平成23年11月 選句結果
得点 | 兼題 「霜」 | 作者 | 戴いた人 | |||||
4 | 霜凪を一気に乱し鳥の発つ | 優美 | 春雪 | 小自良 | しおみ | 和泉 | ||
3 | 登校の子等の声澄む霜の朝 | 244 | あつこ | ちあき | 狂平 | |||
2 | きぬぎぬのわかれかなしやしものはな | 狂平 | 可不可人 | 244 | ||||
2 | 震災の荒れ地に白く霜の花 | 零風 | 静歩 | 優女 | ||||
2 | 霜の朝踏み行く子等の声高し | 春雪 | すすむ | 優美 | ||||
2 | 一群れの草霜のせてかがやけり | いくこ | 七海 | だいご | ||||
2 | 踏めば鳴く人見おくりて霜柱 | ゆき | おさむ | 西寿 | ||||
2 | 物干しの勝手ちがひて今朝の霜 | だいご | 弓子 | まさき | ||||
1 | 赤土がかすかにはじく霜の息 | しおみ | あきこ | |||||
1 | 安堵する妻の寝息や霜の声 | 静歩 | ゆき | |||||
1 | 一夜明け一面霜にハイネになる | ちあき | 晶子 | |||||
1 | 下駄で蹴る土くれもろく霜の花 | 晶子 | 零風 | |||||
1 | わが窓の灯火ひとつ霜の夜 | あきこ | いくこ | |||||
得点 | 雑詠 | 作者 | 戴いた人 | |||||
4 | 諦めも許しの一つ冬隣 | 七海 | 和泉 | 可不可人 | ゆき | いくこ | ||
4 | 小春日やせめて老躯の三千歩 | だいご | あつこ | 小自良 | ちあき | いくこ | ||
4 | 散るもみじ吹かれしままに転がりぬ | いくこ | 静歩 | 西寿 | 可不可人 | まさき | ||
3 | 近況の葉書伸びやか十三夜 | 七海 | あきこ | しおみ | ゆき | |||
3 | 妻の留守一泊二日おでんの日 | 優美 | 静歩 | 零風 | まさき | |||
3 | ひとひらの栞の記憶初紅葉 | あきこ | あつこ | おさむ | すすむ | |||
3 | 忘れたる洗濯物や秋の暮れ | 西寿 | しおみ | 優女 | 244 | |||
2 | 公園に一人座したる秋の暮れ | 西寿 | 七海 | 狂平 | ||||
2 | 気の急ける釣瓶おとしの小買い物 | ゆき | 小自良 | 優美 | ||||
2 | 木枯らしよ遠慮無用と仁王立つ | 和泉 | ちあき | 優女 | ||||
2 | 秋刀魚焼く塩ひと振りす男の手 | 優美 | あきこ | 244 | ||||
2 | 手ながれのうまし板場や菊鱠 | ゆき | 優美 | 弓子 | ||||
2 | 登り窯訪ねし里の初しぐれ | 春雪 | 西寿 | すすむ | ||||
2 | ふと足をとめて風きく冬の雨 | まさき | 春雪 | 晶子 | ||||
1 | 駅二つ小春に酔ふて歩くかな | だいご | 七海 | |||||
1 | 楓老い踏みいる奥は綾錦 | 狂平 | だいご | |||||
1 | こしおれをわらうあれののあきざくら | 狂平 | 晶子 | |||||
1 | 荒涼な地に音もなし北の冬 | まさき | 零風 | |||||
1 | 霜月や今日は良き日よ訃報なし | 和泉 | おさむ | |||||
1 | 秋霖や濡れるにまかす磐の神 | 244 | 春雪 | |||||
1 | それぞれの茶室異なる寺の秋 | 春雪 | 弓子 | |||||
1 | 峠越す谷間に灯火(ともしび)十三夜 | 244 | 狂平 | |||||
1 | 夜間でも紅葉輝く永観堂 | 零風 | だいご | |||||
1 | 立冬や泥人参の玄関に | 晶子 | 和泉 | |||||
私の選んだ一句 | ||||||||
霜凪を一気に乱し鳥の発つ | 優美 | 「しみ通る世界とその争乱の景 見事です。」(小自良) 「いわずともですが、芭蕉の山寺の句が。」(しおみ) 「凪の静と鳥の羽音の動が良い対比に思われます。 勝手に大きな鳥を想像しています。」(和泉) |
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登校の子等の声澄む霜の朝 | 244 | 「早朝に集団登校で元気な子らの高い声がこだまして寒い朝も1日のスタートにうれしくなります」(ちあき) |
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きぬぎぬのわかれかなしやしものはな | 狂平 | 「七七と続けたい」(可不可) | ||||||
霜の朝踏み行く子等の声高し | 春雪 | 「初霜の朝でしょうか。子供たちの声が弾んで聞こえるようです。子供は風の子。寒さに強いですね。」(優美) | ||||||
一群れの草霜のせてかがやけり | いくこ | 「朝の光をあびて露がキラキラ輝く様子が目に浮かびます」(七海) |
