平成16年2月 選句結果
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
6 | 小包の隙間埋めたる雛の菓子 | 夕花 | いくこ | 静歩 | 手毬 | 弓子 | 春雪 | |
瓢六 | ||||||||
4 | 寒鯉の尾の一振りの濁りかな手毬 | 大上 | 竹峰 | 洋子 | 244 | 福助 | ||
4 | 身に添ひし四温宿りの遍路杖 | 手毬 | ムク | 静歩 | 陽炎 | 福助 | ||
4 | ひさびさに紅つけてみる浅き春 | いくこ | ムク | まさき | 和泉 | 洋子 | ||
3 | 雪付けし貨車また戻る操車場 | 244 | 大上 | あきこ | 洋司 | |||
3 | 謡初め順の近づく膝頭 | さっちゃん | みずき | あきこ | 瓢六 | |||
2 | 寒紅のくづれ気にする白川女 | 春雪 | いくこ | 夕花 | ||||
2 | 春潮の遠くにありて多喜二の忌 | あきこ | 晶子 | 大上 | ||||
2 | 春立つやボンボヤージュと青空に | 夕花 | みずき | 和泉 | ||||
2 | 道場の畳目粗く日脚のぶ | 大上 | 手毬 | 244 | ||||
1 | うつし世を隠してしまふ春の雪 | あきこ | 夕花 | |||||
1 | 独りゆく道きしきしと朝の雪 | 竹峰 | まさき | |||||
1 | 寒の木を今昇りゆく水のあり | 陽炎 | 晶子 | |||||
1 | 爺婆と呼ばれ嬉しき日向ぼこ | 静歩 | おさむ | |||||
1 | 梅あらむ遠回りして大江戸線 | 晶子 | めぐる | |||||
1 | 霜ばしら喜怒哀楽も灰となり | まさき | 陽炎 | |||||
1 | 吹雪く中みな寡黙なる登校生 | 洋子 | おさむ | |||||
1 | 大寒や顔の出てくるマンホール | みずき | 洋司 | |||||
1 | 節分の妻の笑いが部屋を駆け | まさき | めぐる | |||||
1 | 薄氷や声の明るき通学路 | 春雪 | 竹峰 | |||||
1 | 幾重にも衣まといて冬芽かな | 洋子 | 春雪 | |||||
1 | 寒満月からくり人形動き出す | 手毬 | 弓子 | |||||
得点 | 兼題 「寒雀」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
6 | ふるさとの無住の寺や寒雀 | 大上 | いくこ | まさき | 竹峰 | めぐる | 春雪 | |
瓢六 | ||||||||
3 | 寒雀いたわるような入り日かな | みずき | ムク | 和泉 | 洋子 | |||
2 | 藁小屋の裾をころころ寒雀 | 竹峰 | みずき | あきこ | ||||
2 | 公園に一位ふくらむ寒雀 | あきこ | 陽炎 | 弓子 | ||||
2 | 黒土のふくら雀はちょんと跳ぶ | 晶子 | 静歩 | 244 | ||||
2 | 寒雀すべり台して遊ぼうか | 手毬 | おさむ | 夕花 | ||||
1 | しのびよる猫のまなこや寒雀 | いくこ | 手毬 | |||||
1 | 寒雀楽しむための餌を蒔く | 洋子 | 福助 | |||||
1 | また一羽明けのしじまへ寒すずめ | そば | 大上 | |||||
1 | 寒雀あらぬ方向見ておりぬ | 244 | 洋司 | |||||
1 | 寒すずめ墓標をじっとみつめをり | 春雪 | 晶子 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
ひさびさに紅つけてみる浅き春 | いくこ | 希望の春を感じられて・・・紅をつける!前向きの心がしのばれました(ムク)。 | ||||||
寒雀いたわるような入り日かな | みずき | 寒い冬の庭に寒雀が!小さな雀を少しでも暖めてあげましょう〜〜〜優しい気持ちが汲み取れる句だと思いました(ムク)。 | ||||||
寒雀すべり台して遊ぼうか | 手毬 | 一休和尚の世界を彷彿させる句です(おさむ)。 自分の句も含めてこの季語の句は似た視点が多かったように思います。 その中でこの句はちょっと角度が違って新鮮でした。 一茶の目線を彷佛とさせる、優しさが好きです(夕花)。 | ||||||
謡初め順の近づく膝頭 | さっちゃん | 手に取るように説明の効いた俳句は感動は湧きませんが、物に託して気持ちを表している俳句は色々想像が湧きます。この句はそのような意味で好きです(みずき)。 | ||||||
春潮の遠くにありて多喜二の忌 | あきこ | 一見平和な日本であり、また戦争にかかわる成り行きもあり、複雑な世相です。苦しんだ貧民、労働者が忘れさられ、平均的には調和していても問題は多いです。多喜二のことなど知らない若者もおりましょう。せめて句のなかで彼の存在を明かにしてその死を悼み、過去を振り返りたいと思いました(晶子)。 | ||||||
また一羽明けのしじまへ寒すずめ | そば | 明けやらぬ寒の気にふと目覚め遠くに雀の声を聞いた。そこへ、思いがけぬ近くに新しい声を聞いた。もう日が昇るのだろう(大上)。 | ||||||
藁小屋の裾をころころ寒雀 | 竹峰 | かわいらしい雀の様子が目に浮かびます。ころころと、がよろしいと思います。群れて遊びに来る雀たちは明るくって見ているのが楽しいですね(あきこ)。 | ||||||
春立つやボンボヤージュと青空に | 夕花 | 春ですもの。ボンボヤージュと行きたいですね。何処へ。春ですもの、何処だって光と花にあふれかえっているでしょう(和泉)。 | ||||||
小包の隙間埋めたる雛の菓子 | 夕花 | お子さんへの小包でしょうか。ちょっとした隙間も何かで埋めてあげたい。雛菓子で埋めるとは、楽しいではないですか!生活の中のちょっとしたアクセントをこんな風に句に出来たら素敵ですね♪(手毬)。 | ||||||
節分の妻の笑いが部屋を駆け | まさき | 奥さんが豆を撒いているのでしょうね、太巻きもがぶりお腹もふくれ、さあとばかりに旦那様めがけて「鬼は外」って、まさかそれは無いでしょうが、明るい家庭が眼に浮かびます、微笑ましくて楽しい句だと思いました(めぐる)。 | ||||||
寒満月からくり人形動き出す | 手毬 | 冴えきった月の光に今しも命を吹きこまれたかのような人形の動き。無機的な妖気と稚気が綯いまざる異世界が現れました(弓子)。 |