| 公開 |
2002年11月2日 |
| 監督 |
山田洋次 |
| 脚本 |
山田洋次、朝間義隆 |
| 音楽 |
冨田勲 |
出演 |
真田広之、宮沢りえ、田中泯、小林稔侍、大杉蓮、吹越満、深浦加奈子、神戸浩、伊藤未希、橋口恵莉奈、岸恵子、丹波哲郎、他 |
| 備考 |
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| 物語 |
舞台は、幕末、庄内地方の小藩・海坂藩。
井口清兵衛は、御蔵方に勤める、50石取りの下級武士。
妻に労咳で先立たれ、2人の幼い娘と痴呆気味の母の世話、野良仕事、内職等のため、定刻で早々に帰宅する彼は、陰で「たそがれ清兵衛」と嘲られていた。
清兵衛の友人・飯沼倫之丞の家には、彼の妹で、清兵衛の幼なじみでもある朋江が、夫の暴力が原因で離縁し、嫁ぎ先から帰って来ていた。
その朋江の、別れた夫が飯沼家に押しかけ、成り行きで清兵衛が決闘することになったが、真剣を振るう相手を、清兵衛は棒っきれでうちのめしてしまう。
清兵衛が実は凄腕の持ち主だったことは、藩内に知れ渡った。
朋江は、何かにつけて井口家にやって来て、清兵衛の家族の世話をするようになった。
倫之丞は清兵衛に、朋江を嫁にもらってくれと話す。
朋江を慕っていた清兵衛だが、自らの貧しさを理由に断った。
藩主が死に、海坂藩は2派に割れた。
家老・堀が実権を握り、反対派を粛清する。
その堀に、清兵衛が呼び出された。
堀は、反対派の余吾善右衛門を討てという。
断ろうとする清兵衛だが、藩命と言われて逆らえず、引き受けざるを得なかった。
決行の日。
清兵衛は、“上意討ち”の身支度のために朋江を家に呼んだ。
準備が整い、出かける間際、清兵衛は朋江に、無事に帰って来たら妻になって欲しいと告げる。
だが、朋江は、会津家中の者との縁談が進んでいるのだった。
腕の立つ余吾善右衛門は、先に送られた討ち手を返り討ちにしていた。
その死体がまだ庭に転がっている余吾宅に、清兵衛は乗り込んだ。
驚いたことに、余吾は「逃がせ」と言い、労苦に満ちた身の上話を始めた。
浪々の年月が長く、妻を労咳で失ったという余吾に、清兵衛はつい気を許してしまう。
そして、亡き妻の葬儀のために刀を打ってしまい、竹光になった腰の物を見せた時、余吾の目が変わった。
余吾は大刀を抜いて斬りつける。
清兵衛は小太刀で応戦する。
命をかけた戦いが始まった・・・・・・・
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| 一言 |
幕末の、東北地方の小藩の、貧しい下級武士の物語。
〜組織の末端で、黙々と働き、貧しさと闘って、日々慎ましく暮らす男。
目立たない彼の人生にも、一つくらいは派手な事件も起きる。
逃げることは許されない。
命を落とせばそれまで。
生き残れば・・・・しかし英雄になれるとは限らない。
〜そんな、何処にでもいそうな誰かの物語。
井口清兵衛は、貧しい暮らしをみじめと思うでもなく、2人娘の成長を楽しみに、日々を懸命に生きていました。
政争とは縁遠い筈の彼にふりかかった、余吾善右衛門との戦いは、正に生死をかけた大事件。
傷を負いながらも、勝った清兵衛は、朋江を妻に迎えることが出来ました。
が、ほどなく新政府軍との戦いに巻き込まれ、戦場で命を散らすことに。
結局、清兵衛は、奮闘報われず、貧しいまま生涯を終えたようです。
いかにも不幸な清兵衛ですが、後に娘・以登は、幸せだった筈と述懐します。
生き甲斐だった娘が健やかに成長し(しかも、清兵衛の死後、育てたのは、彼が愛した朋江)、父は幸せだったと思われたのなら、世間的には報われなかった清兵衛ですが、天上で間違いなく満たされているでしょう。
人の幸せを決めるのは、確かな充足感であると、井口清兵衛の人生は教えています。
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