「釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」

公開
2006年9月8日
監督
朝原雄三
脚本
山田洋次、朝原雄三
音楽
信田かずお
出演
西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、益岡徹、谷啓、壇れい、高島政伸、星由里子、 加藤武、鶴田忍、小野武彦、笹野高史、中本賢、中村梅雀、、他
備考
  
物語
 スーさんこと鈴木一之助が、鈴木建設の社長職を退いて会長に就くことにり、大ホールで大勢の社員を前に、会長就任挨拶に立つが、絶句する。 感極まって言葉が出なくなったんだと思ったハマちゃんがスーさんの思いを代弁(?)して、その場は事なきを得たのだが・・・・ 実は、本当にスーさんは認知症の初期症状で、何故その場に立っているのか分からなくなったのだった。
 スーさんが行方不明になった。鈴木建設は、堀田新社長や重役達が混乱しながら箝口令を敷く。 スーさんの妻・久江が前原運転手にスーさんの行きそうな所を聞き出して、たどり着いたのは浜崎家。 鯉太郎が受けた電話からスーさんは岡山県にいるらしいことが分かり、久江が甥の産婦人科医(!)に偽の診断書を書かせて、病気休暇を取ったハマちゃんがスーさん捜索の旅に出た。
 スーさんは、岡山県の海の美しい街・瀬戸浜市の寺に寄宿していた。 朝ふと東京駅から新幹線に乗り、岡山駅に着いたところで昔の友人の墓参りをしようと思い、訪れたのが、大黒の木山温子とその娘・珠恵が守る海蔵寺。 墓地で温子に声をかけられて、そのまま清掃等しながら逗留し、不安だった心は平穏を取り戻していた。
 スーさんを探しに行った筈のハマちゃんは、海辺で釣りに興じているところをハマちゃんに発見される。 かくしてハマちゃんも海蔵寺へ。
 瀬戸浜市は、大野浜リゾート開発計画で揺れていた。 珠恵は、恋人の高原昌平とその友人・木村がリーダーの反対運動に参加しており、温子も海蔵寺を集会所として提供する形で反対派を支援していた。 釣りのポイントが消えてしまう計画に憤ったハマちゃんは反対派に共感。 だが、その計画の施工業者が鈴木建設と聞いて、言葉を失う。 「恩返しがしたい」・・スーさんは、ハマちゃんに、東京に戻って開発計画の黒幕を探るよう指示した。
 出社したハマちゃんは早速調査を開始、つかんだ情報をスーさんに電話連絡する。 スーさんは、珠恵に連れて行ってもらって、ある人物に面会する・・・・。
 大野浜では、工事が開始されようとしていた。 昌平達反対派は、現場入り口の前で座り込みを行い、スクラムを組んで抵抗する。 東京から舞い戻ったハマちゃんも、変装してスクラムに加わっていた。 もみ合いになり、工事車両が強行突破の準備をしていた時、開発業者側の動きが慌ただしくなり、突然引き揚げて行った・・・・・・・・・・。
一言
 シリーズ開始20年目にして、20作目。 (「スペシャル」と時代劇各1本があるので、題名の通し番号と作品数が合っていない。) 記念作品に相応しい、シリーズの王道的物語と、ハマちゃんとスーさんの掛け合いと釣りバカぶり、笑いと生真面目な部分等、見応えのある娯楽映画でした。
 前半は、老いに負けそうになったスーさんの失踪をめぐる騒動。 後半は、スーさんが再生した街の開発を巡る騒動。 後半の騒動には、毎度のように、ハマちゃんとスーさんが首を突っ込んで一層大騒動になりますが、今回は再生したスーさんが大活躍します。
 大野浜開発計画を、本当に阻止したのはスーさんの暗躍。 何も知らない町の若者達は、自分達の力で強大な開発業者に打ち勝ったと勘違いして狂喜乱舞。 でも、勘違いのままで良いのだと思います。 自信を持った彼らは、これからも自分達の街を自分達の力で守り、発展させようとするだろうから。
 最後の、釣り船の上でのハマちゃんとスーさんのけんかは、映画の終わりを笑って締めくくる、このシリーズらしさにあふれていました。 釣りバカよ永遠に、です。



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