平成20年1月 選句結果
得点 | 兼題 「初春」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
3 | 拍手や献酒の香する四方の春 | 静歩 | いくこ | 唯人 | 緑茶 | |||
3 | 新春や湾に浮上す潜水艦 | むらさき | しおみ | ちあき | 弓子 | |||
3 | 初春や吾を飾らぬ日々好日 | 夕花 | 雪音 | 桜桃 | 櫻貝 | |||
3 | 初春の祇園小路を小走りに | 春雪 | るい | だいご | 小自良 | |||
3 | 松の葉を透かしてとどく初春の陽 | 和泉 | 静歩 | アコ | あきこ | |||
2 | 生と死を乗り越えて来し千代の春 | 零風 | 晶子 | 暖流 | ||||
2 | 空の無いこんな街にも今朝の春 | 暖流 | 瓢六 | 夕花 | ||||
2 | 初春やどの人も善き顔をして | るい | ウクレレ | まさき | ||||
1 | 茶柱に今年占ふ今朝の春 | 桜桃 | むらさき | |||||
1 | TV無く何と静かに初春来る | 瓢六 | 和泉 | |||||
1 | 初春の酒の器を揃へけり | あきこ | CGE | |||||
1 | 初春や土手の草木の息づかひ | まさき | 春雪 | |||||
1 | 初春や抹茶で祝う老二人 | いくこ | 零風 | |||||
1 | 初詣故障なき身をただ感謝 | 緑茶 | おさむ | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
12 | 人波に妻さらわれて初詣 | だいご | ウクレレ | るい | しおみ | ちあき | 桜桃 | |
まさき | 瓢六 | 春雪 | 静歩 | 暖流 | ||||
夕花 | 小自良 | |||||||
4 | 黒潮を越えて島より年賀状 | 暖流 | るい | 春雪 | 夕花 | あきこ | ||
3 | 差し向かい二合と決めて小正月 | だいご | 和泉 | 小自良 | むらさき | |||
3 | 若水で点てる珈琲銀スプーン | 和泉 | いくこ | だいご | あきこ | |||
3 | いくたびか目と目で値踏み達磨市 | まさき | いくこ | 唯人 | ||||
2 | 以下同文てふ日々なれど冬薔薇 | 夕花 | ちあき | 暖流 | ||||
2 | 痛む背に背負いし子らの初便り | 瓢六 | ウクレレ | CGE | ||||
2 | 妻の字の女大きく初日記 | るい | 弓子 | まさき | ||||
2 | 初雪のポストに文の重き音 | 桜桃 | CGE | 零風 | ||||
2 | 一ツ家に老い二人して去年今年 | 静歩 | 雪音 | むらさき | ||||
2 | 連名の消えし賀状に想い馳せ | 瓢六 | 零風 | 唯人 | ||||
2 | 美味かろう小鳥啄む春の草 | 桜桃 | 緑茶 | まさき | ||||
1 | 涸れ井戸に歳かざり終え定まりぬ | 和泉 | アコ | |||||
1 | 転がりて行方を定むどんぐりや | 緑茶 | 瓢六 | |||||
1 | 除夜の鐘知らぬ人居り百八ツ | 静歩 | おさむ | |||||
1 | 少年の笑顔こぼれる初便り | まさき | 桜桃 | |||||
1 | 瀬戸の海波音もなく冬日落つ | むらさき | アコ | |||||
1 | つるし柿白き粉ふきて茶うまし | ちあき | おさむ | |||||
1 | 鈍行の駅に降りたき初茜 | 桜貝 | 弓子 | |||||
1 | 初詣下れば登る者の湧く | 晶子 | 櫻貝 | |||||
1 | 初釜やそつと手さばき真似てゐる | 春雪 | だいご | |||||
1 | 初湯して胎児のごとく濡れにけり | 暖流 | 晶子 | |||||
1 | バスを待つ裾登り来る寒気かな | いくこ | 緑茶 | |||||
1 | 冬銀河今も優しき父のこゑ | あきこ | 和泉 | |||||
1 | 古里へ帰る帰らぬ初御籤 | るい | 雪音 | |||||
1 | 冬の浜水際に娘が「好き」と書く | むらさき | 晶子 | |||||
1 | 繭玉の人の動きに揺れて舞う | いくこ | 櫻貝 | |||||
1 | 耳奥の深きに届く寒夜かな | 夕花 | 静歩 | |||||
1 | 若菜摘む二人の夢はちぐはぐに | 春雪 | しおみ | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
拍手や献酒の香する四方の春 | 静歩 | 「元旦に三社参りをしましたが、思い出して心が晴々としました。」(緑茶) |
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新春や湾に浮上す潜水艦 | むらさき | 「平和なるべき、新春に軍艦は不気味。取り合わせの妙か。」(しおみ) 「とっても思いがけずびっくり! 楽しいです潜水艦でなく鯨でも浮上したら平和かな」(ちあき) 「巨大な鉄の影は禍々しきものか、強固な希望か」(弓子) |
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初春や吾を飾らぬ日々好日 | 夕花 | 「こんなふうでありたいのですが、これがなかなか難しいんですね。」(雪音) | ||||||
初春の祇園小路を小走りに | 春雪 | 「先日のウオーキング無様なことでした。あのときに抜けたお茶屋街(高級料亭?)は祇園?あのときは皆さんに遅れたかと正に小走りでした」(小自良) |
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生と死を乗り越えて来し千代の春 | 零風 | 「本当にある程度の苦労は皆様なさっておいでのはずです。これほどのきつい人生ばかりではなくても、共感を呼ぶ「春」ですね。目出度いことです。」(晶子) 「作者は死を垣間見るような大病をなされたのでしょう。病いを克服されてのお正月は何にも勝る喜びとお察しいたします。」(暖流) |
