| 公開 |
2005年12月17日 |
| 監督 |
佐藤純弥 |
| 原作 |
辺見じゅん |
| 脚本 |
佐藤純弥 |
| 音楽 |
久石譲 |
出演 |
反町隆史、中村獅童、仲代達矢、鈴木京香、松村ケンイチ、蒼井優、渡辺大、内野謙太、崎本大海、橋爪遼、山田純大、金児憲史、
森宮隆、池松壮亮、長嶋一茂、渡哲也、井川比佐志、林隆三、本田博太郎、高知東生、平山広行、勝野洋、高畑淳子、余貴美子、
寺島しのぶ、白石加世子、奥田瑛二、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
平成17年(2005年)4月6日。
鹿児島県枕崎で、北緯30度43分、東経128度4分に連れて行ってくれる船を探す女性がいた。
誰も相手にしなかったが、老漁師・神尾は、内田真貴子と名乗る彼女が元戦艦大和乗組員・内田二等兵曹の娘で、
数年前に亡くなった父の遺骨を60年前に大和が沈んだ地点に返したいのだと知り、若い弟子・敦と共に老朽化した小型漁船・明日香丸を出すことにする。
東シナ海、大和沈没地点へと進む明日香丸の船上で、神尾は、戦中のことを思い出す・・・・・・。
昭和19年春。
昭和16年12月8日に始まった太平洋戦争は日本劣勢という状況の中、神尾、伊達、西、常田ら特別年少兵が戦艦大和に配属された。
彼らを待ち受けていたのは、厳しい訓練が続く日々。
時には、烹炊所班長・森脇二等兵曹や機銃射手・内田二等兵曹に救われることもあった。
神尾達にとって、森脇や内田は憧れの存在だった。
昭和19年10月。大和は、レイテ沖海戦でアメリカ軍と交戦した。
神尾達特別年少兵にとっては初めての実戦で、叱咤されながら懸命に戦闘に当たる。
この海戦で、日本海軍連合艦隊は、大和の僚艦・武蔵をはじめ多数の艦船を失う壊滅的打撃を受けた。
大和も多くの被弾で死傷者を出した。内田は左目を失って大和を降り、呉の病院に送られたのだった。
昭和20年3月。戦況はますます悪化していた。そんな中、大和の乗組員達に上陸許可が下りた。
最後の上陸になると覚悟して、乗組員達はそれぞれに時間を過ごす。
神尾は、自宅に帰り、幼なじみ・妙子から、母・スエが米軍機の銃撃から妙子をかばって亡くなったことを聞かされた。
西は、郵便局で、母親に最後の送金。
常田は、森脇の計らいで、養子に出されてから会ったことのなかった実母と対面した。
そして、内田が、呉の病院を抜け出して、大和に密かに乗り込んだ。
昭和20年4月5日。大和を旗艦とする第2艦隊に、アメリカ軍が上陸した沖縄への出撃命令が下った。
燃料を片道分しか積まない、特攻作戦である。
艦内の各所で乗組員達が議論を闘わせながら、その夜は更けて行く。
翌4月6日。大和以下10隻の第2艦隊は、沖縄へ向けて出航した。その行動はすぐにアメリカ軍に察知される。
当初は目的地を隠すために一旦東シナ海を西進した艦隊は、アメリカ軍が暗号を使わない通信を使っていることを知り、真っ直ぐ沖縄に向かうこととした。
4月7日。空を覆う雲を破って、おびただしいアメリカ軍の航空機が襲いかかる。
第2艦隊は、高角砲や機銃で応戦。
しかし、アメリカ軍の攻撃は激しく、魚雷、爆弾、機銃弾を喰らって大和も大きく傷付き、次第に左に傾斜、甲板は死傷した乗組員の血潮に染まっていった。
機銃座で任務に当たる神尾の周りでも、次第に戦闘可能な者が減っていた。
大和の左舷へ傾斜が限界に達して、遂に、総員に退避が命じられた。
なおも戦闘を続行しようとする神尾は、内田と森脇に強引に退けられた。
横転を始めた甲板を、他の乗組員や物品共々海へと滑り落ちて行く神尾。
それから大和は爆炎を空高く昇らせて沈没。生存者達は、残った駆逐艦に救助されたのだった。
内地に生還した神尾は、戦死した西の母を訪ねた。
妙子が動員された広島には、8月6日、原子爆弾が落ちた。
家族を戦争で皆亡くした神尾は、将来を約束した妙子まで失った。
平成17年4月7日。明日香丸は、大和沈没地点に到着した・・・・・・・・・・。
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| 一言 |
紛れもなく、日本の大作映画。
巨費を投じて“建造”された戦艦大和実寸大ロケセットは、スクリーンの中で、CGでは得られない「存在」感を放ち(艦上構造物がCGで追加はされてますが)、
約2時間半の上映時間も、B4版のパンフレットも(?)、巨艦・大和を語るにふさわしいもの。
この映画の物語の特徴は、ほぼ特別年少兵(神尾)の視点で語られていること。
特に、現在は老人となった生き残りが、大和在りし時を回想し、また“今”があることで、あの戦争が何だったのかがあぶり出されています。
何もかも失った神尾が、60年間を悶々と生き、しかし真貴子の口から(生きていたとは思ってもみなかった)内田の言葉を聞いてようやく解放された、ということを通して。
・・・・(善悪ではなく)事実として60年前の甚大な犠牲の上に現在があるのであり、現在に命のある者はしっかり生きなくてはならない、ということです。
いくつか不満を並べると、戦闘シーンが機銃座中心で大局が分かりにくかったこと、
大和以外の艦船の姿があまり見えなかったこと、その大和も意外と全身がスクリーンに映し出されることは少なかったこと、等。
又、制作者(角川春樹)の思い入れの強さが十分映画に表れているのですが、その思い入れは強いが故に一歩退きたい印象です。
一番切ないと思ったのは、神尾が「ボロ船」明日香丸を大事にしている理由が分かった時でした。
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