「リアル鬼ごっこ」

公開
2008年2月2日
監督
柴田一成
原作
山田悠介
脚本
柴田一成
音楽
岩代太郎
出演
石田卓也、谷村美月、大東俊介、松本莉緒、柄本明、吹越満、三浦涼介、田中鈴之助、菅原卓磨、渡辺奈緒子、 山田能龍、金澤ゆかり、品川徹、他
備考
  
物語
 事件、事故、自殺・・・・死因は別々だが、何故か「佐藤」姓の人が立て続けに死んでいる日本。 母亡き後、飲んだくれている父・輝彦と、感情と言葉が無く精神病院に入院している妹・愛を持つ佐藤翼は、かつては親友だった佐藤洋がリーダーの不良グループと対立して、 持ち前の逃げ足の速さを発揮して逃げ回っていた。
 ある日、遂に洋達に捕まった翼は、気が付くと“違う世界”にいた。 そこは誰も翼のことを知らない世界で、全然性格の違う洋が教えてくれるのには、「王様」が、囚人を「鬼」として放ち、 「佐藤さん」を標的とする鬼ごっこを行っていて、捕まった「佐藤さん」は収容所に運ばれて毒ガスで殺されるし、 激しく抵抗すればワイヤーナイフで殺されるという。 翼には信じがたい話だが、実際に異様な衣装を着た「鬼」が「佐藤さん」を殺すのを目の当たりにして、洋と一緒に逃げ始める。
 「鬼ごっこ」は、ルールに則っており、1週間、決められた時間内だけ行われる。 その日を洋と共に逃げ切った翼は、“健康な”愛に出会った。 さらに愛は、“飲んだくれではない”父に引き合わせた。
 愛の説明は、こうだ。 〜翼のいた世界とこの世界はパラレルワールドで、両方の世界に同一人物の分身がいる。(ただし、翼は1人。) 分身同士は生死を共にしていて、一方が死ねば分身も死ぬ。 翼のいた世界で「佐藤」姓の人が次々に死んだのは、この世界の「鬼ごっこ」のせいだ。 翼の妹の愛は、病気の代わりに特殊な能力を持っていて、分身であるこの世界の愛に交信してくることが出来る。 この世界の「鬼ごっこ」で分身が殺されれば、翼の妹の愛自身も死んでしまうので、分身の愛を守るために、兄・翼をこの世界に“送った”。〜
 サイレンが鳴り、「鬼ごっこ」が始まった。 翼は、愛と父と、洋と、協力して「鬼」から逃げ切ろうと、必死に走り続ける。 だが、父がまず犠牲になり、最終日には洋も失った。 さらに、終了のサイレンが鳴る直前、愛も「鬼」に捕らえられ、連れ去られてしまった。
 「鬼ごっこ」は終わったが、愛を救うべく、翼はテレビ局に侵入して、中継カメラ越しに、国王と直接対決を試みる。 そして知る、母の“能力”と死の真相、翼自身の出生の秘密と、翼には分身がいない理由、仮面に素顔を隠していた国王の正体と、「鬼ごっこ」の目的・・・・。
 翼と国王の話し合いは物別れに終わり、国王は、愛をレーザーナイフの処刑台に乗せた。 テレビ局を飛び出して、翼は国王の城へと走るが、「鬼」の大部隊に包囲されてしまった・・・・・・が、気が付くと元の世界にいた。
 妹の愛を守れば、パラレルワールドの愛も助けられる筈と考えて、翼は、病院に向かって走る。 その頃、病院では、邪な医師に襲われた愛が、屋上に追い詰められていた・・・・・・・・・・。
一言
 異様な格好の鬼が「佐藤さん」であるというだけで人を追い回し、捕まえて、切り刻んでしまう、オカルト的な描写が登場しますが、 パラレルワールドを舞台にするSF作品というべき映画。
 100分足らずの上映時間に、複雑な設定を盛り込んで、破綻がそこかしこに見えるのですが、あまり気にせずに見ることが出来ました。 一つには、主演の石田卓也をはじめ、主要キャストがスクリーンの中で(文字通り)必死に走っていたことに、 もう一つには、終盤のどんでん返しに次ぐどんでん返しに、引きつける力があったからでしょう。
 ラストシーンには、やはりこれはSF映画だと確信しました。 話がエンドレスになる終わり方ですが、これはこれで面白いラストシーンだと思います。



学芸員室/映画掛TOPへ戻る