平成19年4月 選句結果
得点 | 兼題 「蜂」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 蜂飼のアカシアを追ふ河満々 | 晶子 | あきこ | 夕花 | 門名無 | 霜月 | 244 | |
4 | 熊ん蜂少し重そな蓮華草 | 瓢六 | しおみ | 小自良 | 零風 | だいご | ||
4 | 飛び来る蜂に乱れる野点てかな | 零風 | もも | ちあき | 静歩 | ウクレレ | ||
3 | 蜂の巣も半ば崩れて阿弥陀堂 | 暖流 | 晶子 | 和泉 | まさき | |||
2 | 安息日働き蜂の羽音のみ | 和泉 | 暖流 | 桜貝 | ||||
1 | 帰省子にこの木あの蜂そのまんま | しおみ | ゆき | |||||
1 | 雀蜂ひと刺し秘めてやなぎ腰 | だいご | 瓢六 | |||||
1 | 蜂の巣を遠巻きにして子らの声 | まさき | CGE | |||||
1 | 一刺しで世の中変える蜂もあり | 門名無 | おさむ | |||||
1 | 北限の空へ飛びだす箱の蜂 | あきこ | 春雪 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
6 | その瞬間手話を黙らせ花吹雪 | 暖流 | しおみ | 和泉 | 桜貝 | 夕花 | 静歩 | |
ウクレレ | ||||||||
4 | 役者絵の幟を濡らす春の雨 | 桜貝 | あきこ | 春雪 | だいご | 霜月 | ||
3 | をさな子をくすぐりてゆく春の風 | あきこ | まさき | 桜貝 | 244 | |||
3 | 近江富士春衣まとうて揺るがざる | もも | しおみ | 暖流 | CGE | |||
3 | 声掛けて若鮎はなつ子の笑顔 | 零風 | あきこ | ウクレレ | 霜月 | |||
3 | さえずりや身の丈語る友の明るさ | ゆき | おさむ | ちあき | 小自良 | |||
3 | 春雷や夫の寝息のふと途絶え | 桜貝 | ちあき | 春雪 | 零風 | |||
2 | 裏愛宕曲がればそこに春のあり | 春雪 | 静歩 | CGE | ||||
2 | 飼猫に話し掛けてる花疲れ | ゆき | 和泉 | 零風 | ||||
2 | 托卵しおんなは春の靴蹴って | もも | 小自良 | 瓢六 | ||||
2 | 若芝やけふの余白を忘れゐる | 春雪 | 晶子 | だいご | ||||
1 | いまも良しむかしも恋し老いの春 | だいご | ゆき | |||||
1 | 胸襟を開けば花のとめどなく | 夕花 | 暖流 | |||||
1 | 桜染む新一年も嫗にも | 晶子 | ゆき | |||||
1 | 潮満ちる雑賀の崎もサクラダイ | しおみ | もも | |||||
1 | 庄屋屋敷春の温さの入りこめず | 244 | 門名無 | |||||
1 | 白詰草寝転べば胸上下する | 暖流 | 244 | |||||
1 | 春愁のエスプレッソで封じ込む | 霜月 | 夕花 | |||||
1 | 種芋やぶこつなる手に放られて | まさき | 晶子 | |||||
1 | 春の川水切り石で遊ぶ子ら | 静歩 | 門名無 | |||||
1 | 花ゆすら家出したがる心もち | 夕花 | まさき | |||||
1 | 窓越しに花いちもんめの見舞いあり | 和泉 | もも | |||||
1 | むかついて萌ゆる新芽のあらばこそ | しおみ | 瓢六 | |||||
1 | 山櫻弁当広げマイク持つ | 門名無 | おさむ | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
蜂飼のアカシアを追ふ河満々 | 晶子 | 「養蜂家の手で広い野の清涼ななかに美味しい蜂蜜が採れるようす目にうかびます。河満々がゆたかで良いと思いました。」(あきこ) 「行ったことはありませんが、中国の大河と河畔のアカシア並木を想像しました. 養蜂家も中国人のような気がします.雄大な景色がうかびます。」(夕花 ) 「スケールの大きさを感じるところ惹かれました。ただアカシアは夏の季語ではないかと思いますので、「アカシアを追ふ蜂飼や」と蜂飼に大きな切れを持ってこられたら如何かと思うのですが、的外れでしたら御免なさい。」(霜月) |
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熊ん蜂少し重そな蓮華草 | 瓢六 | 「句で重量感はこうして出すのだ。わかりました。」(しおみ) | ||||||
飛び来る蜂に乱れる野点てかな | 零風 | 「心静かに野点てしていても、蜂には負けますね、風景が目に浮かびます」(ちあき) | ||||||
