平成19年12月 選句結果
得点 | 兼題 「聖夜」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
8 | 父の名を忘れし母の聖夜かな | るい | 小自良 | 晶子 | まさき | 静歩 | 弓子 | |
いくこ | 暖流 | 夕花 | ||||||
3 | プレゼント入れて撮れよとクリスマス | だいご | ちあき | 零風 | 春雪 | |||
2 | クリスマス街行く少女の耳飾り | 静歩 | ウクレレ | もも | ||||
2 | 子の笑顔聖樹を駆けし赤木馬 | 櫻貝 | しおみ | 緑茶 | ||||
1 | 聖歌うたひ姉星となる夜のさびし | 晶子 | るい | |||||
1 | 大都会聖樹の森に迷い込む | 夕花 | 櫻貝 | |||||
1 | 天神に参拝まえの聖夜かな | まさき | 唯人 | |||||
1 | 点す灯の一つひとつに聖夜かな | あきこ | 瓢六 | |||||
1 | 坊さんも祇園で遊ぶ聖夜かな | 春雪 | 桜桃 | |||||
1 | 御仏も少しかぶれて聖歌聞く | 桜桃 | だいご | |||||
1 | 樅の木も上から下への大騒ぎ | 緑茶 | おさむ | |||||
1 | 隣人とケーキを分かつ聖夜かな | 零風 | あきこ | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 眼鏡してなほ字は遠し花八手 | 晶子 | まさき | るい | 弓子 | いくこ | 暖流 | |
5 | 病んだとて妻が居ればの冬灯 | だいご | 瓢六 | あきこ | いくこ | 夕花 | 春雪 | |
4 | 透けて見え雲の流れや枯れ木立 | いくこ | ウクレレ | 唯人 | 零風 | だいご | ||
3 | あるがまま生きて明日も葱刻む | あきこ | 晶子 | もも | 緑茶 | |||
3 | 山茶花の白白いまま黄昏るる | 和泉 | 小自良 | るい | 弓子 | |||
2 | 書き終へし五十余枚の年賀状 | 零風 | おさむ | 唯人 | ||||
2 | 紅葉を辿りて道の尽きるまで | 緑茶 | もも | 桜桃 | ||||
2 | 障子貼るしだいに妻の声荒く | 春雪 | しおみ | 静歩 | ||||
2 | 手をとりて童にもどり冬の星 | 櫻貝 | ウクレレ | あきこ | ||||
2 | 灯台を更に大きく冬あかね | 春雪 | 晶子 | 暖流 | ||||
2 | 母はまた居眠りしてる日向ぼこ | まさき | しおみ | 桜桃 | ||||
2 | 帆引き船霞ヶ浦は冬に入る | 静歩 | ちあき | まさき | ||||
2 | 山眠る隧道といふ抱き枕 | 暖流 | 緑茶 | だいご | ||||
1 | 老いの背に反り返る児の眠りかな | 瓢六 | 櫻貝 | |||||
1 | 落ち葉掃く後ろで風の音がして | まさき | おさむ | |||||
1 | 限りある今日を愛しみ年忘 | あきこ | 零風 | |||||
1 | かなわない夢は無いとか星月夜 | 静歩 | 夕花 | |||||
1 | 小鷺きて蓮沼の折れ美しく | 晶子 | 小自良 | |||||
1 | 小春日や卒寿の母のよく眠る | るい | 静歩 | |||||
1 | 拍子木の遠のいて行く年の暮 | 零風 | 春雪 | |||||
1 | 身震ひの首を抜けゆく寒茜 | 夕花 | 櫻貝 | |||||
1 | ゆく先を見極めてゐし冬の夜 | 櫻貝 | ちあき | |||||
1 | 老齢の心に余裕無き師走 | いくこ | 瓢六 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
父の名を忘れし母の聖夜かな | るい | 無垢な聖女になられたお母さん。身につまされます。」(小自良) 「淋しい話のようですが聖夜ならでは素直に母の有様を詠めるのではないでしょうか。」(晶子) 「感想;母に聖母の面差しあり。羨望の境地」(弓子) 「認知症の母上なのでしょう。他界されたご主人の名前すら憶えておられない母親の聖夜。作者の思いを察するにあまりあります。切なく、清らかなクリスマスの句です。」(暖流) 「私の母も熱心なクリスチャンですが、もう何もかも分からなくなりました。あんなに慕っていた神様はそんな母の心に今も宿っているのかな、とこの句を拝見してふと思いました。」(夕花 ) |
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プレゼント入れて撮れよとクリスマス | だいご | 「子育て時代をおもいだしました、 買ってやったおもちゃを並べて写真を撮ったなーー証拠写真ってクリスマスは地域の愛護班で行事をしてましたね」(ちあき) | ||||||
