平成21年08月 選句結果
得点 | 兼題 「立秋」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 口先で農する父や今日の秋 | まさき | しおみ | ちあき | 霧子 | 優美 | 静歩 | |
4 | 秋立つや嘘美しく母見舞ふ | ゆき | あつこ | 小自良 | CGE | 晶子 | ||
4 | 少年の声変わりして秋来たる | 七海 | 可不可人 | あきこ | もも | 弓子 | ||
3 | 生みたてをふたつ割りいれ今朝の秋 | おさむ | 西寿 | 暖流 | 初凪 | |||
3 | 立秋や日記に夏を閉ぢ込めて | 暖流 | ゆき | いくこ | 櫻貝 | |||
2 | 足早に牧童歩む今朝の秋 | 春雪 | 西寿 | かれん | ||||
1 | 香り立つカサブランカや秋の風 | いくこ | 零風 | |||||
1 | 狭山路に遠富士見える今朝の秋 | 静歩 | オーク | |||||
1 | 写経する筆の軽さや秋立つ日 | 初凪 | 春雪 | |||||
1 | 花とさへお喋りしたく今朝の秋 | 櫻貝 | だいご | |||||
1 | 立秋に風ここちよく右ひだり | ちあき | まさき | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
6 | ふるさとは昭和の匂ひ麦焦がし | 初凪 | おさむ | 晶子 | 暖流 | もも | 春雪 | |
静歩 | ||||||||
5 | 夕立や三十坪をまる洗い | 静歩 | 小自良 | 西寿 | 暖流 | あきこ | 櫻貝 | |
4 | 手にも慣れあおぐにやさし古団扇 | 西寿 | CGE | オーク | 春雪 | 優美 | ||
3 | きかん坊も天使になれる蚊帳の中 | 優美 | しおみ | ゆき | 零風 | |||
3 | 酔芙蓉黎明の白息をのむ | ちあき | あつこ | まさき | 櫻貝 | |||
3 | 連峰と青き氷河や夏の月 | 春雪 | ちあき | もも | まさき | |||
2 | あさがおのあおさあざやかあめのあさ | だいご | オーク | かれん | ||||
2 | 雨上がり散歩の蝸牛左折せよ | 春雪 | 晶子 | 弓子 | ||||
2 | 嘘ひとつ埋めてありき蝉時雨 | もも | 可不可人 | 初凪 | ||||
2 | 幼子の口をへの字に秋祭 | まさき | あつこ | ちあき | ||||
2 | 五行歌も俳句短歌も秋の声 | 静歩 | 霧子 | いくこ | ||||
2 | 飛び魚の焼かれてもなほ空翔る | 晶子 | しおみ | CGE | ||||
2 | 夏去りぬ蝉も網戸に縋りつき | 瓢七 | 小自良 | だいご | ||||
2 | 向日葵へシャワーのごとし雨も陽も | 暖流 | かれん | だいご | ||||
2 | 細き腕蚊のくらひつき喜捨となす | 晶子 | いくこ | 初凪 | ||||
2 | 鳳仙花弾けて君は高島田 | 優美 | あきこ | 静歩 | ||||
1 | 雨頻り夏を急ぐや遠花火 | 瓢七 | 霧子 | |||||
1 | 帰省便消えぬ夕焼け機は西へ | しおみ | おさむ | |||||
1 | 終戦日異国の空にほむら立つ | 櫻貝 | 可不可人 | |||||
1 | 草木の蘇りくるに原爆忌 | あきこ | 弓子 | |||||
1 | 遠花火闇のかなたの音ぞのみ | 西寿 | 零風 | |||||
1 | 遠花火うなじの白き人なりき | だいご | 西寿 | |||||
1 | 慟哭のいろとも今日の夕焼雲 | あきこ | ゆき | |||||
1 | 見舞はれし無骨な汗の眩しこと | ゆき | 優美 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
口先で農する父や今日の秋 | まさき | 「作者殿も当りなら嬉しいのですが。父上のお元気にユーモアも浮かびでて。」(しおみ) 「体の弱った舅は、一生懸命 知識のないワタクシに教えようと、あれやこれや、言ってくれるのですが 思ったようには行きません歯がゆかったことでしょう、そんな 義父のことを思い出しました。」(ちあき) 「農作業を息子に譲りもどかしさを感じながらも手を出すことなく仕事ぶりを見つめるお父上。本音はまだまだ携わっていたい仕事だと思います。二代目頑張れ!」(優美) |
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秋立つや嘘美しく母見舞ふ | ゆき | 「私自身も同じことをしたのを思い出しました。『たいした病気ではないよ』と自分にも言い聞かせて嘘が滑らかに口から出るよう準備をするのですよね。」(あつこ) 「さぞかし辛い嘘でしょうね!」(小自良) 「最初に目に飛び込んで、母を恋う私には捨てられませんでした。美しい嘘と言う言葉が利いています。」(晶子) |
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少年の声変わりして秋来たる | 七海 | 「夏休み部活の少年可不可人。」(可不可人) 「夏の間に 少年は大きく成長しました!若々しさに幸あれ。」(あきこ) |
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生みたてをふたつ割りいれ今朝の秋 | おさむ | 「馬肥ゆる秋 人も元気に食欲旺盛の秋ですな」(おさむ) 「新鮮な玉子の際立つ白さと鮮やかな黄色が、立秋の朝によく似合います。『たまご』という語を省略した手際に、熟練の味を感じました。」(暖流) 「秋一番に、これ以上 ない新鮮さ!二つは食欲を、・・温かい説得力」(初凪) |
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立秋や日記に夏を閉ぢ込めて | 暖流 | 「爽やかにこちらの胸にひびきます」(ゆき) 「そうですね、日記も秋の書き込みが始まるのでしょう」(いくこ) |
