平成21年02月 選句結果
得点 | 兼題 「セーター」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | 銀髪の赤いセーター躍動し | もも | ちあき | ウクレレ | 霧子 | 零風 | まさき | |
西寿 | あきこ | |||||||
5 | 白セーターこころの上に小さき穴 | 暖流 | しおみ | 晶子 | かれん | 瓢七 | むらさき | |
3 | セーターにつつむ青春古写真 | あきこ | 春雪 | 木屑 | ゆき | |||
3 | 秘めたまま手編みのセーター膝の上 | まさき | オーク | 桜桃 | 摩耶 | |||
2 | 編みかけのセーター残して恋おわり | 雪音 | もも | 小自良 | ||||
2 | 還暦の父には赤きセーターを | 西寿 | 静歩 | いくこ | ||||
2 | 編みなおし体になじむセーターかな | ちあき | だいご | 春雪 | ||||
1 | おそろいのセーター恥ずかしフルムーン | 櫻貝 | 暖流 | |||||
1 | ジャケツ来てねじりはじまき露天商 | 静歩 | 雪音 | |||||
1 | セーターを着こなす君にシヤネルの香 | 春雪 | 櫻貝 | |||||
1 | セーターの手編みせし手間嬉けり | いくこ | あつこ | |||||
1 | セーターに妻の乳房の若返り | むらさき | おさむ | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
8 | 女正月ぐい呑みどれもをとこ色 | 暖流 | おさむ | 晶子 | もも | まさき | 静歩 | |
桜桃 | 小自良 | 雪音 | ||||||
7 | 独り身となりて幾とせ寒月夜 | 雪音 | かれん | 暖流 | 零風 | いくこ | ゆき | |
摩耶 | むらさき | |||||||
5 | 包まれて届く新聞雪の朝 | 静歩 | しおみ | 零風 | 西寿 | あきこ | 摩耶 | |
5 | 日脚伸ぶ童の声も転びつつ | だいご | ウクレレ | 櫻貝 | 春雪 | 木屑 | ゆき | |
4 | 寒行の雲水歩む武家屋敷 | 春雪 | 西寿 | 桜桃 | 木屑 | むらさき | ||
4 | カプチーノ泡は春への扉かな | 桜桃 | ちあき | かれん | あきこ | だいご | ||
3 | ふなべりの波おだやかや春の海 | 櫻貝 | まさき | 静歩 | あつこ | |||
3 | 立春の光ざわめく川面かな | 雪音 | 暖流 | 櫻貝 | 春雪 | |||
2 | 美しき冬の浅間や灰降らす | 静歩 | 晶子 | いくこ | ||||
2 | 飾り職飾らぬままに寒の燭 | 晶子 | 霧子 | 瓢七 | ||||
2 | 京ことば耳に優しく淡い春 | だいご | おさむ | ウクレレ | ||||
2 | シリウスの高き南に撒く豆よ | しおみ | ちあき | 瓢七 | ||||
2 | 宝塔の影美しき春日かな | 櫻貝 | しおみ | 霧子 | ||||
1 | 寒の左京知人優しき句を賜ふ | 晶子 | 小自良 | |||||
1 | 寒椿花びら集めおままごと | 零風 | オーク | |||||
1 | 節分の豆も掃除機食べる朝 | 桜桃 | オーク | |||||
1 | 波立てば波のかたちに薄氷 | 暖流 | もも | |||||
1 | 野焼きあと芽が頭だし準備あり | ちあき | だいご | |||||
1 | 春寒や投薬の袋嵩を増し | 零風 | 雪音 | |||||
1 | 冬木の芽またるるその日正座して | ちあき | あつこ | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
銀髪の赤いセーター躍動し | もも | 「♪シニアも元気はつらつ!! 銀髪に赤が似合っています。ワタクシもあきらめて”銀髪”へ何時の日か・・・・決心が付きません」(ちあき) 「若々しさが、溢れ、銀髪が素敵」(霧子) 「銀髪に赤いセーターが鮮やかにお似合いでしょう。黒で決めたいとき、青空のいろ貰いたいとき、優しいピンクを着たいとき。セーターはその時どきの気持を包んでくれます。赤は見ているこちらまで元気をわけてもらえます。」(あきこ) |
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白セーターこころの上に小さき穴 | 暖流 | 「いくつになってもでしょうね。」(しおみ) 「俳味を持たせて句を作っておいでなのは立派です。中々難しいお題でしたが・・・」(晶子) 「夫の残したセーターをこの冬は愛用しています。防虫剤を入れたのに 虫食いが、そしてもっと大きな穴がぽっかりと私の胸にも・・・」(かれん) 「まず 読むと’発想と思い 技巧(良うは分からんが (~o~))が、自分なりの選句基準で選んでるみたい。 で、 この句 いろんな事が想像出来て楽しい上五文字で(色 新古)明暗の想いが固定するんだね。」(瓢七) |
