平成17年8月 選句結果
得点 | 兼題 「花火」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 飼い犬も入りて線香花火の輪 | 紫 | あきこ | 与作 | 弓子 | 唯人 | しま | |
4 | 揚花火胸の真中へ落ちにけり | あきこ | コジラ | 244 | 夕花 | コスモス | ||
4 | 七色の花火おわりて闇ふかし | 唯人 | オーク | 緑茶 | ウクレレ | 門名無 | ||
3 | 老妻のはしゃぎ可愛いや大花火 | 与作 | 春雪 | ダイゴ | 桜桃 | |||
2 | 天の川洪水ならむ降る花火 | しおみ | ちあき | 霜月 | ||||
2 | どの町の花火か音が揺れて着き | 桜桃 | 静歩 | 軽率 | ||||
2 | 遠花火訪ねし村の闇深し | まさき | もも | 汀 | ||||
1 | 寄り添えば嫉妬花火か炸裂す | 244 | 福助 | |||||
1 | 幼な日やチャイナタウンの遠花火 | 夕花 | まさき | |||||
1 | 煙澱み音のみ確か遠花火 | ダイゴ | アコ | |||||
1 | 線香も打上げもあり花火の輪 | 門名無 | 晶子 | |||||
1 | 尽きる前線香花火手を合わせ | 福助 | しおみ | |||||
1 | 共に見た友は今亡き遠花火 | 汀 | 紫 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
6 | 丸のまま落陽呑みこむ夏の海 | 与作 | コジラ | 春雪 | もも | 緑茶 | 霜月 | |
門名無 | ||||||||
4 | 雨乞いがたりぬぞ蛙もっと鳴け | 唯人 | 晶子 | 弓子 | 軽率 | しま | ||
4 | 風走る青田に鷺の白さかな | 桜桃 | オーク | 霜月 | 汀 | 軽率 | ||
3 | 炎昼(えんちう)の工事梯子にボトル揺れ | オーク | アコ | 緑茶 | コスモス | |||
3 | キャンプ場思わぬ山より月昇る | 春雪 | しおみ | 弓子 | 福助 | |||
3 | 喜雨の来て飼い犬土間で鼾かく | 244 | ダイゴ | 夕花 | 紫 | |||
3 | 里帰り渋滞抜けて蝉時雨 | 桜桃 | 与作 | ちあき | もも | |||
3 | 父の尻少し痛かろ茄子の牛 | まさき | 晶子 | ちあき | 唯人 | |||
3 | はいはいの瞳の先や金魚鉢 | 汀 | 244 | オーク | 紫 | |||
3 | 風鈴にほほ膨らまし背なの孫 | オーク | あきこ | アコ | まさき | |||
2 | 雲の峰一気に湾岸ハイウェイ | 夕花 | 244 | 与作 | ||||
2 | 峠道下りし先の夏の海 | もも | まさき | 福助 | ||||
2 | 迎え火や記憶の奥の夫の声 | 汀 | 春雪 | しま | ||||
2 | 熱帯夜ことさら熱き湯を満たす | 和泉 | 桜桃 | ウクレレ | ||||
1 | 青に白貼り付けたよな入道雲 | 緑茶 | しおみ | |||||
1 | 姥百合や捨てられもせぬ袋帯 | 晶子 | 静歩 | |||||
1 | 円陣の球児の汗やせみ時雨 | もも | 汀 | |||||
1 | 群生の向日葵の中還暦なり | ちあき | あきこ | |||||
1 | 濃き紅を刷いて宵宮気はそぞろ | 和泉 | ウクレレ | |||||
1 | 新涼や白衣のこころ菩薩かな | 霜月 | 静歩 | |||||
1 | 恙無き一と日(ひとひ)夕焼に手を合わす | 与作 | コスモス | |||||
1 | 中山道木橋の下に瓜冷やす | 春雪 | ダイゴ | |||||
1 | ひとかきの腕より湧けり夜光虫 | 夕花 | 霜月 | |||||
1 | みずすまし水面に映る空を飛ぶ | 門名無 | 緑茶 | |||||
1 | 屋根たたく激しき夕立家静 | 静歩 | 唯人 | |||||
1 | 夕されば浮かび上がりし烏賊釣り火 | あきこ | 桜桃 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
飼い犬も入りて線香花火の輪 | 紫 | 「夜、一日の暑さから解放されて小さな子と手花火に興じるひととき、そこに飼い犬も加わって輪になっている、というのが 好いですね。」(あきこ) 「外国製と国産の線香花火の比較をTVで見ました。「松葉」から「散り菊」、そして「柳」に移る、美しくもあえかなな変化は、日本の美学そのものでした。覗き込むワンちゃんも和犬が似合うような・・・」(弓子) 「この感じ、我が家と一緒です・・・!もっとも 線香花火じゃなく、多摩川の花火大会」(しま) |
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揚花火胸の真中へ落ちにけり | あきこ | 「作者にお聞きしたい。このとき無心でしたか?それとも雑念?一杯でそれが吹っ飛んだか?私は無心だったと思いたい。」(コジラ) 「心情句ですが、あの大花火は見上げる人の心模様により様々な感慨を及ぼす作用があるのは確かです。胸の真ん中に落ちる花火、分かるような気がします。」(夕花) 「夜空を焦がし大きく揚がる花火は様々な想いを運んできます。この句を拝見して、遠い日の花火の音、光、想い出が、胸に甦りました。」(コスモス) |
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七色の花火おわりて闇ふかし | 唯人 | 「明るい世界から 急に真っ暗な闇に。 この闇は新しいエキサイテイングな風景を浮かびあげるキャンバスです。 闇をホッと息のつける空間、次の華やかな火花を待ちわびる空間として捉えており、闇も楽しいものだと実感させてくれる。」(門名無) |