クリスマス街行く少女の耳飾り | 静歩 | 「外国からイベントがイロイロ入ってきますが、やはり何と言っても クリスマスですね。かつてのような馬鹿騒ぎはなく、ちいさな喜びが表現されていると思います。」(ウクレレ) | ||||||
子の笑顔聖樹を駆けし赤木馬 | 櫻貝 | 「楽しそうなクリスマスの様子が赤い木馬でぴったりはまりました。」(緑茶) |
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聖歌うたひ姉星となる夜のさびし | 晶子 | 「客観的に聖夜を詠んだ句ではなく、実感のこもったこの句の前をどうしても通り過ぎることができませんでした。お姉さまを思う作者の悲しみがずんと伝わってきます。」(るい) |
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点す灯の一つひとつに聖夜かな | あきこ | 「信者か?単なるイルミネーション好き?(^○^) いや 綺麗な気持ちですナ」(瓢六) | ||||||
坊さんも祇園で遊ぶ聖夜かな | 春雪 | 「坊さんだって生身の人間!この坊さんはキッと毛のある坊さんかな?」(桜桃) |
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樅の木も上から下への大騒ぎ | 緑茶 | 「最近は樅の木だけでなく 家全体を電飾にして近所の迷惑考えず」(おさむ) | ||||||
眼鏡してなほ字は遠し花八手 | 晶子 | 「花八手がきいていますね。老いのおかしみも静かに伝わります」(弓子) 「老眼が進んで眼鏡が合わなくなってしまった作者の悲哀とその事実を恬淡と述べる作者の明るい諦観の両方を感じます。花八手という季語が生きています。」(暖流) |
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病んだとて妻が居ればの冬灯 | だいご | 「冬灯(ふゆあかり)で良いのかな?そう言えば’寒灯ちゅうのも有ったね’暖冬 の言葉の方がヒヤリとするわ」(瓢六) 「読めば切ない句ですが、なんとも温かい句です。」(夕花) |
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あるがまま生きて明日も葱刻む | あきこ | 「自然に生き仕事も同じにこなして、日常が穏やかに過ぎてゆく抗うことも無き毎日が有り難いのです。」(晶子) 「こんな風に毎日を過ごせたら、幸せですね。欲深く、色んなことを考えるから気持ちが乱れてろくなことはないです。」(緑茶) |
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山茶花の白白いまま黄昏るる | 春雪 | 「山茶花の花はどことなく貧乏くさい。でも好きです。」(小自良) | ||||||
書き終へし五十余枚の年賀状 | 零風 | 「今年も書くことが出来た幸せ噛み締めて」(おさむ) | ||||||
手をとりて童にもどり冬の星 | 櫻貝 | 「どなたの手なのでしょう、温もりと夢があってとてもいい、羨ましい。」(あきこ) | ||||||
灯台を更に大きく冬あかね | 春雪 | 「あかね空にいつもの灯台が大きく見える自然は不思議なもの。美しいでしょうね。」(晶子) 「壮麗な冬の夕焼けの中に、岬の灯台が映えている。燃えるような赤の中の純白。灯台がひとしお大きく感じられたのでしょう。俳句は省略の文学。一切無駄のない表現が見事です。」(暖流) |
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帆引き船霞ヶ浦は冬に入る | 静歩 | 「帆引き船も 霞ヶ浦も見たことないですが、遠浅の静かな海を想像しました大変な問題事件が多い世相など カンケイない!ゆったりした時間に身を置いてなんだか吸い寄せられるようにこれを選びましたよ」(ちあき) | ||||||
山眠る隧道といふ抱き枕 | 暖流 | 「夜の山は、少し恐いですが、抱き枕で眠っているのかと思うとなにかゆったりとした柔らかな気持ちになりました。」(緑茶) | ||||||
落ち葉掃く後ろで風の音がして | まさき | 「掃いた後からすぐに落ちてくる「焚くほどは風が持て来る落ち葉かな」 ですな」(おさむ) | ||||||
かなわない夢は無いとか星月夜 | 静歩 | 「凍てつく夜空を見ていたら、そんな気になりますね。夢も希望も輝いて手が届くと思っていた日々が遠くなります。」(夕花) | ||||||
小鷺きて蓮沼の折れ美しく | 晶子 | 「シャッターチャンス!」 (小自良) | ||||||
ゆく先を見極めてゐし冬の夜 | 櫻貝 | 「すごい 覚悟、悟りを感じました」(ちあき) | ||||||
老齢の心に余裕無き師走 | いくこ | 「そうかもしれない・心の持ちようと簡単に言うが ’余裕は明日への希望から出るのん違う? 希望もしすぎるな絶望もしすぎるな よう言うわ!」(瓢六) |