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空の無いこんな街にも今朝の春 | 暖流 | 「空の無いも’心象なんだろけど’こんな街 が寂しいな〜・ 」(瓢六) 「ある俳句サイトで「例えば正月の季語は目出度さが本情ですが、だからといって目出度い言葉ばかりで仕上げたら、単純な陰影のない句になってしまいます。香水を作るときいやな臭いもまぜるそうですが、はやり相反するものを混ぜたほうが句にも深みが出るのではないか」とありました。なるほど、そうなのかも。と考えて選句しました。」(夕花) |
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TV無く何と静かに初春来る | 瓢六 | 「わかります!でも和泉は箱根駅伝の応援でワンセグ携帯とミニTVもって行きました。」(和泉) |
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初春や土手の草木の息づかひ | まさき | 「お正月の雰囲気を上手く具体的に表現されている。」(春雪) | ||||||
初詣故障なき身をただ感謝 | 緑茶 | 「健康第一 今年も精進 恙無き事を願いつつ」(おさむ)) |
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人波に妻さらわれて初詣 | だいご | 「人妻が攫われて〜〜と読んでしまいました。すみません、言葉のリズムに乗ったのでした。」(しおみ) 「さらわれてな〜んて面白い表現ですね、ご夫婦で初詣はいいですね」(ちあき) 「心配は心配やし・難儀やな〜’落ち葉マーク付けとかれへんしなぁ」(瓢六) 「さらわれて」の表現が面白い。」(春雪) 「 離岸流のような人波にさらわれて遠ざかっていく奥様の姿が目に浮かびます。新年早々、夫婦の絆を再確認するような出来事でしたね。」(暖流) 「新春ウオーキングの再現、財布と弁当を持ってゆかれて!」(小自良) |
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黒潮を越えて島より年賀状 | 暖流 | 「暖流を越えて来る年賀状、なんとなく嬉しい気分が感じられる。」(春雪) | ||||||
差し向かい二合と決めて小正月 | だいご | 「初老のご夫妻でしょうか。正月はもっと召し上がったでしょうが、小正月なので控えめに。}(和泉) 「ご同慶の至り、これで今年を無難に。」(小自良) 「私の家では、夫が正月(誕生日)に5合と決めて小正月には2合になってほしいと思っていましたの・・・」(むらさき)) |
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以下同文てふ日々なれど冬薔薇 | 夕花 | 「以下同文の日々も、冬薔薇でとっても充実感にあふれた様子がまことにスマートですね」(ちあき) 「平々凡々とした人生が本当は一番幸せなのではないでしょうか。凛として咲く冬薔薇が幸せを強調しているかのようです。」(暖流) |
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妻の字の女大きく初日記 | るい | 「悠揚たる諧謔味」(弓子) 「分かるような気がします。我が家でも女の字が大きく3つも書かれています。男という字が見当たりません。夫婦の字、何時の日か夫を大きく書いてみたい。これ、本音です。」(まさき) |
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一ツ家に老い二人して去年今年 | 静歩 | 「どこかユーモラスです、今年も息災でありますように。」(雪音) |
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美味かろう小鳥啄む春の草 | 桜桃 | 「柔らかい草は、春キャベツを楽しむ私達に似てますね。千切りに、炒め物に、スープに美味しさが広がります。」(緑茶) | ||||||
転がりて行方を定むどんぐりや | 緑茶 | 「前五七で人生を窺わせ どんぐりヤ!て最後言えたんやから・破天荒やね(^○^)」(瓢六) | ||||||
除夜の鐘知らぬ人居り百八ツ | 静歩 | 「百八ツの意味は 勿論「煩悩」の漢字の意味も知らぬ大人が増えました」(おさむ) | ||||||
つるし柿白き粉ふきて茶うまし | ちあき | 「自家製は特に美味い。手間ひま掛けた甲斐があります」(おさむ) | ||||||
初湯して胎児のごとく濡れにけり | 暖流 | 「初湯を胎児に結びつけたアイデアが面白いですね。私も身籠った客人があり、目を牽きつけられました。羊水に泳ぐ胎児は何を望んでいるのか。」(晶子) | ||||||
バスを待つ裾登り来る寒気かな | 櫻貝 | 「冷えびえと足元から寒さが来る様子が、裾登り来るという表現ですっきりしました。」(緑茶) | ||||||
冬銀河今も優しき父のこゑ | あきこ | 「「木枯らし途絶えて 冴ゆる空より 地上にふりしく・・・」 私の父の大好きな歌でした。きっと 投句者の父上も。思い出させていただき ありがとうございました。」(和泉) | ||||||
古里へ帰る帰らぬ初御籤 | るい | 「どちらになったのでしょうか?古里では父母が帰りを待っている・・・」(雪音) | ||||||
冬の浜水際に娘が「好き」と書く | むらさき | 「ロマンがありますね。すぐに消えるのを知って書く、ここが乙女心です。冬でも暖かな心持ですね。」(晶子) | ||||||
若菜摘む二人の夢はちぐはぐに | 春雪 | 「百人一首の出足が、意外な展開。ま現実はそんなものでしょう。」(しおみ) |