平成19年9月 選句結果
得点 | 兼題 「鰯雲」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 鰯雲ヨットのごとくセスナ行く | 暖流 | おさむ | ちあき | 桜桃 | だいご | 緑茶 | |
4 | 明日からはまた出直せばよし鰯雲 | まさき | ウクレレ | 小自良 | 夕花 | 和泉 | ||
4 | 病む妹と言葉少なし鰯雲 | 桜貝 | しおみ | 春雪 | まさき | いくこ | ||
2 | 鰯雲御嶽の道は九十九折 | 静歩 | もも | 暖流 | ||||
2 | わが背なの羽根は朽ちたりいわし雲 | 夕花 | あきこ | 静歩 | ||||
1 | 阿久悠を偲び眺むる鰯雲 | 春雪 | CGE | |||||
1 | 鰯雲飛行機飲んで知らん顔 | 瓢六 | 櫻貝 | |||||
1 | 形見にともらいし指輪鰯雲 | いくこ | むらさき | |||||
1 | 草花の手入れとどきて鰯雲 | もも | 零風 | |||||
1 | 忘れ潮海の香のする鰯雲 | むらさき | 晶子 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | 一本の杭にこだはる赤とんぼ | だいご | ウクレレ | おさむ | 小自良 | 櫻貝 | いくこ | |
和泉 | むらさき | |||||||
7 | 大根蒔く真一文字の父の畝 | まさき | おさむ | 晶子 | もも | いくこ | 桜桃 | |
夕花 | むらさき | |||||||
4 | わた飴をかばって雑踏秋まつり | いくこ | しおみ | あきこ | 春雪 | 緑茶 | ||
3 | 稲妻や悩める妹の長電話 | 春雪 | 桜桃 | 静歩 | だいご | |||
3 | 木いっぱいつくつくほうし鳴きつくす | 緑茶 | しおみ | 小自良 | 櫻貝 | |||
3 | 啄木の目となりあおぐ秋の空 | あきこ | ウクレレ | 晶子 | まさき | |||
2 | 暗がりを流るる調べ風の盆 | まさき | 零風 | CGE | ||||
2 | 子らの声芋名月の客となり | 桜貝 | もも | まさき | ||||
2 | 夏を病みみちのくの旅ためらいぬ | もも | 静歩 | CGE | ||||
2 | 初栗や運動会のお裾分け | 瓢六 | 春雪 | だいご | ||||
2 | 人恋しアップに結ひて曼珠沙華 | だいご | 暖流 | 和泉 | ||||
1 | 秋の宵自問自答や生きし道 | 桜貝 | 桜貝 | |||||
1 | いち早く秋の声きき啄木像 | あきこ | 暖流 | |||||
1 | すず虫や夜明けの夢を奏でをり | だいご | 緑茶 | |||||
1 | 妻恋し会いに来いよと曼珠沙華 | 桜桃 | あきこ | |||||
1 | ネクタイに繋がれてゐる秋暑かな | 暖流 | 夕花 | |||||
1 | 蓮の葉の上で輝くひとしずく | 緑茶 | 零風 | |||||
1 | 虫の音を涼しと聞きぬ風一陣 | 晶子 | ちあき | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
明日からはまた出直せばよし鰯雲 | まさき | 「すがすがしい決意が秋の空に映えていますね。」(小自良) 「色々な場面のいわし雲の句がありましたが、秋の代表季語の一つであるいわし雲から連想すると、やはり、この句のような明るさが一番だ と思います.」(夕花) 「そうですよ。一日の労苦は一日でたれり。(聖書) 明日は あたらしい一日ですから。」(和泉) |
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鰯雲ヨットのごとくセスナ行く | 暖流 | 「海中から見れば ヨットも この様に見えるのかな みすずの世界です」(おさむ) 「スカッとしてますね セスナ機がスマートな感じがします」(ちあき) 「風景が一瞬で広がり、空の旅をしました」(緑茶) |
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病む妹と言葉少なし鰯雲 | 桜貝 | 「この歳になると、疎遠になって当然です。でも、事あるときは血のつながりが蘇る。」(しおみ) 「お姉様の心配してる心が伝わりますね」(いくこ) |
