「容疑者 室井慎次」

公開
2005年8月27日
監督
君塚良一
脚本
君塚良一 
音楽
松本晃彦 
出演
柳葉敏郎、田中麗奈、相川翔、八島智人、吹越満、佐野史郎、柄本明、真野みき、筧利夫、北村総一郎、小野武彦、斉藤暁、 津嘉山正種、大和田伸也、大杉蓮、小木茂光、升毅、木内晶子、寺泉憲、河西健司、浜田晃、矢島健一、並木史郎、大河内浩、中原丈雄、他
備考
  
物語
 「地下鉄不審車両暴走事件」から2カ月後の2005年2月。 東京拘置所に、弁護士・小原久美子が、担当する容疑者の接見のため来た。容疑者の名前は、室井慎次。
 それより2日前、新宿北署管内で殺人事件が発生した。容疑者として浮かんだのは、現職警官・神村。 しかし神村は、勤務先の交番内で取調中に突如逃走、追跡する刑事達の目の前で、トラックにはねられて即死してしまう。 被疑者死亡で捜査は終了しようとしたが・・・・遺留品から神村と被害者・黒木に接点があると気付いた捜査本部長・室井管理官は、捜査続行を宣言。 その直後に、東京地検の窪園検事が室井を「特別公務員暴行凌虐罪の共謀共同正犯」で逮捕した。 神村の母が、室井を刑事告訴したのである。その弁護士は、辣腕で知られる灰島秀樹。 灰島は、記者会見を開き、警察権力と闘うことを発表した。 一方の室井には、沖田管理官が津田法律事務所に弁護を依頼、津田弁護士は小原久美子を担当に指名したのだった。
 小原が手続きを取り、釈放された室井は、警察手帳を取り上げられ停職の身となるが、新宿北署に赴く。 捜査本部の部屋が封鎖されているにも関わらず、事件の真実を明らかにしようとする室井に、工藤刑事が共鳴して勝手に署内の一角を捜査本部にしてしまい、 新宿北署の刑事達一同は捜査続行に協力する。
 警視庁所管の現職警官が犯した殺人と、警察庁から警視庁に出向中の室井が容疑者になった訴訟。 事件を巡って、警察庁と警視庁は権力闘争を展開、室井には様々な圧力が加わる。 灰島弁護士とその部下達も揺さぶりをかけるが、寡黙に信念を曲げない室井は真実を追う。 新宿北署の刑事達の捜査により、桜井杏子という女性が黒木と神村の接点であったことが浮かび上がるが、一方で、室井が東北大学の学生だった頃に女性を弄んで死に追いやったと暴露する文書が出回った。 警察庁と警視庁の権力闘争は泥沼化し、両者とも室井を持て余す事態に。遂には室井に、国家公安委員長から、辞職を促す圧力が加わった。
 学生時代、ストーカー被害に遭った時に助けてもらえなかったことが原因で警察を嫌っていた久美子は、室井の人物に触れる内に、彼の弁護に力を入れて行く。 久美子は、室井の過去の暴露文書は事実に相違することを、亡き女性の父に会って受け取った日記により明らかにし、その日記を室井に渡した。
 沖田も、室井を救うために、独自に動いていた。
 新城補佐官宛に辞職願を提出して、室井は工藤達に、桜井杏子の連行を指示。 封鎖されていた旧・捜査本部を舞台に、室井、新宿北署の刑事達、桜井杏子、杏子の弁護も依頼されている灰島、それに室井の弁護士である久美子、さらに上層部まで集まり、 事情聴取が始まった・・・・・・・・・・。
一言
 「踊る大捜査線」から派生した「レジェンドムービーシリーズ」の第2弾。 本家「踊る大捜査線」や「交渉人 真下正義」の軽妙にテンポ良く進む特徴が影を潜めて、重苦しい空気の作品です。 主人公・室井慎次が容疑者である状態で始まるため、当然なのかもしれませんが、「踊る〜」シリーズの中にあっては異色作と言っていいと思います。 事件そのものは一応すっきり決着するものの、その後室井に発令されることは、また重さを感じるものであるし。
 物語全体としては、これも異色ですが、室井慎次個人を描いている映画。 この次に、舞台を変えた室井が主人公である映画が作られるとしたら、それも面白いと思います。
 シリーズ作との関わりでは、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」で室井に冷たくしたあげくに大失態で退場していった沖田が、 室井にかばわれてその責を免れ、恩を感じていたことになっていて、今回室井のために奔走するのは意外でした。 「交渉人 真下正義」の真下と雪乃の関係がどうなったのかも、今作で判明。
 いつも「本店」の顔色をうかがってばかりの湾岸署署長とその取り巻き・スリーアミーゴスが、留置中の室井に面会しに来たのには、驚かされました。 (そして、このシーンが、今作一番のギャグシーン。)



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