平成22年12月 選句結果
得点 | 兼題 「焚火」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
4 | 限りある身とおもいつつ庭焚き火 | ゆき | 可不可人 | 零風 | まさき | 瓢七 | ||
3 | 消えてゆく刹那の叫びや大焚火 | 初凪 | 春雪 | ゆき | 優美 | |||
3 | 小枝折るあれこれ思う焚火かな | ちあき | いくこ | 七海 | 暖流 | |||
2 | 落葉焚く龍の如きに白煙 | 優美 | ちあき | 桜貝 | ||||
2 | 枯れ菊も燃やして焚火野の匂い | 七海 | すすむ | 初凪 | ||||
1 | 姐集ふ出漁のあとの磯焚火 | 春雪 | 狂平 | |||||
1 | 熾(おき)となる恋の焚火は消し炭に | しおみ | あきこ | |||||
1 | 幼児のほほ赤々と焚火かな | まさき | しおみ | |||||
1 | 思い出を探せば多く焚き火かな | 静歩 | 和泉 | |||||
1 | 思ひ出をあたためてゐる焚火かな | 暖流 | 西寿 | |||||
1 | 山間の平和の狼煙たき火かな | だいご | 晶子 | |||||
1 | 遠い日の想いにあるや落葉焚き | 和泉 | おさむ | |||||
1 | 目な裏に幼き頃の落ち葉炊き | いくこ | だいご | |||||
1 | 童らの破れ手袋朝焚火 | 狂平 | 静歩 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
7 | 何もせぬ言いつつ走る十二月 | いくこ | ちあき | しおみ | 春雪 | ゆき | だいご | |
初凪 | 静歩 | |||||||
6 | 灯明の揺らぎ安けし冬座敷 | あきこ | すすむ | 優美 | まさき | 初凪 | 狂平 | |
瓢七 | ||||||||
5 | 子返りの母の話やみかん剥く | ゆき | 可不可人 | あきこ | いくこ | だいご | 七海 | |
4 | 百人の吐く息白きホーム哉 | 静歩 | おさむ | まさき | 暖流 | 狂平 | ||
3 | 池底に身じろぎもせず冬の鯉 | 桜貝 | しおみ | 可不可人 | いくこ | |||
2 | 足元はスニーカーなり七五三 | 西寿 | 暖流 | 桜貝 | ||||
2 | 手袋の色にこだわる老いの恋 | 春雪 | ゆき | 優美 | ||||
2 | 初雪や十七文字の置きみやげ | 初凪 | あきこ | 零風 | ||||
2 | 這い這いもバックが苦手毛糸玉 | 暖流 | 静歩 | 桜貝 | ||||
2 | 柚子二つ買いて楽しき冬至風呂 | 静歩 | 零風 | 七海 | ||||
1 | 朝寒や夜寒も妻が在りてこそ | だいご | ちあき | |||||
1 | 意識無く姉四度目の師走かな | いくこ | 春雪 | |||||
1 | 蟷螂がひなた探索築地塀 | しおみ | 晶子 | |||||
1 | 参道の我が影ながし冬めきぬ | 西寿 | すすむ | |||||
1 | 純白の三叉大根色気あり | 零風 | おさむ | |||||
1 | 鎮魂や冬の夜照らすルミナルエ | 零風 | 西寿 | |||||
1 | 猫を抱き畳に広がる夜寒かな | 初凪 | 和泉 | |||||
1 | はやぶさの行き着く所雪景色 | 優美 | 西寿 | |||||
1 | ふたりとも濡れて墓所辞す初時雨 | 桜貝 | 和泉 | |||||
1 | レコードに昭和のノイズ冬紅葉 | 暖流 | 晶子 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
限りある身とおもいつつ庭焚き火 | ゆき | 「ここにも確かな小宇宙が存在しますね」(可不可人) 「夢も希望も感じないで淡々として暖かさも遠い・・・・・(だけど俺 嫌いじゃない)」(瓢七 |
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消えてゆく刹那の叫びや大焚火 | 初凪 | 「文句なしに拍手です(^◇^)」(ゆき) |
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小枝折るあれこれ思う焚火かな | ちあき | 「ほんとうにこのとおりですね。それはそれで緩やかな良い時間なんです。」(七海) 「たった一つのことではなく、『あれこれ思ふ』とした措辞にとても深い共感を覚えました。ただ、文語の句でありながら、『思う』と新仮名遣いでの表記ミスがあったのが、少し残念です。」(暖流) |
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落葉焚く龍の如きに白煙 | 優美 | 「白い煙を詠みたかったのですが、上手く行かずでした。」(ちあき) | ||||||
枯れ菊も燃やして焚火野の匂い | 七海 | 「畑に残った枯れ菊を大きな庭木鋏で刈り取るとすっきりとします。一年の終わりと来年も元気で花を咲かせられるかなあと思い巡らせながら・・・・」(すすむ) 「焚き火の清潔感が漂っていいですね」(初凪) |