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天の川洪水ならむ降る花火 | しおみ | 「子供の頃は”天の川”がくっきりと見えていましたが、気がつけば空に天の川が見えません、、花火の真下に陣取ると、花火は降ってくるのですよね、、景色の大きさと、リズムが気持いいとかんじました。」(ちあき) 「作者の視点が素晴らしいと思いました。」(霜月) |
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線香も打上げもあり花火の輪 | 門名無 | 「仲良しか家族か、むつまじい様子が偲ばれます。昔は子供とやりましたのに。」(晶子) |
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丸のまま落陽呑みこむ夏の海 | 与作 | 「大きな景色そのままに。船の上で見た景色を思い出します。」(コジラ) 「あの夕日、表現したかったです。」(緑茶) 「スケールの大きな風景に圧倒されている感動が伝わってくる。」(門名無) |
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雨乞いがたりぬぞ蛙もっと鳴け | 唯人 | 「今年の荒れた天候に雨乞いをした人を知っています。降れば大雨、蛙も困ったでしょう。」(晶子) 「一茶の「そこのけ〜〜」を思わせる優しいユーモア。作者も蛙達も元気一杯。」(弓子) 「今年は、穏やかな雨が少なかったですね〜〜神頼みならぬ、蛙頼み???」(しま) |
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炎昼(えんちう)の工事梯子にボトル揺れ | オーク | 「今年の夏、ガラス越しに毎日、強い日差しも中で働く人を見てきました。すごい!です。」(緑茶) |
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キャンプ場思わぬ山より月昇る | 春雪 | 「意図は知るところではありませんが、<月山>を連想させる魔力がすごいです。」(しおみ) 「思わぬ山より」がいいですね。キャンプ場の平坦な視界が、にわかに天空に転じて広大な空間を実感させてくれます。」(弓子) |
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喜雨の来て飼い犬土間で鼾かく | 244 | 「平和な風景ですね。 雨の静かな音と犬の寝息だけが聞こえて来る静かな昼下がりの光景が浮かびます」(夕花) |
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里帰り渋滞抜けて蝉時雨 | 桜桃 | 「渋滞にも関わらず、、がんばって里帰りするのですね、ワタクシには体験のないことですが、喧騒の渋滞を抜けると、せみ時雨とともに静かさをかんじますし、ああやっと と言う感じがしていいなーーと思いました」(ちあき) |
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父の尻少し痛かろ茄子の牛 | まさき | 「とても自由な発想でまず「父の尻」は現実のことかと思わせ「茄子」でお盆の牛と分かるあたりが面白いと思いました。」晶子 「我が家はキューリで馬、ナスで牛を作ります。茄子のヘタのところはチクチクするので、痛いでしょうと息子さんの優しいいたわりがいいですね」(ちあき) |
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はいはいの瞳の先や金魚鉢 | 汀 | 「可愛い赤ちゃんが、金魚を見に行く姿を目の前で見ているような俳句です。」(紫) |
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雲の峰一気に湾岸ハイウェイ | 夕花 | 「何とも言えない気持ち良さが伝わってきます。クーラーも点けず、涼しい風を窓からいっぱい入れながらのドライブ。うわ〜走りにいきた〜〜い。」(244) |
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峠道下りし先の夏の海 | もも | 「海なし県に住む私にとって、海は永遠のあこがれです昔、家族で訪れていた新潟の海、やはり峠を越えてしばらく進むと海が見えた。そこには想い出がありまた、夢がありました。素敵な句、ありがとうございました。」(まさき) |
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迎え火や記憶の奥の夫の声 | 汀 | 「何より、何よりモイチド聞きたい夫の声残した筈の録音テ−プも、外国映画に代わっていたりして・・・・ム、ム、ム!」(春雪) 「御夫婦の歴史が思い出される瞬間ですね。実家で、毎年迎え火を母としています・・・」(しま) |
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青に白貼り付けたよな入道雲 | 福助 | 「なんとも頼りなさ。もくもくがなくても、積乱雲。」(しおみ) | ||||||
ひとかきの腕より湧けり夜光虫 | 桜桃 | 「夜光虫の海に手を浸すとこんな感じなのでしょうね。静かな佳句です。」(夕花) |
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みずすまし水面に映る空を飛ぶ | オーク | 「小さな鉢の中の世界が、一変して大宇宙の風景に見えるという 自然現象の不思議さを感じる。」(門名無) |