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踏めば鳴く人見おくりて霜柱 | ゆき | 「踏みたくなるのですな 霜柱は」(おさむ) | ||||||
物干しの勝手ちがひて今朝の霜 | だいご | 「主婦の微妙な生活感覚に!」(弓子) | ||||||
赤土がかすかにはじく霜の息 | しおみ | 「もう一句好きな句があって迷いましたが霜の息 という下五に惹かれ♪ ました。霜の花ならではの繊細さをよく表現されてお上手です。」(あきこ) | ||||||
安堵する妻の寝息や霜の声 | 静歩 | 「頼りになるお方が傍にゐ安心感で奥様の寝息、良い雰囲気ですね〜」(ゆき) | ||||||
一夜明け一面霜にハイネになる | ちあき | 「霜は何年も見たことがありません。でも架空のことのような、『ハイネ』が出てきた面白みを買います。ハイネの関連した詩があるのかしら。」(晶子) | ||||||
わが窓の灯火ひとつ霜の夜 | あきこ | 「しばれる夜我が家に帰る情景でしょうか。」(いくこ) | ||||||
諦めも許しの一つ冬隣 | 七海 | 「春や夏には許せなかったことも秋深くなって心の整理がついたのでしょう。人は忘れることも幸せの一つかも…」(和泉) 「四季を生きる人の姿」(可不可) 「『知働けば角が立つ』ですね、諍いは疲れます」(ゆき) |
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小春日やせめて老躯の三千歩 | だいご | 「頑張って!三千歩」(小自良) 「散歩日和ですね。可能なかぎりの歩ける幸せをいつまでもと思います」(ちあき) |
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散るもみじ吹かれしままに転がりぬ | いくこ | 「動視線が印象深い」(可不可) | ||||||
近況の葉書伸びやか十三夜 | 七海 | 「気持ちの良いお葉書いただいたんですね、良いですね。十三夜の季語が生きていると思います。」(あきこ) 「作者には申し訳ありませんが、今年はお月見の当たり年だった感懐が先立って、句意無視になりました。」(しおみ) 「良いお便りの模様、返信も良い便り、ですね」(ゆき) |
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ひとひらの栞の記憶初紅葉 | あきこ | 「ひとひらと言うには 葉っぱが栞 それも紅葉で」(おさむ) | ||||||
忘れたる洗濯物や秋の暮れ | 西寿 | 「忘れっぽくなった老年、お互いのなすくり合が句に昇華。もめ事は当家私事です。」(しおみ) | ||||||
公園に一人座したる秋の暮れ | 西寿 | 「こんな時もありますよね、作者は男性?」(七海) | ||||||
気の急ける釣瓶おとしの小買い物 | ゆき | 「小買い物がいいね!季節を感じます。」(小自良) 「本当に外が暗くなると気を揉みます。主婦として実感です。」(優美) |
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木枯らしよ遠慮無用と仁王立つ | 和泉 | 「力強いですね・・・自ら励まし木枯らしに抗ってみると元気がでますよね!!」(ちあき) | ||||||
秋刀魚焼く塩ひと振りす男の手 | 優美 | 「なんだか秋刀魚も男性に焼かれて嬉しいのでは。美味しそうですもの。」(あきこ) | ||||||
手ながれのうまし板場や菊鱠 | ゆき | 「段取りよく調理されていく材料。無駄のない動きは流石にプロですね。菊膾か・・・もってのほかは大好きです。」(優美) 「手ながれ、の意味不明ながら菊膾の語感に!」(弓子) |
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ふと足をとめて風きく冬の雨 | まさき | 「何となく静かな趣が心引かれます。冬の雨は淋しいです。」(晶子) | ||||||
駅二つ小春に酔ふて歩くかな | だいご | 「いいですね、陽気にさそわれて軽やかに。」(七海) | ||||||
こしおれをわらうあれののあきざくら | 狂平 | 「出句された方が分かって居たのかしら?あれののあきざくら と全て仮名で書かれたのも面白いです。」(晶子) | ||||||
霜月や今日は良き日よ訃報なし | 和泉 | 「友の訃報もなく 恙なく過ごせた日 己も健康」(おさむ) | ||||||
それぞれの茶室異なる寺の秋 | 春雪 | 「穏やかな写生句に!」(弓子) | ||||||
立冬や泥人参の玄関に | 晶子 | 「我が家でも大根、人参などささやかに作っています。食べきれなくておすそわけしますがその風景かな。」(和泉) |