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セーターにつつむ青春古写真 | あきこ | 「この句が17文字の中にセーターの季語を活かして、読む人に色んな想像をさせてくれます。セータにつつまれた思い出聞きたいですね!」(春雪) 「人知れず陽の当たる縁側で、 膝に拡げる思い出の古セーター、そこに、あの時代の、恥じらう乙女の姿が蘇って・・・・ふと、顔をあげると空には風に流れる白雲が・・・・」(木屑) 「セビア色の写真を想像いたしますわ。セーター着た若き日の耀いてた頃を想いながらの甘い追憶。」(ゆき) |
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秘めたまま手編みのセーター膝の上 | まさき | 「意味深いですね」(オーク) 「秘めたまま・・・・どんな思いを編み込んでいらっしゃるのか。 何方かへのプレゼントでしょうか。心の色は何色でしょうね。」(桜桃) 「あの人のことを思いながら編んだ手編みのセーターだけどとうとう渡せないまま膝の上において眺めてるの。」(摩耶) |
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編みかけのセーター残して恋おわり | 雪音 | 「物語が有るのが楽しい。」(小自良)) |
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還暦の父には赤きセーターを | 西寿 | 「初老のお父様の赤いセーター良くお似合いなのでしょう。」(いくこ) | ||||||
おそろいのセーター恥ずかしフルムーン | 櫻貝 | 「ほほえましい光景が目に見えるようです。照れくさいけれど、こんな旅行がしてみたいものですね。」(暖流) | ||||||
ジャケツ来てねじりはじまき露天商 | 静歩 | 「ラクダ色のジャケツ! 懐かしいです。」(雪音) |
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セーターに妻の乳房の若返り | むらさき | 「『松の内 わが女房にちょっと惚れ』の現代版ですな。」(おさむ) | ||||||
女正月ぐい呑みどれもをとこ色 | 暖流 | 「をとこ色のぐい飲みで、今夜は何を呑もうかな」(おさむ) 「華やかなぐい飲みも無くはないけれど、たまたま灰色だったのかしら?女も解放されて爽やかに飲みたいですね。」(晶子) 「ぐい呑みは男が手にするもの、そのように造られてきたのでしょう。『今日ぐらいは休ませてくださな』・・・と。奥様にはちと大きすぎたのでしょうか? ゆったりとした、暖かい家庭の情景が目に浮かびます。」(まさき) 「気にもしなかったぐい呑みの表情が面白い。今はおんな好みのぐい飲みも有って当たり前。楽しくお酒がすすみそう。」(桜桃) 「この句を詠まれた方には、男色の杯がお似合いです。」(小自良) |
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独り身となりて幾とせ寒月夜 | 雪音 | 「感傷的でなく独り身を詠っておられる様に感じて共感しました。そのことを受け入れて、それで居て懐かしく。」(かれん) 「寒夜は独り身の寂しさがひとしお身に染みるものなのでしょう。切ない心情がひしひしと伝わります。」(暖流) 「寒さが深々と身に染み入る様な句ですね」(いくこ) 「実感として判ります。幾とせになるのでしょうねもう、慣れましたけど、楽でも有りすこし寂しい」(ゆき) 「冬の夜空に煌々と輝くお月さま!一緒に眺めたあの人は今は遠い空の上にいます。一人過ごす冬の夜はいっそう長く感じられます。」(摩耶) |
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包まれて届く新聞雪の朝 | 静歩 | 「配る頃には雨はあがっている、包まれずに濡れている食い違いがおこりがち。」(しおみ) 「雨の日も雪の日も濡れないようにと新聞が丁寧にビニールに包まれています。寒い暗い中を配達してくれて「ご苦労様!です。」(摩耶) |