蜂の巣も半ば崩れて阿弥陀堂 | 暖流 | 「省みられない阿弥陀堂が蜂にも去られ侘しさの中ほのかな暖かみっを感じました」(晶子) 「こんな景色どこかで見たような・・・このお御堂にお参りする人はもうありません。」(和泉) |
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雀蜂ひと刺し秘めてやなぎ腰 | だいご | 「柔良く剛を制すかな? 日本女子アマレス思っちゃった」(瓢六) |
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一刺しで世の中変える蜂もあり | 門名無 | 「そんな事もありましたな 熟女蜂でした一度刺されたいヾ(@^▽^@)ノわはは 」(おさむ) | ||||||
その瞬間手話を黙らせ花吹雪 | 暖流 | 「進行形が止まる、美は瞬間にカメラをきりかえた。」(しおみ) 「花は散りぎわ 」(和泉) |
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役者絵の幟を濡らす春の雨 | 桜貝 | 「歌舞伎の世界にはとても憬れます。この作者はよく歌舞伎を見に行かれるのでしょう。そんな気がします。羨ましさと雅さで戴きました。厚かましく申しますと、「春の雨」では説明的なお句になってしまうように思いますので、「幟の濡れて」とでもなさり、下五に他の季語を斡旋なさったら、私はぞっこん参ってしまうことでしょう。」(霜月) | ||||||
近江富士春衣まとうて揺るがざる | もも | 「百人一首は夏を迎えるのでしたが、こちらはその前。」(しおみ) 「春衣まとうて」という見事な表現に、たおやかに聳える近江富士こと三上山の花盛りの姿が目に浮かぶようです。三上山は藤原不比等が勅命を拝して造営したという御上神社を擁するいわゆる霊山で、まさに「揺るがざる」という措辞にふさわしい山です。一字一句たりとも緩みのない掲句に作者の力量をまざまざと見る思いがします。」(暖流) |
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声掛けて若鮎はなつ子の笑顔 | 零風 | 「「元気に大きく育ってね!」とでも声を掛けているのでしょうか?放流する子の優しい心と笑顔を読み取る事が出来る素敵なお句ですね。 下五に「笑顔」まで言ってしまわれたのが残念で、そこに周りの風景など詠みこまれたら、もっともっと素敵になるのではないでしょうか。」(霜月) |
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さえずりや身の丈語る友の明るさ | ゆき | 「よくお喋りする明るい良き友が居て楽しいひと時です」(おさむ) 「よくやるのですよ ワタクシも語りすぎることが でも 聞き手の優しさを感じます」(ちあき) 「清純な感じが読めますね。」(小自良) |
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春雷や夫の寝息のふと途絶え | 桜貝 | 「薄暗い部屋で雷を一人聞きながら 傍らに眠る夫の寝息の途絶えにはっと!したのでしょうか」(ちあき) | ||||||
飼猫に話し掛けてる花疲れ | ゆき | 「2分咲き、5分咲き、満開、散る散る散る散る あぁくたびれた。あら 三毛ちゃん そこにいたの・・・?」(和泉) | ||||||
托卵しおんなは春の靴蹴って | もも | 「この句の意味が知りたくて! 元気なの?それとも怖い話?」(小自良) 「こんなおっ母さん現代風で頼もしいけど最後に優しさも欲しいような」(瓢六) |
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若芝やけふの余白を忘れゐる | 春雪 | 「若芝ですのでこの余白は老人には感じられず、若者の春ののどかさを感じました。誰にも余白は欲しい物です。」(晶子) | ||||||
種芋やぶこつなる手に放られて | まさき | 「芋の植え付けでしょうね。ついあの方を思い浮かべます。でも、決して無骨ではありませんのに。優しさがあります。」(晶子) | ||||||
花ゆすら家出したがる心もち | 夕花 | 「ときどき、通勤の途中で、仕事を放り出して遊びに行きたくなる家出まではできませんが、何時かはしてみたい。なんとなく春、そして好奇心あふれる花の頃。気持ち わかるなぁ〜 」(まさき) | ||||||
むかついて萌ゆる新芽のあらばこそ | しおみ | 「哀しさを むかついてと表現されたんかな〜?」(瓢六) | ||||||
山櫻弁当広げマイク持つ | 門名無 | 「この世の至極 マイクは死んでも離さないぞ」(おさむ) |