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一本の杭にこだはる赤とんぼ | だいご | 「よく トンボを観察した 句ですな」(おさむ) 「赤とんぼの習性、秋ですね!」(小自良) 「状況が良く見えて、トンボを見てる方が拘ってるようで・・・」(いくこ) 「そんな風景 ありますよね。赤とんぼも頑固一徹!」(和泉) |
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大根蒔く真一文字の父の畝 | まさき | 「簡単な様で 真直ぐに畝を作るのは 難しい 経験がものを言う」(おさむ) 「畝の曲がっているのも一興ですが、馴れた農家の父上はしっかりまっすぐな種まきです。其の方の人生を感じます。」(晶子) 「お父様を思う情が真っ直ぐな畝を見た句に現れてる様に思いました。」(いくこ) 「きっと農に対して真面目一直なお父様でしょうね 真一文字・・・書体で言えばゴシック体か明朝体?私が作ったらキッと勘亭流・行書かな農一筋の姿を凛として息子に伝えようとしている風格が見えました」(桜桃) 「中七から想像がふくらみます。」(夕花) |
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わた飴をかばって雑踏秋まつり | いくこ | 「わた飴を買ってくれるのは、物好きギャルと、じじ・ばばでした。」(しおみ) 「異色句なり。(親なればこそ) 」(春雪) 「わた飴は、まつりの大切な楽しみです。時間とともに小さくなるのが、悲しかったですね。」(緑茶) |
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木いっぱいつくつくほうし鳴きつくす | 緑茶 | 「時季のいろどりの移りがセミの声では判断できなくなりました。淋しいですね。」(しおみ) 「ジイ〜と鳴きつくし、ぷつんと切れる法師蝉風景も状況も詠み上げられていますね。」(小自良) |
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啄木の目となりあおぐ秋の空 | あきこ | 「啄木のの目と言う表現を考えて私には出来ない発想だと面白く感じました。啄木にしてみれば空は冬の食料を探す狩場ですね。青い空を言う訳でなく面白みを覚えました。」(晶子) | ||||||
子らの声芋名月の客となり | 桜貝 | 「十五夜には、この秋にとれた里芋などをあげますがススキとともに眺める十五夜の月、趣があっていいですね。子供達と一緒に月を観る。暖かい家庭が思い浮かびます。」(まさき) |
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初栗や運動会のお裾分け | 瓢六 | 「運動会での初栗のお裾分けが微笑ましい。」(春雪) | ||||||
人恋しアップに結ひて曼珠沙華 | だいご | 「彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」だそうですが そんなもの一蹴してしまいそうです。と私はとりましたが果たして・・・」(和泉) | ||||||
秋の宵自問自答や生きし道 | 桜貝 | 「秋は何をしていても、ふと 人生を振り返ったり、あるいは、コーヒータイムに思い巡らすひと時は秋こそ似合っていますね。」(ちあき) | ||||||
いち早く秋の声きき啄木像 | あきこ | 「しなやかな感性を感じさせる美しい俳句です。啄木像といえば、盛岡、札幌、函館などの像を思い出しますが、それら北国の逸早い秋の訪れの感傷を、石川啄木の像に寄せて、叙情豊かに詠みあげています。」(暖流) | ||||||
すず虫や夜明けの夢を奏でをり | だいご | 「音楽つきの心地よい目覚めが訪れますね。」(緑茶) | ||||||
ネクタイに繋がれてゐる秋暑かな | 暖流 | 「今年の夏の猛暑、ネクタイ族はまさに「繋がれている」という心境でしょう。」(夕花) | ||||||
虫の音を涼しと聞きぬ風一陣 | 晶子 | 「さーっと風にふかれ 心地よい気分には虫の音はより効果的に 涼しさを感じるでしょうね。澄んだ虫の音が聞こえてきそうです。」(ちあき) |