平成23年07月 選句結果
得点 | 兼題 「滴り」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 一望の知床連山滴れり | あきこ | 晶子 | 可不可人 | 零風 | ゆき | いくこ | |
4 | 滴りと風の音のみ山の寺 | 七海 | すすむ | 244 | ちあき | 優女 | ||
3 | 滴りてカムイの山の細き道 | いくこ | 七海 | まさき | 西寿 | |||
2 | 滴りて賀茂の源流生まれけり | 春雪 | おさむ | しおみ | ||||
2 | 滴りの一滴ごとの蒼さかな | まさき | 春雪 | あきこ | ||||
1 | 家裏の滴り昔の時きざむ | 244 | だいご | |||||
1 | 滴りの音色に気づく夕景色 | ちあき | 静歩 | |||||
1 | 滴りや喉の渇きに手で受けて | 静歩 | 和泉 | |||||
1 | 滴りて石筍つくる闇のなか | 零風 | 優美 | |||||
1 | 滴りを掌で味わう旅半ば | 優美 | 小自良 | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
5 | 青田波頬にほどよき試歩の風 | ゆき | ちあき | あきこ | まさき | 小自良 | 静歩 | |
4 | 後襟きりつと立てし日傘かな | だいご | すすむ | 244 | 零風 | 小自良 | ||
4 | 縁遠き姪と語りて麦茶かな | だいご | おさむ | 和泉 | 晶子 | 七海 | ||
3 | 落武者の無念の声か不如帰 | 春雪 | だいご | 西寿 | ゆき | |||
3 | 遠出する僧の腕には籐の袖 | 晶子 | しおみ | 西寿 | 優女 | |||
3 | 七変化和尚の話よどみなし | 静歩 | ちあき | あきこ | ゆき | |||
3 | 胸ボタン三つ外して夏に入る | 優美 | 春雪 | 244 | 零風 | |||
3 | 夕端居話し上手に聞き上手 | ゆき | 春雪 | 七海 | まさき | |||
2 | 茜ひく天女の裳裾夕焼雲 | あきこ | 晶子 | 可不可人 | ||||
2 | 咲き終へし笹百合なれどなほ匂ふ | 西寿 | だいご | 優女 | ||||
2 | スカートの裾ひる返し半夏生 | 優美 | すすむ | 和泉 | ||||
1 | 傾ける日傘の君よ蔵の町 | 春雪 | 優美 | |||||
1 | 雫落ち水琴窟の音涼し | 零風 | いくこ | |||||
1 | 水中の足跡かくれ青田風 | まさき | しおみ | |||||
1 | 夏の旅やさしき仏信濃地は | 和泉 | 静歩 | |||||
1 | 夏の海積丹ブルーの美しき | いくこ | 優美 | |||||
1 | 南天の花と並びて雨宿り | 西寿 | いくこ | |||||
1 | 箱根山アジサイ電車アブト式 | 静歩 | おさむ | |||||
1 | 星空をあつめて植田の宴げかな | 七海 | 可不可人 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
一望の知床連山滴れり | あきこ | 「憧れの北海道、知床は歌では心のなかにあります。大きな所へ僅かな滴りの対比もお上手です。」(晶子) 「目に触れるもの 全て網羅して大きい句ですね〜 憧れですわ」(ゆき) 「冬の長い知床の山並み今緑が滴るような美しさでしょう」(いくこ) |
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滴りと風の音のみ山の寺 | 七海 | 「迷うことなく一発で決まりましたがもう一句枠があれば03の『癌うせよ・・・・』も推したかったです」(すすむ) 「より シーーんとした感じがしますね」(ちあき) |
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滴りて賀茂の源流生まれけり | 春雪 | 「まさにこの川の源流は、滴り落ちるから始まります。」(おさむ) | ||||||
