平成20年3月 選句結果
得点 | 兼題 「菜の花」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 一村をあまさず染めて花菜風 | あきこ | 小自良 | 晶子 | ちあき | もも | 桜貝 | |
4 | 朝餉から更に半膳花菜漬け | だいご | ウクレレ | 桜桃 | 弓子 | 和泉 | ||
3 | 句会から去りゆく友の花菜雨 | 春雪 | 霧子 | あきこ | だいご | |||
2 | 菜の花を探し歩けば海の路 | 霧子 | しおみ | 雪音 | ||||
2 | 菜の花や蜜摂る蜂の落ちつかず | 静歩 | おさむ | 唯人 | ||||
2 | のびのびとコーランの響き菜畑に | 和泉 | るい | まさき | ||||
1 | 気配なく屋敷を菜の花占領す | もも | ゆき | |||||
1 | てふてふと菜花畑を一巡り | 瓢七 | CGE | |||||
1 | 菜の花に見え隠れした通学路 | 緑茶 | 零風 | |||||
1 | 菜の花や笑顔可愛い母となり | 桜桃 | いくこ | |||||
1 | 菜の花もみずや船出の兄いづこ | 櫻貝 | 春雪 | |||||
1 | 菜の花の海にこころを置いてくる | るい | 緑茶 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | 足鍛え句も鍛えよと山笑ふ | 春雪 | ちあき | もも | 桜桃 | あきこ | 桜貝 | |
和泉 | だいご | |||||||
6 | 永遠に父の子であれ桃の花 | るい | しおみ | 小自良 | 晶子 | いくこ | 桜桃 | |
弓子 | ||||||||
5 | 今はまだ風のみ遊ぶ春の寺 | だいご | ウクレレ | ゆき | 零風 | 和泉 | まさき | |
4 | つちふるや後継ぎのなき小商い | ゆき | 小自良 | あきこ | 春雪 | 緑茶 | ||
3 | 口閉ざす浅蜊三つ四つ今朝の膳 | 静歩 | しおみ | るい | まさき | |||
2 | 気になるも一日延ばしの雛納め | 和泉 | もも | CGE | ||||
2 | 啓蟄や腐葉土の出来試しおり | 和泉 | おさむ | 弓子 | ||||
2 | 合格の不意の携帯春立ちぬ | だいご | おさむ | ウクレレ | ||||
2 | 時が来てしだれ紅梅凛と咲き | 静歩 | ちあき | 霧子 | ||||
2 | 二月堂春呼ぶ炎古都焦が | 零風 | 桜貝 | 唯人 | ||||
2 | 蕗の薹雲と風とのかくれんぼ | 桜桃 | 晶子 | いくこ | ||||
1 | 甘酒を娘の酌で雛祭り | 瓢七 | 唯人 | |||||
1 | 刈り上げの蒼さきわだち春の風 | まさき | ゆき | |||||
1 | しらしらに春の掟か猫の恋 | 晶子 | 雪音 | |||||
1 | 早春や法話の一語胸にしむ | 櫻貝 | 春雪 | |||||
1 | 渓深き湯宿のあたり春霞 | もも | CGE | |||||
1 | 断崖を目前にして春の夢 | まさき | 雪音 | |||||
1 | 遙かなる旅路のはてや春深し | 櫻貝 | 零風 | |||||
1 | 花ノ粉に華やぐ鼻やお水取り | 瓢七 | だいご | |||||
1 | 吹きよする老いの泡だち波の華 | しおみ | 緑茶 | |||||
1 | 無人駅屋根に線路に雪続く | しおみ | 霧子 | |||||
1 | 蝋梅の丘を越え来る郵便車 | ゆき | るい | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
一村をあまさず染めて花菜風 | あきこ | 「本当にこんな景色に触れてみたいです。どこも家ばかりに成ってしまいました。」(晶子) 「伸びやかに広がる菜の花畑を ”あまさず染めて” が素敵だな〜と思いました。春だな〜とほっと幸せを感じます」(ちあき) |
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朝餉から更に半膳花菜漬け | だいご | 「朝からお代わりが出来る幸せ・健康体の幸せ。沢山の幸せが見えてきます。」(桜桃) | ||||||
句会から去りゆく友の花菜雨 | 春雪 | 「綺麗に寂しさが現れている感じうけました。」(霧子) | ||||||
菜の花を探し歩けば海の路 | 霧子 | 「菜の花畑の向こうに、ふいに海が広がる。子供のころの故郷の原風景です」(雪音) |
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菜の花や蜜摂る蜂の落ちつかず | 静歩 | 「耳鳴りのような羽音を聞く人間も落ち着かない」(おさむ) |
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のびのびとコーランの響き菜畑に | 和泉 | 「中七が字余りではありますがコーランのゆったりとした響きと菜畑との取り合わせが新鮮でした。」(るい) 「菜畑とコーラン、何となくミスマッチな感じがするのですがゆったりとした感じが伝わってきます。こんなところが近くにあったら、行ってみたい。」(まさき) |
