所沢の古道 所沢市に残る 鎌倉街道上道 青梅道 江戸道 をたどります。
 
江戸名所図会
図版の出典
「国立国会図書館
デジタルコレクション」
オリジナル版江戸名所図会
天権之部 第十三冊
 なお、明度とコントラストを
調整して裏映りの文字を
目立たなくしています。

「江戸名所図絵」(江戸道)を訪ねる

現在に残る所沢の古道は、江戸道を中心とした近世の物流の道です。
所沢市史の要約を載せます。
 「『所沢市史』往還と市」 要約 
近世初期の所沢周辺では金納が一般的で、農民は所沢で農作物や手工業品を換金し
日用品を購入するようになりました、こうした人の流れが所沢に集まる道を作ったのです。
 また、鎌倉街道を元とする武蔵府中−所沢−入間川・堀兼へ抜ける道も残っており、
加えて川越へ通じる道も付けられました。
 しかし、徳川氏の関東入国後、家臣たちが江戸へ向かう流れが生まれ、合わせて
青梅・飯能辺の石灰を江戸に運ぶ青梅街道が成立しました。
 さらに、所沢は比企の都幾川村や白石村で生産された御用炭の荷馬の継ぎ立て地となり、
 所沢から田無で青梅街道に接続する道が整備されました。
こうして所沢の幹線道路は「江戸道」に変わっていったのです
原文は常体で記述されています。   

 「江戸名所図会」は机上にあって楽しまれた性格があり、所沢の名所旧跡が江戸庶民の物見遊山で栄えたかどうかは疑問が残ります。しかし、
  @「江戸道」が確立している。 A適度に江戸からも離れている。 B途中に「関所」が無い。
 という立地は、手軽な物見遊山の行楽には捨てがたい魅力だったはずです。



八国山・将軍塚
新田義貞が
陣を立てたという言い伝え
から将軍塚と
呼ばれています。


眺望・所沢方面

将軍塚

元弘の碑所在地






曼荼羅淵
日蓮上人から頂いた
自筆の曼荼羅を納めた
故事に由来します。

段丘崖と遊水池で
徒歩でも近づけません。

持明院の境内からの
曼荼羅淵


江戸道と府中道
曼荼羅淵
























江戸道・府中街道
将軍塚・徳蔵寺
「江戸名所図会」将軍塚徳蔵寺
鎌倉街道上道にまつわる故事は「新田義貞の鎌倉攻め」です。
東村山の徳蔵寺から八国山の将軍塚へ道が延びています。
これが、鎌倉街道の第三のルートです。
八国山の麓に架かる橋は「将陣場橋」と呼ばれ、第二のルートの「勝陣場橋」とは別の橋です。
府中道は、第一のルート「二瀬橋」を渡り所沢市に入ります。


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<江戸道・所沢街道>
曼荼羅淵
「江戸名所図会」曼荼羅淵
曼荼羅淵の故事は「日蓮上人の佐渡配流」です。
絵図の左上にもこの故事が記されています。

田無から所沢に入る江戸道と東村山から入る府中道の間に曼荼羅渕はあります。
所沢市に入る直前の石塔群 日月神社の手前で旧道は左に折れます。
江戸道 庚申塔
 久米道との分岐にある山崎の庚申塔
左やま口道(久米道) 右ちちぶ■ 
 駅前のプロぺ通りは小字の江戸道東と
江戸道西の境の道です。
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江戸道と府中道の記述を「新編武蔵風土記稿」から拾います。
青色は北秋津村の江戸道で所沢から秩父に抜ける道。
茶色は府中道から青梅街道で青梅へ抜ける道です。
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「新編武蔵風土記稿」 巻之百五十七 
入間郡之二  久米村
村内に二條の路あり、
其一は江戸より青梅への路にして、
久米川村より入りて 岩崎・上新井両村の間に達す、

一は所澤と北秋津との間にあり、
是は江戸より所澤へ出る路なり、

又古の鎌倉道と云ふものあり
、所澤・上新井二村の間より村内へかゝり
十二町餘にして野口村へ達す、
道幅は今は纔に三四尺なり、
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所沢の古道江戸道「所沢市史附図」
府中道西・江戸道西・江戸道東という
小字名があります。
所沢の古道 江戸道俯瞰図
江戸道が所沢駅で寸断されている
のがわかります。


 








北野天神境内

拝殿

拝殿と本殿




























































































地理院地図
江戸道と青梅街道
および
北野天神参詣道
との接続




<江戸道・青梅街道>
北野天神
「江戸名所図会」北野天神
北野天神は延喜式内社の物部天神社でしたが、後に京都北野の天満宮を分祀
したので関東第一の北野天神社となりました。
源頼義・義家父子が奥州征伐の折、宿願により総社殿を建立したと伝えられています。

古戦場の小手指ヶ原にも近く、その縁起も十分で
名所図会に取り上げられたのも頷けます。

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所沢の古道 江戸道と青梅街道の接続
所沢宿をパスする江戸道(紫)は、二瀬橋で府中道(緑)と重なり、クロスするように
長久寺へと分岐します。
その後、江戸道は青梅街道への最短距離のルートをとります。
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長久寺門前
鎌倉街道 長久寺

