「リンダ リンダ リンダ」

公開
2005年7月23日
監督
山下敦弘
脚本
向井康介、宮下和雅子、山下敦弘
音楽
James Iha
出演
ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織、三村恭代、湯川潮音、山崎優子、甲本雅裕、りりィ、藤井かほり、松山ケンイチ、 小林且弥、小出恵介、三浦アキフミ、三浦誠己、浜上竜也、山本浩司、山本剛史、南川ある、ピエール瀧、他
備考
「シネマトリップ vol.2 in MOVIX周南」にて鑑賞
物語
 芝崎高校文化祭・ひいらぎ祭の前日。軽音楽部の女子5人のバンドは、空中分解していた。 ギターの今村萌が指を骨折し、ボーカルの丸本凛子は喧嘩別れで脱退。 残ったのは、キーボードの立花恵(けい)、ドラムの山田響子、ベースの白河望の3人。 誰もが文化祭への出演は無理だと思っていたが、恵が意地で出ると宣言した。
 文化祭に出ると決めたものの、演奏する曲が決まらない恵達は、MDや古いカセットテープをひっくり返す。 ジッタリンジンの「プレゼント」聴こうと、カセットテープを入れたラジカセから流れたのは、全然違う曲、「リンダ リンダ リンダ」。 この曲に盛り上がった3人は、ブルーハーツのコピーをやることにした。
 骨折した萌の代わりにのギターは、恵が担当することに。 ボーカルは、成り行きで、部員でもなかった韓国人留学生・ソンに決まり、バンドメンバーが固まった。 4人は、その日早速、各自で練習を始める。
 文化祭1日目。早朝に部室に集まった4人は早速合わせてみたが、ひどい演奏と歌だった。 日中は、部室が使えなかったので外のスタジオで練習。 夜に学校に忍び込んだものの思いっきり音を出せないので、練習は進まなかった。
 文化祭2日目。ソンが、2年生の裕作に告白された。 恵達がのぞき見している中、ソンは、バンドの練習があるから、とハングルで煙に巻いて立ち去った。 4人は望の家で夕食を一緒に食べて、また部室へ。 恵と響子と望の気分が高まるのを待つ間、ソンは、夜の学校を歩いた。 一昨日まで友達がいなかった彼女は、今はなんだか楽しい。 部室にソンが戻ると、3人は準備が出来ていて、先生の許可が出ているので思いっきり音を出して、練習を始めた。
 文化祭3日目。2年生達が楽器を体育館に運び込むために入った部室に、恵達4人が眠りこけていた。 寸暇を惜しんで練習をしたことで、疲労がたまったのである。それでも4人は、外のスタジオに場所を変えて練習を続行。
 学校の体育館では、軽音楽部の各バンドの演奏が順調に進行していた。 いつの間にか揃って倒れるように眠っていた恵達が目を覚ましたのは、彼女達の出番の午後3時半! 飛び起きた4人は、大慌てで学校に向かう。
 体育館のステージでは、留年生の中島田花子がギターを弾き、萌が歌い、何とか間を持たせていた。 土砂降りの雨に打たれてずぶ濡れになった恵達が会場にたどり着いたのは、軽音楽部の終演まで10分あるかないかという頃。 田花子と萌が退いたステージに、恵、響子、望、ソンが立った・・・・・・・・・・。
一言
 急造の女子高校生バンドがブルーハーツを演奏というので、もっと疾走感のある展開かと思ったら、意外に緩い感じでした。
 それに、何とも不思議な“間”の多い映画。上映時間は114分ですが、90分台に収めることも可能だろうと思います。 そこを、あえて114分かけたのが、この映画の特徴といえば特徴なのでしょう。
 単にバンド映画にするのではなく、主要登場人物それぞれのエピソードを加えることによって、緩いなりに、凝縮された4日間の青春グラフィティになっています。 文化祭に出展した日韓交流展示をないがしろに、訳が分かっていないまま入ったバンドですっかり楽しんでいるソンを見ていると、何でもいいから一緒に何かをすることが国際親善の極意なのかもしれないという気がしてきました。
 ちょっと辛いのが、恵達が戻ってくるまでの時間稼ぎで歌った、萌の歌の上手さ。 女優が歌ったのではなく、元々音楽活動をしている人がキャスティングされているので流石というべき歌唱力だったのですが、主人公達の“前座”としては上手過ぎです。 もっとも、韓国人留学生・ソンのシャウトには、あまり関係ないかもしれませんが。



学芸員室/映画掛TOPへ戻る