平成13年12月 選句結果
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
3 | 冬晴れや造影剤の影白し | 手毬 | 夕花 | 静歩 | 洋城 | |||
3 | ひと筆の濃藍冬の日本海 | 洋司 | 手毬 | 夕花 | なぎさ | |||
3 | 初冬や豊かに米を洗ひけり | 夕花 | 暖流 | 静歩 | 洋城 | |||
2 | 七五三老人会の列を割り | 静歩 | まさき | 洋司 | ||||
2 | 落葉降る地はやはらかに受け止めぬ | 暖流 | みずき | 果林 | ||||
2 | 伊根舟屋海に向かいて柿干せり | 244 | まさき | 久須夜 | ||||
2 | シクラメン暮の歩道にあふれ出て | まさき | あきこ | 果林 | ||||
2 | 冬木立総身晒して立ちにけり | 果林 | 夕花 | なぎさ | ||||
1 | ひたち野をいよいよ冷やす冬の雨 | 夕花 | あきこ | |||||
1 | 画架立てて散り敷く落葉突き通す | 洋城 | 久須夜 | |||||
1 | 低き雲緋鯉の赤さえ冬の色 | 和泉 | 暖流 | |||||
1 | 凩を連れて乗り込む終電車 | 暖流 | 洋司 | |||||
1 | 人恋のいちばん小さき帰り花 | あきこ | みずき | |||||
1 | 土手に座す少女草の実一つ一つ | 244 | 手毬 | |||||
得点 | 兼題 「おでん」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
3 | おでん鍋しあわせの数つつきおり | あきこ | みずき | まさき | 洋司 | |||
3 | おでん屋台客もラヂオも津軽弁 | 暖流 | 手毬 | 静歩 | 久須夜 | |||
2 | 愚痴も出て決心もつきおでん鍋 | 手毬 | 洋城 | 果林 | ||||
1 | 箸立ててこんにゃく探すおでん鍋 | 京子 | なぎさ | |||||
1 | 湯気隔て妻の饒舌聞くおでん | 洋司 | 暖流 | |||||
1 | 寂しさよ一人前のおでんの具 | 244 | あきこ | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
初冬や豊かに米を洗ひけり | 夕花 | 冬のはじめの頃は麗かに晴れた日が多い。そして透きとおった日差しが美しい。その日差しよりも透明な水をたっぷりと使って、新米を磨ぐ。米も水も清らかに光っている。「豊かに米を洗ひけり」・・・まったく見事な表現であることだ。(暖流) 今年もお米は豊作のようです、米を作る人だけが感じる喜びをあらわしている句だと思います。(静歩) | ||||||
ひと筆の濃藍冬の日本海 | 洋司 | こういう写生句には凄く心惹かれます。瀬戸の穏やかな海しか知らない私には冬の日本海はたいそう魅力的です。濃い藍色の一筆に強く惹きつけられました。端的で上手い表現だと思います。(手毬) 冬の厳しい さびしい日本海に一本の濃い藍色がすっと引かれ 、、、海の色が美しく浮かびます。日本海に愛着を持ち眺めつづけいてる作者の目をも想像してみた。(あきこ) | ||||||
人恋のいちばん小さき帰り花 | あきこ | 人を思う気持ちを小さな帰り花に託した感性は素敵で類句の匂いがしません。中七の表現の小さきはいいな〜と思いますが一番が不要と思いました。(みずき) | ||||||
冬晴れや造影剤の影白し | 手毬 | 造影剤という、およそ俳句の題材に思い付かない物を選び、それも見事な句に仕上がっていて感心しました。(夕花) | ||||||
おでん屋台客もラヂオも津軽弁 | 暖流 | 一瞬、酒を巧みに詠み込み、謳いあげる吉幾三が、こんなの唄ったかな?と、思った。「【津軽弁のラヂオも】」が、とても良い。更に、「ラヂオも」の「ヂ」が、一桁世代にグッと、迫って来る。(久須夜) |