鎌倉街道と同じように墓地に沿って右へ折れます。

直進は鎌倉街道です。江戸道は左折して段丘沿いに登ります。


南陵中学校と所沢高校の敷地に
二度寸断されます。
 
 
この先は立入禁止です。


 永源寺に下り、弁天池の先で坂を上ると
江戸道が復活しています。
 
現在は写真よりも道の部分が
少なくなっています。
西所沢駅の大踏切前で県道を渡り、駅の南側を進むと
中央に [坂東一北野天満宮](嘉永二年)と刻まれた道標のある二股になります。


所沢の古道 江戸道と北野天神道の分岐
左側面 「従是北野十七丁」・・・北野天神参詣道
右側面 「
三ヶ嶋 青梅道」・・・江戸道

 北野天神参詣道
左側面 従是北野十七丁
   江戸道
右側面 三ケ嶋 青梅道
[梨の木戸]交差点

464号線に寸断されます。
参詣道はバイパスを横断します。
  2  [普門院門前]
所沢の古道 江戸道 馬頭観音
馬頭観音
左 青梅 三ヶ島みち
[県道合流点]
 
梨の木戸交差点を越えて直進後
県道所沢青梅線と合流します。
   3  [大六天北]
所沢の古道 江戸道 馬頭観音
馬頭観音
西 青梅 南 江戸 東 所沢
[小手指南]交差点
 
合流後は北野天神まで
平坦な道が続きます。
  4  [北野保育園]裏
所沢の古道 江戸道 馬頭観音
馬頭観音
左 青梅三ヶ嶋みち 右 川越道
 [北野天神前]バス停

バス停のすぐ隣が参道入口です。
初詣では多くの参拝者が訪れます。




  5  [小手指駅入口]

東川左岸の崖を斜めに登り
青梅街道と合流します







北野天満宮に奉納された神馬です。
全身木と藁で作られています。














山口観音境内

七福神堂

開山堂

義貞霊馬堂














江戸名所図会案内図


江戸名所図会
来迎寺
車返しの古事


山口の岡












八王子道
五日市道
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<八王子道・山口道>
山口観音
「江戸名所図会」山口観音
天明〜明和年間に開創した狭山観音霊場の第一番です。
本尊の千手観音は33年に一度しか開扉されない秘仏です。
「山口観音」は通称で
五庵山金乗院放光寺が正式な名称です。

山口観音
柳瀬川の支流、長峰川の源頭に本堂・五重塔・開山堂・七福神堂など
多くの堂宇が配置されています。

山口観音
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八王子道山口道部分
所沢宿を出て山口の谷に下ると、柳瀬川にそって多くの寺社が続きます。
その寺社をつなぐように八王子道が延びています。
 瑞巌寺 狭山三十三観音
1 瑞岩寺
山口城の城主山口一族の菩提寺です。
狭山三十三観音霊場 6番
勝楽寺 狭山三十三観音
2 佛蔵院勝楽寺
湖底に沈んだ勝楽寺村から移転しました。
狭山三十三観音霊場 2番

3 来迎寺
本尊の阿弥陀如来は「車返しの弥陀」
「江戸名所図会」にも掲載されています。
勝光寺 狭山三十三観音
4 勝光寺
市内で唯一の臨済宗寺院です。
狭山三十三観音霊場 5番
証智庵 狭山三十三観音
 5 証智庵
仮屋に十一面観音が安置されています。
狭山三十三観音霊場 4番
六斎堂 狭山三十三観音
6 六斎堂
石造の本尊は聖観音です。
狭山三十三観音霊場 3番

9 金乗院放光寺 山口観音
山口観音 裏観音
本堂の裏に回ると「裏観音」を小さな穴から拝むことができます。
目が慣れると、
暗闇の中に燈明で照らされた姿が浮かび上がります。

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<八王子道>
勝楽寺
「江戸名所図会」勝楽寺
辰爾山佛蔵院勝楽寺 狭山三十三観音霊場の第二番
本尊は十一面観音
百済から渡来した人々が勝楽寺聖天院を建立したのが始まりです。
十二坊を数えるほどの霊場でしたが、戦乱により焼失しました。
再興は江戸時代の元和七年1621です。

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山口貯水池に沈んだ大字勝楽寺大坊から山口に移転しました。
 境内には勝楽寺から移設した石塔や石仏が数多くあります。
[1] 馬頭尊 [2] 馬頭観世音菩薩
 右 村山 砂川 八王子
 北 三かじま 扇町谷
 左 山口 小川 ふちう
   武州入間郡勝楽寺村
 川越道 東 三ヶ嶋道
 八王子道 南 五日市

 箱根ヶ崎 西 青梅道
  武州入間郡勝楽寺村講中
[3] 百番三山供養塔 4 愛宕地蔵
 右側 飯能川越扇町谷三ヶ嶋
 正面 所沢 府中 江戸
 左面 村山青梅五日市八王子
  武州入間郡勝楽寺村
  百番同行中 
将軍地蔵宝珠錫杖騎馬像
武州入間郡勝楽寺邑佛蔵院現住
本願主傳燈大阿闍梨
法印傳翁

佛蔵院本堂
佛蔵院本堂
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