流離いの霊能力者、わたしは、
何かに憑かれたように棋院に向かった・・・
ヒカルを一目観、佐為の存在に気付くわたし。
「ああ・・千年の歴戦の碁打の霊よ・・・!わたしとぜひ一局・・!」
感涙に咽ぶ佐為。
「死して千年、ようやく藤原佐為として打つことができるのですね・・・!」
佐為との歴史的一局が幕を開けた。
佐為が白、わたしが黒。
打ち始めて、長い時が経過し、終局も間近と思われ・・・???
わたし「・・・盤上が白石ばっかり・・・黒もちょっとあるけど・・・」
佐為「そうでしょうね。」
わたし「わたし、今、白石置いてるけど、佐為も白置いてない?」
佐為「置いてますよ。」
わたし「ひょっとして、わたし、黒だっけ・・・?」
佐為「千年、碁打をしてきましたが、こんな碁は初めてで・・・」
「何時気付くかと思いつつ、面白くて、
つい黙って見ていてしまいました・・・」
わたし「・・・・」
気付いてたなら早く言わんかボケェ!!
無駄に白石置いちゃったじゃないかぁ!!
佐為「わたしも、過去にもこんなに勝ったことはありません・・!!」
そうだろうさ・・・(遠い目)
現実にも、父と打っていて、よくわたしは他人の色の石を置く。
わたし「あれ?なんでお父さん、白置いてるの?わたしも白置いてるよ?」
父「だって、わたしが白でしょ!?
ひとの色の石入れからわざわざ取ってくな!!」
無論、わたしは大負けだが、
まさか千年に一度の珍プレーだったとは。
わたしの碁もまんざらでもないな。
@勝負ごとの夢:負けたほうが、よいことがあります。
『夢占い入門』東京易占学校校長小林三剛著
