平成19年5月 選句結果
得点 | 兼題 「風薫る」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | 薫風や駅長の押す車椅子 | 暖流 | 瓢六 | 晶子 | 夕花 | 静歩 | 霜月 | |
小自良 | 244 | |||||||
3 | 薫風や等身大に生きゆかむ | 霜月 | ゆき | あきこ | 緑茶 | |||
2 | 羽化したるこころ薄紅風薫る | 夕花 | もも | まさき | ||||
2 | 薫風に雀の遊ぶ弥陀の膝 | 瓢六 | 零風 | だいご | ||||
2 | 薫風や薄目ひらきし地蔵尊 | あきこ | 櫻貝 | 桜桃 | ||||
2 | 薫風や堂の瓔珞揺れ止まじ | 櫻貝 | 暖流 | 春雪 | ||||
1 | 一円のクリック寄付や風薫る | 晶子 | おさむ | |||||
1 | 飼い犬の我がまま炸裂風薫る | 紫 | しおみ | |||||
1 | 風薫る日に産声をあげた君 | 緑茶 | ウクレレ | |||||
1 | 今日も自由薫風の中へ車出す | 244 | 紫 | |||||
1 | 薫風や癒しの色を運び込む | 静歩 | ちあき | |||||
1 | 薫風や三井の晩鐘湖に乗り | だいご | 和泉 | |||||
1 | 薫風の一人に余る詣で道 | ゆき | CGE | |||||
1 | 坂の上幟はためき風薫る | ちあき | 門名無 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | こどもの日履けなくなった靴いくつ | 静歩 | 緑茶 | 夕花 | 244 | 紫 | ウクレレ | |
4 | 五月鯉太平洋の見ゆるまで | あきこ | 暖流 | まさき | 静歩 | 小自良 | ||
4 | 蒲公英が旅立つけはい風よ吹け | もも | しおみ | 瓢六 | 晶子 | 櫻貝 | ||
4 | 万緑や稲荷の旗の騒ぎかな | まさき | ちあき | 緑茶 | 和泉 | 244 | ||
4 | 銘仙を今ように着て藤のなか | もも | 晶子 | 門名無 | だいご | 霜月 | ||
3 | 剪定の鋏迷ひつ聖五月 | 晶子 | 櫻貝 | だいご | 紫 | |||
3 | 日常に戻りしふたり白牡丹 | 春雪 | ゆき | 暖流 | 和泉 | |||
2 | 母の日や思い届けよ黄泉の国 | だいご | おさむ | 零風 | 春雪 | |||
2 | 風香る浮子にトンボの昼下がり | 瓢六 | 門名無 | 小自良 | ||||
2 | 児と猫の戯るひなた春惜しむ | ゆき | もも | 春雪 | ||||
2 | 春耕の掘り起こしたる山幾重 | まさき | おさむ | 静歩 | ||||
2 | 夏めくや水面に鯉の影紅 | 櫻貝 | 瓢六 | 零風 | ||||
2 | 実豌豆ざるに青さのあふれけり | 紫 | あきこ | CGE | ||||
1 | おさな児に童話きかせて目かり時 | ゆき | もも | |||||
1 | 柿若葉光が呉れる色と艶 | しおみ | ちあき | |||||
1 | 鯉のぼり尾びれ一振り風薫る | 瓢六 | 桜桃 | |||||
1 | 五月晴れ構図あれこれ写し撮り | ちあき | あきこ | |||||
1 | 紺碧の潮しならせて初鰹 | 夕花 | 霜月 | |||||
1 | 雀の子遊び始めは藪の中 | 春雪 | 夕花 | |||||
1 | テノールの社内放送聖五月 | 暖流 | まさき | |||||
1 | どの子にも夢ひとつづつチューリップ | あきこ | ゆき | |||||
1 | ひざの孫シャボンの匂い武者人形 | 静歩 | しおみ | |||||
1 | 窓開ける山が笑った浅みどり | しおみ | ウクレレ | |||||
1 | 雌鶏の歩く速さよ春めきぬ | 244 | 桜桃 | |||||
1 | 夕闇に灯りしごとき花うつぎ | 櫻貝 | CGE | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
薫風や駅長の押す車椅子 | 暖流 | 「改札もする駅長さん ・名も無く美しく」(瓢六) 「いかにも清々しい情景だと思います。きっと車椅子の方もお出かけになりたい気候なのですね。駅長さんも暖かいですね。」(晶子) 「先日浜松町の駅で階段を車椅子用のエスカレーターで下ろしている数人の駅員さんを見ました.私はただ見ていただけで、その光景を句になどと思いもしませんでした.日常の一こまを切り取るこういう句を拝見するたびに自分の節穴のような視線を反省します。「駅長の押す」に焦点がピタリと合う素晴らしい一句です。」(夕花) 「駅長さん自らが車椅子を押してくれるということは多分ローカル駅の光景なのでしょう。駅長さんの帽子から、制服まで、また、あまり人も多くない穏やかな駅の様子まで目に浮かびます。季語の薫風とも響き合って、尚いっそう爽やかさと温かさが広がるような気がします。」(霜月) |
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薫風や等身大に生きゆかむ | 霜月 | 「その通りと思いますわ、身の丈に合った生き方は楽に過ごせますね」(ゆき) 「等身大に生きゆかむ、との思いに共感です。」(あきこ) 「自分の身の丈をしみじみわかる年齢になったようです。自然体で暮らしたいと、それは、まだ出来ないと思い込んでいるだけなのかもしれません。」(緑茶) |