滴りや喉の渇きに手で受けて | 静歩 | 「さぞ おいしく喉の渇きが癒されたことでしょう。それに手も涼やかに喜んだことでしょう。」(和泉) | ||||||
滴りて石筍つくる闇のなか | 零風 | 「長い年月を経て積み上げる鍾乳石。カールスパッドのあの広さとコウモリの大群を思い出しました。」(優美) |
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滴りを掌で味わう旅半ば | 優美 | 「之を醍醐味という」(小自良) | ||||||
青田波頬にほどよき試歩の風 | ゆき | 「快復のとき、見慣れた風景も、風も 新鮮でありがたく思いますね」(ちあき) 「健康のありがたさ、歩ける喜び。自然の風を頬に受ける喜びが句から伝わってきます。」(まさき) 「回復期、良い風ですね!」(小自良) |
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後襟きりつと立てし日傘かな | だいご | 「このような女性とすれ違っただけで、暑さなんかどっかに吹っ飛ぶでしょうね」(244) 「どなたの作か判りませんがいつもこのような粋な女性の容姿を上手く表現される句に感心しています。」(すすむ) 「さぞかし、美人でしょうね!」(小自良) |
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縁遠き姪と語りて麦茶かな | だいご | 「伯父さんか、伯母さんか判らないが親に言えない事も話せるよき相談相手」(おさむ) 「優しい叔母さまの心根が伝わってきます。でも それぞれの人生ですから縁にすがることはありませんよ。」(和泉) 「縁遠きなんて今でも遠慮がちに仰る、そして麦茶ではこのお二人の親しさが仄見えてまいります。」(晶子) |
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落武者の無念の声か不如帰 | 春雪 | 「地底からのざわめき? 耳を傾けて聴きたいものです」(ゆき) | ||||||
遠出する僧の腕には籐の袖 | 晶子 | 「托鉢に出かける姿なのか、季語の挿入巧みさに魅了されました。」(しおみ) | ||||||
七変化和尚の話よどみなし | 静歩 | 「最近のお坊さん 何でもなさいますねお話も上手になりますよ!」(ちあき) 「法話は退屈せず、楽しみに聞いてます 理解できる齢になったのでしょうね」(ゆき) |
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茜ひく天女の裳裾夕焼雲 | あきこ | 「下が重くなっているのが一寸残念ですが夕焼けの鮮やかさが解ります。季は夕焼けは夏でしたっけ?」(晶子) | ||||||
スカートの裾ひる返し半夏生 | 優美 | 「半夏生の日はさまざまな禁忌があり物忌をする習慣があったとか。そんな物跳ね飛ばす句ですね。」(和泉) | ||||||
傾ける日傘の君よ蔵の町 | 春雪 | 「作者は男性ですね。何か意味深な思い出が有りそうと睨みました。デートなのかな。知り合いとのすれ違いざまに傘で顔を隠したキミ。」(優美) | ||||||
雫落ち水琴窟の音涼し | 零風 | 「暑い盛り、木陰の水琴窟のあの音は心に涼しさを呼びますね。」(いくこ) | ||||||
水中の足跡かくれ青田風 | まさき | 「水田の草取り、足を抜けば周りから泥が押し寄せる。」(しおみ) | ||||||
夏の海積丹ブルーの美しき | いくこ | 「落盤事故があったトンネルをくぐり見えてきたブルーの海。夕日が沈む頃には茜色に染まった海を見ながら入った露天風呂。あの時に見た景色は正しく夏の海積丹ブルーで懐かしいです。見た人でないと読めない句だと思いました。」(優美) | ||||||
南天の花と並びて雨宿り | 西寿 | 「赤い実はもっと後なんでしょうか。今は、どんな花かは知りませんが 小さなかわいらしい花なのでしょう 雨宿りして、袖に触れる花に気づきホットされたのでしょうね。」(いくこ) | ||||||
箱根山アジサイ電車アブト式 | 静歩 | 「箱根の登山電車はスイッチバック式であったと。アブト式は、大井鉄道」(おさむ) |