平成22年08月 選句結果
得点 | 兼題 「残暑」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | ホームラン残暑一気に払ひけり | あきこ | ちあき | 晶子 | いくこ | 零風 | 桜貝 | |
初凪 | だいご | |||||||
3 | 煙雲のさゆらぎもなき残暑かな | 初凪 | ゆき | 西寿 | 狂平 | |||
2 | 影伸びて昨日も今朝も残暑かな | 優美 | 静歩 | まさき | ||||
2 | キャラメルの紙ひっつきし残暑かな | 西寿 | 優美 | 和泉 | ||||
2 | 太平洋越えて残暑の波来たる | 七海 | しおみ | 可不可人 | ||||
1 | 秋暑しはたと止まりし救急車 | 桜貝 | 小自良 | |||||
1 | じやれてくる猫つまみ出す残暑かな | 暖流 | 春雪 | |||||
1 | 掃除機に追われ転々秋暑し | 春雪 | 暖流 | |||||
1 | 引き返し日傘持ち出す残暑哉 | 静歩 | すすむ | |||||
1 | 昼時の味噌汁うまし残暑かな | まさき | あきこ | |||||
1 | 孫たちて 後の淋しさ秋暑し | 零風 | おさむ | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 空蝉の登る高さや草の丈 | 晶子 | おさむ | 静歩 | 桜貝 | まさき | 初凪 | |
5 | 下駄を履くゆび稚き(いとけなき)初浴衣 | 初凪 | しおみ | 小自良 | いくこ | 桜貝 | 優美 | |
4 | つと止みし気配おぞまし蝉しぐれ | しおみ | 小自良 | だいご | 和泉 | 狂平 | ||
4 | 夕涼み沓脱石のまだ熱く | 優美 | ゆき | 春雪 | 静歩 | 暖流 | ||
3 | 後襟きりりと立てし日傘かな | だいご | ちあき | 可不可人 | すすむ | |||
3 | ふるさとは母の風あり蚊やり豚 | 初凪 | ゆき | あきこ | 狂平 | |||
2 | 朝顔を愛でて一日始まれり | 七海 | 初凪 | 暖流 | ||||
2 | 炎天や胸まで濡らし水を飲む | 暖流 | 晶子 | 優美 | ||||
2 | はるかなる星と語らひ涼新た | あきこ | 春雪 | 西寿 | ||||
2 | ハーレクインみたいな恋を夏帽子 | 暖流 | まさき | 和泉 | ||||
1 | 相の手はワイキキの波踊り歌 | 和泉 | しおみ | |||||
1 | 青すだれ母の繰り言まだつづく | ゆき | だいご | |||||
1 | 畦道を遠ざかる女日傘さし | 西寿 | おさむ | |||||
1 | 小雀が水を浴びてる大暑かな | 静歩 | 零風 | |||||
1 | 新盆の兄の残せし腕時計 | いくこ | 晶子 | |||||
1 | 砂浜は波の音のみ夏夕べ | 七海 | あきこ | |||||
1 | すかんぽの酸味懐かし終戦日 | 桜貝 | 零風 | |||||
1 | 鎮魂の鐘鳴りやまず蝉時雨 | あきこ | 西寿 | |||||
1 | 鳴きもせず何思うぞや蝉の暮れ | 優美 | 可不可人 | |||||
1 | 願い事書いた風鈴風を待つ | 零風 | すすむ | |||||
1 | 真夏日や笑顔はじける水遊び | 零風 | いくこ | |||||
1 | 湯上りの至福なるときビールくむ | 西寿 | ちあき | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
ホームラン残暑一気に払ひけり | あきこ | 「夏の甲子園は全国の皆さんの共有風物ですね。真っ青な空に”カーーン”と白球が伸びていく音に、スカットしますね。」(ちあき) 「余りに残暑らしからぬ暑さに、俳句といえど追いついていかぬ、苦しさで、盛夏のような句が出来ているように思いました。ホームランは元気があって良いですね。」(晶子) 「暑さを堪えて、観戦・・・ホームラン打ったその時の、感じが良く判ります」(いくこ) 「高校球児のホームランは尚更ですね」(初凪) |
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煙雲のさゆらぎもなき残暑かな | 初凪 | 「まとわり付くような残暑が感じられますね。」(ゆき) |
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キャラメルの紙ひっつきし残暑かな | 西寿 | 「昨日履いたズボンのポッケに忘れていたキャラメル。ひっつきすぎて剥がすのが大変・・・・こんな思い出私にもありますよ。つい笑顔が零れました。」(優美) 「キャラメルは父のパチンコのお土産でした。口中に甘ったるいのとミルクの味が広がって懐かしいなぁ。」(和泉) |
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太平洋越えて残暑の波来たる | 七海 | 「海の向こうの季節を思い浮かべると。」(しおみ) 「ラバウルで戦死の父が来たる浜」(可不可人) |