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気配なく屋敷を菜の花占領す | もも | 「人影の見えないお屋敷にも菜の花は季節を忘れないで訪づれます」(ゆき) | ||||||
菜の花や笑顔可愛い母となり | 桜桃 | 「私の母親代わりだった姉の顔とだぶって、涙が・・・・」(いくこ) |
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菜の花の海にこころを置いてくる | るい | 「海という表現にグッときました。どんなこころを海に?いろんなことを考えてしまいました。」(緑茶) | ||||||
足鍛え句も鍛えよと山笑ふ | 春雪 | 「俳句をする友人がいいます 句会誌に「足もて・・・犬ふぐり」とあるよ。吟行しなさい、風景を歩いて、作句しなはいよ! ワタクシは日々の生活が風景を歩いているんだからといいながら、 つい机の上で作りがちで、推敲しないまま投句してしまいます、すみませんの気持ちです」(ちあき) 「運動不足・勉強不足の私が言われている様で何ともこそばゆい思い。ハイ!少しずつ頑張ってみます(^O^) と。」(桜桃) 「わが身に置き換えて・・・その通り。」(和泉) |
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永遠に父の子であれ桃の花 | るい | 「この句は娘が 父を思う歌と取りました。先日ひな祭りによばれ、娘と喧嘩!(^^;)余計に気になりました。うらやましい!」(小自良) 「きっと父上を亡くされて、心の中にいつも秘めている女性の信条を汲み取ることが出来ます。切ないですが。桃の花ですから女ですね。」(晶子) 「父の娘えの愛が切ないですね。」(いくこ) 「娘を持つ父親の気持ちが溢れていますね。17文字に父の面影を見て感動しました。」(桜桃) |
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今はまだ風のみ遊ぶ春の寺 | だいご | 「早春の風、まだ冷たい、でも春の風はすぐ其処まで、待ちどおしく佇んでらっしゃるのでしょうか?」(ゆき) 「春まだ浅ければ子らの声もありませんね。」(和泉) |
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つちふるや後継ぎのなき小商い | ゆき | 「しみじみとお気持ちが伝わります。」(小自良) 「昔ながらの商店街にシャッターを下ろしたままの店が増えて、車に乗れない私なんか近場の買い物が、だんだん不便になるばかりです。」(緑茶) |
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口閉ざす浅蜊三つ四つ今朝の膳 | 静歩 | 「開いてないのは貝ではなく作者の気分だったりして(^^)」(るい) |
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啓蟄や腐葉土の出来試しおり | 和泉 | 「この出来次第で花の出来が決まる」(おさむ) | ||||||
合格の不意の携帯春立ちぬ | だいご | 「携帯までも親の心が判っている」(おさむ) | ||||||
時が来てしだれ紅梅凛と咲き | 静歩 | 「梅は百花のさきがけて咲き、まだ冷たい空気の中、1輪また1輪と咲く姿は気高いですね。」(ちあき) 「凛とした、ところが誇らしげすきです。」(霧子) |
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蕗の薹雲と風とのかくれんぼ | 桜桃 | 「何気ない風情を楽しく詠んだと思いました。常に心は平常心なのか。季語も地味でいいですね。」(晶子) 「蕗の薹は明るく見えたり暗く見えたり太陽がかくれんぼさせてる様子が見えて、素敵な句だと思いました。」(いくこ) |
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刈り上げの蒼さきわだち春の風 | まさき | 「首元から春の風があがる清々しさが感じられますね、マフラーを巻いたら宜しいかと・・・・」(ゆき) | ||||||
しらしらに春の掟か猫の恋 | 晶子 | 「昨夜、猫の鳴き声がしました。春夜、遠くにオギャアオギャアと。なまめいて、朔太郎の世界でした」(雪音) | ||||||
断崖を目前にして春の夢 | まさき | 「不思議に心惹かれます・・・・・」(雪音) | ||||||
吹きよする老いの泡だち波の華 | しおみ | 「老いと波の花がどんなふうに関るのかよくわからないのですが、何か潔いものを感じて選句しました。」(緑茶) | ||||||
無人駅屋根に線路に雪続く | しおみ | 「現実的表現が良かったとおもいます。」(霧子) | ||||||
蝋梅の丘を越え来る郵便車 | ゆき | 「明るくて春らしい句ですね。いい便りを運んできそう。」(るい) |