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一円のクリック寄付や風薫る | 晶子 | 「私も毎朝しています充実した日にする為」(おさむ) | ||||||
飼い犬の我がまま炸裂風薫る | 紫 | 「家の前はワンちゃんの道です。複数の飼い犬をもて余しています。」(しおみ) |
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薫風や癒しの色を運び込む | 静歩 | 「香りでなくて、”色”にひかれました」(ちあき) |
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薫風や三井の晩鐘湖に乗り | だいご | 「滋賀は静岡と並んで好きな県。湖 琵琶湖は特に好き。近江八景三井の晩鐘。薫風が余韻を湖まで運んでいる。」(和泉) | ||||||
こどもの日履けなくなった靴いくつ | 静歩 | 「どんどん大きくなる子供の成長に置き去りにされた靴達。嬉しいような一緒に置き去りにされたような寂しい気持ち、子離れしなくては!!」(緑茶) 「季語に因んだ中七からがいいですね。子供の成長の目を見張る早さを捉える措辞が優れていると思います.」(夕花) |
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五月鯉太平洋の見ゆるまで | あきこ | 「勇壮な鯉幟にふさわしい壮大なスケール。通常、鯉幟という季語には大空を組み合わせるのですが、この句は意表をついて太平洋を添わせました。その発想の独自性が見事です。」(暖流) | ||||||
蒲公英が旅立つけはい風よ吹け | もも | 「北国では初冬は蜘蛛の旅たちが見られるそうですが、動きの句は大好きです。」(しおみ) 「幼き頃、手折りて吹き 今は自然に身を任せ」(瓢六) 「綿毛の飛んでゆくのは良く見ますが風がほしいですね」(晶子) |
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万緑や稲荷の旗の騒ぎかな | まさき | 「春祭りでしょうか なんだか楽しそう〜 ワタクシも氏神さんで 先日餅拾いをしました 思わず夢中になって わーわー言いながら 拾って後で腰が痛くなったですが、幟旗がぱたぱたと 風に鳴っていました」(ちあき) 「近所に赤い鳥居と旗の賑やかなところがあり、それが、騒ぎと表現されてああ、ぴったりだな〜と思いました。」(緑茶) 「旗の限りなく多い「赤」が目に飛び込んできます。」(和泉) |
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銘仙を今ように着て藤のなか | もも | 「良くご覧になっておいでです。ちょっと抵抗があるのは年のせいですね。若者の美の感覚は違って居ます。それもいいこと。」(晶子) 「銘仙と聞くとレトロな感覚を呼び覚まされます。真夏以外は着物だった母の姿とともに、母が大人同士の会話で銘仙、銘仙と言っていたのを思い出します。その銘仙を今風に着こなせる方は、きっと美しい方に違いありません。そんな美しい方が、美しい藤の下にいる風景を想像して、溜息がでました。」(霜月) |
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日常に戻りしふたり白牡丹 | 春雪 | 「連休で里帰りの、賑やかだった家族が一斉に引き上げたあとのがらんとした家の中で、ほっとして居るご夫婦の様子が伺われますね、映画のワン、シーンのようです」(ゆき) 「二人に何があったのでしょうか。楽しい旅行でも我が家に帰って日常が始まり 「ほっ」ですね。」(和泉) |
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母の日や思い届けよ黄泉の国 | だいご | 「孝行のしたい時に親は無しです ご同輩」(おさむ) | ||||||
春耕の掘り起こしたる山幾重 | まさき | 「鍬の重さが応える歳になった」(おさむ) | ||||||
夏めくや水面に鯉の影紅く | 櫻貝 | 「少し濁って真鯉に緋鯉 浴衣の紅がちらついて」(瓢六) | ||||||
柿若葉光が呉れる色と艶 | しおみ | 「柿の新芽から少し時が経つと葉っぱがつややかに光りますよね 本当に美しい!光があってこそでしょうね」(ちあき) | ||||||
紺碧の潮しならせて初鰹 | 夕花 | 「紺碧の潮しならせて」・・なんと素敵な表現でしょう。紺碧の海の美しさや大きさが迫ってきます。そして躍動感も。また初鰹が何と初々しく、新鮮に響く事でしょう。抜きん出た秀句と思いました。」(霜月) | ||||||
雀の子遊び始めは藪の中 | 春雪 | 「春になり、鳥の声も賑やかになってきた頃、巣立ちには少しこころもとない、でも遊びたいヒナの様子を優しい視線で句にされていて、ほのぼのします。」(夕花) | ||||||
テノールの社内放送聖五月 | 暖流 | 「普段は若い女性の声がスピーカーから流れてくるのに男性の声が聞こえてきたのでしょうか? 新人のデビューでしょうか? 新しい風を感じました。」(まさき) | ||||||
どの子にも夢ひとつづつチューリップ | あきこ | 「可愛いお子さんの耀く瞳が目に見えるようですね」(ゆき) | ||||||
ひざの孫シャボンの匂い武者人形 | 静歩 | 「子供、孫合わせて二桁、乗る子、逃げる子いろいろいました。入浴中、上がってからどちらでも。」(しおみ) |