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足早に牧童歩む今朝の秋 | 春雪 | 「牧場など私にとって日常的でない生活場所だけに其処に忍び寄る初秋というだけで、異国的な情緒を感じます。」(かれん) | ||||||
写経する筆の軽さや秋立つ日 | 初凪 | 「写経をしたことがなく一度してみたいと思っています。秋になり、暑いときとちがい精神統一も苦でなくなって、筆が進むことでしょう。いい時間を過ごされていますね。」(春雪) | ||||||
ふるさとは昭和の匂ひ麦焦がし | 初凪 | 「麦こがし 硫黄の付け木で食べた記憶の者は昭和一桁生まれ 麦こがしを知らない者が多く居る現代」(おさむ) 「先日も麦焦がしの話になりました。娘でさえ知りません。そう、今は平成なんですね。」(晶子) 「『麦焦がし』。別名、『はったい粉』。幼い頃、よく喉に詰まらせましたっけ。水で練るときの、あの香ばしい匂い。しみじみ郷愁の込み上げる作品です。」(暖流) 「『はったい粉』、懐かしいです。水で練るよりも、そのままの方が美味しかったです。鼻の先を真っ白にして・・・・」(春雪) |
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夕立や三十坪をまる洗い | 静歩 | 「勢いあって涼しげです。」(小自良) 「住家なのでしょう。『三十坪をまる洗い』という表現が実に詩的で見事です。 ただ私見ですが、『丸洗い』と表記した方が、もっと印象強いように思えました。」(暖流) 「俳諧味溢れ、とても気持ちの良い句ですね。」(あきこ) |
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手にも慣れあおぐにやさし古団扇 | 西寿 | 「子供の頃は見慣れたしぐさ、絵になりますね。」(オーク) 「古い物を大切に使うと、物もそれに応えてくれます。きっと煽られる風も丸くて優しいことでしょう。」(春雪) 「そう言えば団扇も無くなりましたね。昔はお買い物をすると夏には個人商店から2・3本は貰えました。使いこなした竹のしなり具合が丁度良い風を呼ぶのでしょうね。又来年も使ってね」(優美) |
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きかん坊も天使になれる蚊帳の中 | 優美 | 「クーラーに風情楽しむ蚊帳を吊る」(しおみ) 「お子さんの寝顔は本当に天使の顔、昔は皆蚊帳の中へ 姉妹一緒寝たものです」(ゆき) |
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連峰と青き氷河や夏の月 | 春雪 | 「あぁ行って見たいーー雄大で 幻想的なのでしょうね。」(ちあき) 「連なる高い峰々、そしてしっかりと谷間に氷河が・・・静かな夏の月だったんでしょうね。」(まさき) |
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あさがおのあおさあざやかあめのあさ | だいご | 「しゃれっ気があり、好きな句です。」(オーク) 「瑞々しい蒼が眼一杯に広がって 息を呑む一瞬が平仮名ばかりゆえに 優しく迫ってきますね」(かれん) |
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雨上がり散歩の蝸牛左折せよ | 春雪 | 「面白いですね。右折は禁止かな。諧謔的な滑稽が品よく纏まっていますね。」(晶子) | ||||||
嘘ひとつ埋めてありき蝉時雨 | もも | 「嘘秘密抱きて往くや可不可人。」(可不可人) 「嘘一つ、がいいですね。蝉が嘘を暴くサスペンス?」(初凪) |
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幼子の口をへの字に秋祭 | まさき | 「幼子がはっぴを着て少し緊張して思わす口がへの字に・・・その様子が眼に浮かびます。」(あつこ) 「まだ祭りの楽しさを知らない幼子は、この騒ぎはなんなの?と 抱っこされゆで卵のような、つるりとしたほっぺ、かわいい口が、むずかり顔に、これもお祭りの1ページですね。」(ちあき) |
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五行歌も俳句短歌も秋の声 | 静歩 | 「俳句がしっかり身に付いてる方の様ですね。」(いくこ) | ||||||
飛び魚の焼かれてもなほ空翔る | 晶子 | 「出張での奄美航路、甲板にアゴが飛び込んできました。飛行機なら こうなるのでしょうね。」(しおみ) | ||||||
夏去りぬ蝉も網戸に縋りつき | 瓢七 | 「晩夏、読み切ってます。」(小自良) | ||||||
細き腕蚊のくらひつき喜捨となす | 晶子 | 「夏の高温も夕立の激しいさにも打たれ強いひまわりの姿にある時は救われるような印象を受ける時があります」(かれん) 「献血が閃きました。蚊にも献血を?血の通った温かい思い」(初凪 |
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鳳仙花弾けて君は高島田 | 優美 | 「嫁ぎゆく娘さんへの祝福の句、鳳仙花弾けてのフレーズが可憐です。」(あきこ) | ||||||
帰省便消えぬ夕焼け機は西へ | しおみ | 「24年前の今日 12日 帰省便は帰省できなかった 瞑目す」(おさむ) | ||||||
終戦日異国の空にほむら立つ | 櫻貝 | 「敗戦日異国の丘に可不可人。」(可不可人) | ||||||
慟哭のいろとも今日の夕焼雲 | あきこ | 「この頃の世相、災害、恐ろしく想いますわ」(ゆき) | ||||||
見舞はれし無骨な汗の眩しこと | ゆき | 「見舞客の汗が元気の固まりに見えたのかしら。あなた様も早く元気を取り戻して下さい。元気が眩しいと言わせましょう」(優美) |