話をモチーフに使って、前作から変化をつけているが、少々分かりにくい内容になったこと。
3つ。CGを前作以上に多用しているが、これがかえって興ざめだったこと。
 特に3点目は、都が吹き飛ばんばかりの迫力の映像を見ながら、「次回作では、でも壊れていない都が出てくるんだろうな」と思ったりしたものです。
 「陰陽師III」も、きっと見に行きますが。

 余談ですが、「陰陽師II」の帝役は、「陰陽師」では貴族役で出演していた蛍雪次朗。 役の上では全く別人にしても、あり得ない“昇進”を遂げた彼は、4年前の「ガメラ3」ではホームレスに身をやつした大迫元警部補役。 最底辺(ホームレス)と頂点(帝=天皇)を演じた役者は、そうそういないのでは?



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