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秋暑しはたと止まりし救急車 | 桜貝 | 「一瞬の冷気、良くわかりました。」(小自良) |
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掃除機に追われ転々秋暑し | 春雪 | 「掃除機に追い立てられて、部屋を転々と移動する作者の姿が生き生きと想像されます。季語がよく利いていて生活感あふれる一句です。惜しむらくは『追はれ』が、誤って新仮名遣いで表記されてしまいました。」(暖流) | ||||||
孫たちて 後の淋しさ秋暑し | 零風 | 「孫は早く来て早く帰るのが一番良し」(おさむ) | ||||||
空蝉の登る高さや草の丈 | 晶子 | 「抜けた物は既にこの世に無いが空蝉は残る」(おさむ) 「家人が長く不在なんでしょうか? 手入れができずに草の生い茂っている庭。旅行、あるいは入院かな?と思いが広がっていきます。それにしても、今年の暑さには閉口しています。熱中症にはご用心。」(まさき) 「羽化の一部始終を見た時を思い出して心惹かれました」(初凪) |
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下駄を履くゆび稚き(いとけなき)初浴衣 | 初凪 | 「おなじ場面が句にできなかった、降参します。」(しおみ) 「如何にも夏の情景ですね!」(小自良) 「今の子は中々下駄を履けません。2〜3才のお孫さんの足に、下駄を履かせる、指の間が痛く無いか心配です」(いくこ) 「浴衣と下駄はこの子にとって始めて尽くしなのかしら。稚さの中に成長を喜ぶ嬉しい一瞬。可愛いアンヨが見えてきそうです。」(優美) |
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つと止みし気配おぞまし蝉しぐれ | しおみ | 「有りますね!こんな時。でも直ぐ又何事もなく鳴き出します。」(小自良) 「せみ時雨が止まると『おや』と思いますね。でも『おぞまし』はおだやかでないですぞ。」(和泉) |
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夕涼み沓脱石のまだ熱く | 優美 | 「陽が落ちても家をも覆った暑さは残ります 石にも残る猛暑ですね。」(ゆき) 「『沓脱石』の一語で、庭や家屋のたたずまい、夕涼みの様子までありありと目に浮かびます。また『涼』と『熱』の五感を対比も見事です。」(暖流) |
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後襟きりりと立てし日傘かな | だいご | 「凛としたみみさんを連想しましたよ。日本女性の美しさですね。」(ちあき) 「おめにかかりたい、いうことなし」(可不可人) 「誰か判りませんがいつもきりりとした粋な女性を読む人が居られますね。イメージで選句してます(笑)」(すすむ) |
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ふるさとは母の風あり蚊やり豚 | 初凪 | 「蚊取り線香の懐かしい香りを楽しめました。」(ゆき) | ||||||
朝顔を愛でて一日始まれり | 七海 | 「清々しい満ち足りた一日が想像されます」(初凪) 「朝一番の仕事は朝顔への水やりでしょうか?心安らかな暮らしの在り様を平易に詠んで、秀句です。」(暖流) |
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炎天や胸まで濡らし水を飲む | 暖流 | 「ゴクゴクと音を立てて呑んでいる様子が見えるようです。呑まずには居られぬ照りですもの。」(晶子) 「胸元にかける様に零しながら飲んだ沢水を思いだしました。胸まで冷えて気持ちがよさそう。」(優美) |
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ハーレクインみたいな恋を夏帽子 | 暖流 | 「ツバ広のしゃれた帽子でさっそうと。ノースリーブ、エナメルサンダル、ペデキュア・・・はたして恋の行方は?」(和泉) | ||||||
相の手はワイキキの波踊り歌 | 和泉 | 「ハワイでは周年波乗りが出来る。」(しおみ) | ||||||
畦道を遠ざかる女日傘さし | 西寿 | 「後姿は美しく想像させてくれる。ましてや傘差した姿は・・・」(おさむ) | ||||||
新盆の兄の残せし腕時計 | いくこ | 「誰もこう言う想いは、お互い持つことのあること。兄弟も歳を加えました。」(晶子) | ||||||
鳴きもせず何思うぞや蝉の暮れ | 優美 | 「その蝉を見ている沈黙の私がいる」(可不可人) | ||||||
願い事書いた風鈴風を待つ | 零風 | 「俳句の題材としての風情があります」(すすむ) | ||||||
真夏日や笑顔はじける水遊び | 零風 | 「今年は全国的に、水遊びが笑顔をもたらします。でも 事故も多いです、気を付けたいものです」(いくこ) | ||||||
湯上りの至福なるときビールくむ | 西寿 | 「ワタクシはビールを飲まないですが、幸せ〜この気分すごくわかります。きっと昼間暑さにも負けないで働いたのでしょう・・・・」(ちあき) |