平成12年4月 選句結果
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 4 3 3 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 |
息止めて桜吹雪の真下なる ままならぬ身にいざなひの花だより 夕ぐれに帰りためらう花ふぶき 園児らの列をなさざる小遠足 山門をくぐりてよりの花の雲 連れ添ひて早や三十年花の橋 独り居に温もり届く草の餅 花の下語るる如し羅漢像 沈丁の香のなかにあり己が墓 この国の人と生まれて桜狩 相反す二つの心苗木植う 北向けて漁船群れ発つ春の潮 花むしろ主役は一人新社員 孫の声止みて食らふや蜆汁 |
湖底 イベ ちあき 和翁 あきこ 洋司 和吉 和吉 和翁 あきこ 檸檬 洋司 静歩 写楽 |
あきこ ちあき イベ 和吉 和吉 和翁 静歩 イベ あけみ 湖底 湖底 イベ 洋司 和翁 |
ちあき 写楽 写楽 あきこ 桜陰 檸檬 和泉 桜陰 |
あけみ 静歩 童明 檸檬 |
和泉 童明 |
洋司 |
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得点 | 兼題 「風光る」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
4 2 2 2 1 1 1 |
棚田の流るる水に風光る 復興を称える如し風光る 砂浜へ走りし子らに風光る 水皺や雲移ろいて風光る 風光る湿原の空献上す 風光る華の装い和服の宴 烈風に縦横無尽に風光る |
ちあき 和吉 桜陰 和翁 湖底 あけみ 檸檬 |
和吉 あきこ 檸檬 あけみ 静歩 洋司 湖底 |
桜陰 和翁 ちあき 和泉 |
写楽 |
童明 |
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私の選んだ一句 | ||||||||
棚田の流るる水に風光る | ちあき | 「棚田の流るる水に風光る」を「棚の田に流るる水に風光る」にしますと、上の句が5文字で良くなるのでは! 長い冬から春の陽射しになり、もうすぐ春田の準備の頃だと言う様子が良く出ています。 | 和吉 | |||||
息止めて桜吹雪の真下なる | 湖底 | 散りゆく花の美しさが、最大に表現されている と思いました。 巡ればまた楽しませてくれる桜・・地上に、水に、散り敷いても趣ある花ですから、散りながら楽しませてくれているのでしょう・・・・・ 「息止めて」が強すぎるような気がしますが、だからこそ良いのだ、という想いがあって、複雑に鑑賞しました。アッと思う「時の瞬間」を捉えた見事さに感嘆しました。 先日、友人とK公園に花見に行きました。何千本、いや何万本ものソメイヨシノが見事に満開です。この句はその時の私の気持ちをそのまま、詠まれていました。 |
あきこ 洋司 あけみ |
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夕ぐれに帰りためらう花ふぶき | ちあき | 花吹雪に家路なるも心惹かれて立ち止まる有様がまざまざと見える思いがします。 | イベ | |||||
連れ添ひて早や三十年花の橋 | 洋司 | 花の橋が効いていると思う。長い歳月、様々あったと思うが、作者は今満たされているのだろう。 | 檸檬 | |||||
山門をくぐりてよりの花の雲 | あきこ | 参道から山門をくぐると風景が一変空一杯に桜の花、花が雲になったような感じがよく伝わってきます。 | 桜陰 | |||||
ままならぬ身にいざなひの花だより | イベ | ままならぬ身、何か不自由なりか外に出ていけないきまずさ、しかし、色々と聞こえてくる花便りに作者の私も桜を観賞したい思いが感じます。 | 写楽 | |||||
独り居に温もり届く草の餅 | 和吉 | 残した家族のことを思いながら届いた草餅を食べている風景が寂しくも又家族の暖かさも感じられる句と思われます。 | 静歩 | |||||
烈風に縦横無尽に風光る | 檸檬 | 烈風に蹴散らされた風を読んだのでしょうか、風に蹴散らかされながら、それしきのこと何事ぞ蹴散らかされた故にむしろ光は鋭さを増している。なんと逞しく、誇らかに、光りつづける風に私は喝采を送ります。 | 湖底 |