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日脚伸ぶ童の声も転びつつ | だいご | 「『声も』と言うと、はかに何があるのか聞きたくなりますので、『声の』で良いと思います。日が長くなり外で遊ぶ童の声の快い響きを『転がるように』と表現したのが良かった。夕食の準備の?台所でそれを耳にしている作者が目に浮かんでくる句です。」(春雪) 「静まり変えていた放課後の校庭には、ようやく子供達の元気な声が響きはじめ、紅白の小梅、万作、山茱萸、そしてゆきやなぎもほほえみはじめ、健康的な子供達の元気な声が響いてくるようになりました。春ですね!」(木屑) 「精一杯はしるわらべ達の笑い声が聞こえて来そうですね。」(ゆき) |
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寒行の雲水歩む武家屋敷 | 春雪 | 「修行僧が行く武家屋敷。鹿児島を思い出していました。」(桜桃) 「一日、15000歩と定め、 早足で、 嘗ての『陸軍造兵廠』の戦車テストコース(今はサンクチュアリー・自然保護地区・10km丘陵地帯を)を二時間以内で歩く自分の姿になぞらえ、若い頃、苦しめられた剣道寒稽古を思い出しました。雲水と武家屋敷?異質の融合・・・・面白いですね。」(木屑) |
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カプチーノ泡は春への扉かな | 桜桃 | 「おしゃれなティータイム ふわ〜と春風が泡を持ち上げるでしょうか。」(ちあき) 「歌の会の帰り いつもテーブルもイスも白いお気に入りのカフェでカプチーノを頂きます。窓の外は色とりどりのパンジーの鉢が一杯並んでいて もう 気持ちはすっかり春ですもん」(かれん) |
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立春の光ざわめく川面かな | 雪音 | 「『ざわめく』という表現がとても利いています。立春の景色の眩しさを感じました。」(暖流) 「春の特徴のひとつに光が冬と違い『キラキラし始める』事や、土が『軟らかく黒ずむ事』等があります。作者はその光を捉えて『ざわめく』と表現し、『川面』でと詠みました。多少類想的な面がありますが、内容が詩的で良かったと思います。」(春雪) |
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美しき冬の浅間や灰降らす | 静歩 | 「青い空を灰が黒く染めたことでしょう。何時も眺めているのにいざとなると恐ろしいものですね。」(晶子) 「先日浅間山が噴火しましたが被害が大きく無くて良かったです。あの真っ黒い、溶岩石思い出します」(いくこ) |
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飾り職飾らぬままに寒の燭 | 晶子 | 「飾り職人がイメージを創り上げる為、我が無にするの感じられます」(霧子) 「これ、 俺 分からんが明治の人が詠んだ様で・・・・ すらすらと語呂が良い! (~o~)。説明 頼んます m(__)m。」(瓢七) |
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京ことば耳に優しく淡い春 | だいご | 「京ことばが優しいと聞こえる内は、まだ他所の人。京ことばには裏があるのですぞ『京のぶぶづけ』」(おさむ) | ||||||
シリウスの高き南に撒く豆よ | しおみ | 「Sirius!なんと神秘な響きでしょう、この星を検索してみました。冬の南天に見られる大犬座の太陽の次に明るい恒星とありました。『フクワ〜ウチ〜オニワ〜ソト〜』いいですね〜」(ちあき) 「凛! たる爺様か婆さまか?567の誰を想像しよう(~o~) 楽しみ〜。」(瓢七) |
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宝塔の影美しき春日かな | 櫻貝 | 「お寺がいくつか浮かびます。美しいのは影のほう?無理してうるわしき春日とも。」(しおみ) 「文字の並びに、美しさ感じました」(霧子) |
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寒の左京知人優しき句を賜ふ | 晶子 | 「何か優しさに包まれていますね。」(小自良) | ||||||
寒椿花びら集めおままごと | 零風 | 「微笑ましいですね。夢中になり寒さも忘れ膝を泥だらけにして?」(オーク) | ||||||
節分の豆も掃除機食べる朝 | 桜桃 | 「ご本人の食べ残しの豆をさらに掃除機が食べる、(^_^.) 当人は年の数だけ食べられたのかな? 噛めたかな?」(オーク) | ||||||
春寒や投薬の袋嵩を増し | 零風 | 「まだまだ寒いです。どうぞお大事に。」(雪音) |