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熾(おき)となる恋の焚火は消し炭に | しおみ | 「熾きやすい消し炭、次に火の付くのはいつでしょうか。情緒たっぷりです。」(あきこ) | ||||||
思い出を探せば多く焚き火かな | 静歩 | 「都会ではもう焚き火はご法度です。色も匂いも思い出の中です。」(和泉) | ||||||
山間の平和の狼煙たき火かな | だいご | 「戦いではない平和の狼煙が穏やかで良いと思います。」(晶子) | ||||||
遠い日の想いにあるや落葉焚き | 和泉 | 「団地では焚き火も ご法度 ましてや落ち葉なんか無し。」(おさむ) | ||||||
何もせぬ言いつつ走る十二月 | いくこ | 「ほんと!!なにもしなくてよかったら、いいでしょうね、、省略しても、やはり、なにがし用事がわいてくるのですよね。」(ちあき) 「そう、何をしなくても年は駆け足で去って行きます。」(ゆき) 「忙しいと言わぬ所にユーモアがあって・・笑いをそそられました。」(初凪) |
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灯明の揺らぎ安けし冬座敷 | あきこ | 「台所の神棚も座敷の床の間も煤で汚れるのが嫌でもう長年灯明を灯していません」(すすむ) 「お仏壇の前で手を合わせるとき何時も灯明とお香のたつ揺らぎを見つめます。想いが通じたかのような安らぎを覚えるときがあります。一瞬無心になる時です。」(優美) 「先月訪れた姫路のお寺さんを思い出しました。本堂で静に揺れる灯明に、何故か心の定まらない己を感じていました。」(まさき) 「御灯明は冬座敷が一番似合いますね僅かな光が心も体も温かくしてくれるようで・・」(初凪) 「仏壇? それすらも遠い・・・・・」(瓢七) |
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子返りの母の話やみかん剥く | ゆき | 「傾聴に値する母の物語がありますね」(可不可人) 「親子のほのぼのとした情景ですね。」(あきこ) 「優しさあふれる『みかん剥く』ですね」(七海) |
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百人の吐く息白きホーム哉 | 静歩 | 「朝の冷気と光の中に見える。」(おさむ) 「ホームに立つ群衆の一人一人が白い息を吐いている。そんな何気ない光景にも人生の哀歓を見てとる作者。」(暖流) |
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池底に身じろぎもせず冬の鯉 | 桜貝 | 「水のまにまに身をまかせ、氷の下で春を待つ。」(しおみ) 「冬の季節が見事に捉えられていますね」(可不可人) |
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足元はスニーカーなり七五三 | 西寿 | 「羽織袴にスニーカー。ほほえましい七五三の光景です。正装は記念写真のときだけ。」(暖流) | ||||||
手袋の色にこだわる老いの恋 | 春雪 | 「歳を重ねても、お洒落に気を使いたいですね、彩への拘りも素敵です。」(ゆき) 「何だか可愛らしく映りました。幾つになっても恋心は栄養剤のようなものですね。」(優美) |
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初雪や十七文字の置きみやげ | 初凪 | 「ゲタの跡 かなと面白く思いましたが 初雪をみて よい俳句ができたのでしょうね。」(あきこ) | ||||||
柚子二つ買いて楽しき冬至風呂 | 静歩 | 「ゆず湯の香りにつつまれて今夜はシアワセ!!」(七海) | ||||||
朝寒や夜寒も妻が在りてこそ | だいご | 「あア・・・きっと男性のかたでしょうね。ワタクシは妻のところに「夫」としたいです、このごろは。独り言で寒いね〜といいつつストーブ点けたり消したりしています。」(ちあき) | ||||||
蟷螂がひなた探索築地塀 | しおみ | 「探索は少し硬いのですが、これが面白くて作られたのでは・・・・・」(晶子) | ||||||
参道の我が影ながし冬めきぬ | 西寿 | 「参道ならぬ農道ですが夕方の犬の散歩で我が影の長さに初冬を実感しています」(すすむ) | ||||||
純白の三叉大根色気あり | 零風 | 「人参ではこの色気は感じないな。白い大根こそ 純白のあの子の肌を。」(おさむ) | ||||||
猫を抱き畳に広がる夜寒かな | 初凪 | 「猫がいて良かった。孤独を救う猫、夜寒も救う猫。」(和泉) | ||||||
ふたりとも濡れて墓所辞す初時雨 | 桜貝 | 「故人に所縁の日なのでしょうね。作者の優しさと二人のほのぼのとした仲の良さが伝わってきました。」(和泉) | ||||||
レコードに昭和のノイズ冬紅葉 | 暖流 | 「昭和のノイズが面白いですね。CDだけの年齢では有りません。」(晶子) |