| 公開 |
2003年11月8日 |
| 監督 |
北村龍平 |
| 原作 |
高橋ツトム |
| 脚本 |
桐山勲 |
| 音楽 |
森野宣彦、矢野大介 |
出演 |
釈由美子、谷原章介、大沢たかお、戸田菜穂、田口浩正、岡本綾、北見敏之、山田麻衣子、浅井江理名、小田瑞穂、
椎名英姫、菊地由美、魚谷佳苗、優恵、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
連続猟奇殺人事件の捜査で頭が一杯の刑事・神崎耕平の結婚式の日、彼の妻となる女性・斉木美奈が4番目の犠牲者となった。
神崎の腕の中で息絶えた美奈は、他の被害者同様、心臓をえぐり取られていた。
殺された美奈の魂は、そのことを自覚出来ないまま、恨みの門の前に立つ。
そこでは、恨みの門番イズコが、3つから1つを選択することを促した。
1死を受け入れて天国に行き、再生を待つ。
2死を受け入れずに霊となり、現世をさまよう。
3現世の人間を1人呪い殺す。ただしこの場合、地獄に行き、再生の無い苦痛が永遠に続く。
選択のために、美奈の魂は、恨みの記憶を辿って現世に降り立った。
憔悴しきった神崎は自殺を図るが、美奈の悲鳴がガラステーブルを割ったのに気を取られて、思いとどまった。
代わりに、犯人を捜して美奈の心臓を取り戻すことを心に誓う。手がかりは、結婚式の日に見かけた見知らぬ女性。
検屍医の青山響子の協力を得て、神崎は暴走気味に捜査を開始した。
ある日神崎は、響子の友人である出版社のカメラマン・岸を紹介された。
彼が撮影した、遺伝子工学の天才にして実業家の工藤達也のインタビューをした時の同僚・遠山小百合の写真に、彼女の心臓を鷲掴みにする不思議な手が写っていたというのだ。
霊感の強い岸が小百合を助けて欲しいと訴えても取り合わない神崎だが、工藤の秘書・三輪レイこそ、美奈の事件の手がかりの女性と知り、態度を変える。
小百合の危機を知って神崎と岸が駆けつけた時、既に彼女は5番目の犠牲者となって心臓を奪われていた。
さらにレイの一撃で岸は、生きたまま心臓が動かない状態になる。痙攣しながら岸は、神崎と響子に、以前助けてもらったことのある霊能力者・秀芳のところに連れて行くよう頼んだ。
工藤とレイの前に、イズコが現れた。
工藤は、レイの姉でもある妻・エリを原因不明の病気から救うための“儀式”に必要な、かつて恨みの門番・イズコだった者の心臓を集めていたのだった。
イズコは、魂の選択を妨げる工藤を阻止しようとしたのだが、レイに、呪文を彫り込んだ刀で返り討ちにされた。
消滅する前に、イズコは、美奈を後継者に指名、恨みの門番としての知識と力を授けた。イズコの死、そして新しいイズコの誕生。
神崎と響子の手で秀芳の元に運ばれた岸は、秀芳の力で心臓の鼓動を取り戻した。
そして秀芳は、工藤の企みを説明した。
恨みの門の向こう側にいる邪悪なるものの力で、この夜を闇にすることと引き替えにエリを救おうとしていること、「死界の書」に記されたその“儀式”のためにイズコだった者の心臓を集めていること、
必要な心臓は6個であること、残る6人目の標的は他ならぬ秀芳であること。
秀芳は、稀に存在する、恨みの門番としての記憶を持ったまま再生した者だった。
秀芳の言葉通り、工藤とレイが現れた。神崎と岸が食い止めようとするも、魔力を増した工藤に歯が立たない。
秀芳とレイは、激しく刀を交えて闘い、レイは深手を負った。秀芳の心臓を奪えないと判断したレイは、自らの胸に刃を突き刺し、心臓を掴み出した。
レイも又、かつて恨みの門番だった者だった。
6個の心臓が揃ったが、岸が撃った銃弾が、工藤を絶命させた。
だが、秀芳は、これで終わりではないと告げた。
“儀式”の最終段階は、恨みの門の前で、邪悪なるものを迎えて行われるのだと。
恨みの門の前に工藤がやって来た。
門を守る門番・イズコと、門を開いて邪悪なるものに願いを告げようとする工藤。
2人は刀を抜き、決戦が始まった。
現世では、今はイズコとなり工藤と闘っている美奈を助けようと、神崎が一大決心をしていた・・・・・・
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| 一言 |
全10話のテレビドラマ(平成15年1月〜3月放送)の、続編に当たる劇場版。(原作コミックのエピソードは全てドラマで使用されたため、オリジナルストーリー。)
「恨みの門」、「恨みの門番・イズコ」、「3つの選択」の基本的な設定は踏襲され、イズコは代替わりがあることと、釈由美子と山田麻衣子の役が歴代イズコの1人であることで、連続ドラマの最終回(イズコが、釈由美子から山田麻衣子に引き継がれた)とのつながりを持っていますが、
基本的にイズコは恨みの門から動かず、門を訪れた者の「恨みの記憶」を辿り、その選択を通して、死から生を見る物語だったテレビドラマ版とは、随分違う趣の作品です。
大きな違いは、劇場版は派手であること。
映画館の大きなスクリーンを使って、テレビドラマと同じことをやっても仕方ない(面白くない)訳で、事件と謎解きが複雑で大がかりなのは順当なところ。
しかし、あの殺人と死体の描写には、テレビドラマ版に馴染んだ目には、違和感を覚えました。(※PG12指定。)
同じ北村龍平監督作品「あずみ」を彷彿とさせる血飛沫と、殺陣も、まるで「スカイハイ」ではないかのような。
後半の、秀芳対レイ、イズコ対工藤の剣の闘いは見せ場なのですが、これでもかと言わんばかりの殺陣の連続に、食傷気味になりました。
(テレビドラマではイズコは丸腰だが、劇場版では最初から帯刀していて、既にアクション作品色を漂わせていた。)
「愛する者のために何ができるのか?どこまでやれるのか?」が劇場版のテーマだとされていて、物語をきちんと追って行けば、そのことも過激に描かれているのが分かるけど、
アクションとバイオレンスという視覚に訴えるものに隠れてしまった感が否めません。
テレビドラマより、明らかにスケールアップしていますが、それ以上にグレードダウンしていると思いました。
よくよく考えてみると、「3つの選択」を(劇中の当初の)イズコが美奈に迫っていながら、美奈は自らの選択を何ら決めぬまま、意志に関係なく次期イズコにされてしまった訳で、基本設定は利用はされていても踏襲された訳ではないとも言えます。
ならば、「スカイハイ」という同じ題で、話も繋がっていても、全く別の作品ととらえるべきなのかもしれません。
あるいは、一度転生してイズコではなくなった釈由美子を、今後予定されている「スカイハイ2」で再びイズコ役で主役に据えるための「スカイハイ1.5」にあたるエピソードと見るのがよいのかも。
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