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2004年3月27日 石川 初(はじめ)さん と建築あそび 記録   

お仕事 GPS  造園   造花  枝垂れ飾り  庭が生まれる 都営スタイル 

私性のために  
我が家の庭   新聞の紹介記事     

3月27日快晴である。1週間ほど冷え込みが続き 庭の木蓮は蕾を割ったまま どどまり 開花停止だった。今日は暖かくなり、8分ほどに開き、ユラユラ 妖艶な様で仄かな香りを 漂わせよわせている。昼過ぎに高田の馬場を車で発った、ゼロスタ主宰・松川昌平さん運転の車は着いた。藤村龍至さんベラ・ジュンさん田中浩也さんが車から降りた。今日は年に一度の地酒・新酒・生酒(通にしかわからないかも)を楽しむ日でもある。

石川初さんはお酒は呑めないので、純米・大吟醸の酒粕を特別注文して手に入れ、漉して作った特性甘酒を準備してあるのだ・・・石川さんは4時20分頃福島駅に着いた。サポータkチャンの車で迎えにでた。深大寺蕎麦をお土産にいただく。深大寺か〜懐かしい響きだな・・。石川さんは深大寺そばにお住まいとのこと。黄色いシャツ着て首から下げたGPSが 今までのゲストとは異なるいでたち。家に着き早速 記念撮影をすませ、作り置いた甘酒を飲んでいただく・・
                       
同時 講演予定であった 藤村龍至さんベラ・ジュンさんの建築・話をすませ・・一旦 宴会に突入して腹ごしらえ、血の気を 胃袋に集中させたところ・・・・の石川さんの講演準備が始まっている。・・・シーツに写された都 市風景の前に立ち上がる石川。台所の方で調理の音、会場での雑談の声。石川 講演用の椅子に腰掛け PCを眺める。聴衆は席取りに動きだし賑やかな様・・

               
j そこ行きたいの・・
y じゃ行けばいいじゃない・・足が短いからだめか・・
  膝掛けを石川に差し出す佐藤

石川初(以降i) あ・・ありがとうございます

s 寒いでしょうから・・これで延々としゃべれますよね・・寒いって言い訳させないように・・毛糸で編んだ膝掛けを石川にかけるさとう
 
myt お茶を準備して

s お茶を入れてあげて・・石川さん呑みながらいきますか・・

i 呑みながらいきます

s 次に来ていただくためにサービス精神発揮してと・・お茶を差し出す 
大きな声で・・はじまるぞー・・そっち作業やめて!・・と台所に向かって叫ぶ
ハイ入れます・・とお茶を入れる・・

i ありがとうございます、いやまいったなー・・照れくさそうな仕草をする

s 参ったといっている石川さんを撮って、はやく・・デジカメで・・
 デジカメ取材班に指示をだす佐藤

森本 森本あわてて、デジカメをもってたちあがる・・ああ・・

s まだだいぶかかる・・台所にむかって調理の準備状況を聞く・・そっち明るくない方がいいもん・・

k いいよ・・台所の方から 準備が出来たような返事がある

s 今日のメーンイベントである、石川さんのお話を伺いたいと思いますので、皆さん拍手!!・・・
 会場からかけ声・・よぉ〜・・賑やかに・・なにやら観劇鑑賞会場のよう・・・
 

石川さん軽く自己紹介からはじめていだだければ・・
 
i      えぇと・・石川と もうします・・
          少々緊張気味である・・
 佐藤さんとは六本木ヒルズのオープニングの展示を手伝いしたときに、その打ち上げの呑み会で初めてお会いして、それなんんか以来いろいろ声をかけていただいて、さいさんお誘いをいただいたんですけど・・。今回は覚悟を決めてきたんですけど、こんな場で・・あの・・建築家の皆さんを前にしてお話するような内容じゃないんで、どうぞ・あぁの・・・余興ですから・・・・

 石川の緊張振りに 会場 笑い

余興ですからご笑覧ください。

m メーインディシュね・・!
    会場 笑い
i いやいや
   石川 松川の掛け合いと反応に・・会場 大笑い

i 大学は東京農大の造園学科を出まして、外構とか造園の設計をやってます。造園の分野で珍しいんですけど、就職先はゼネコンKjの設計部のランドスケープデザイン部というところに入りまして・・。造園のなかは なかでコミュニティーがあるんですけど、その中では一寸変わったポジションに行ってしまいまして、ゼネコンの設計部の中の少数の造園部門・建築の海の中に投げ入れられてですね・・随分 建築の人の見方とかですね 勉強しまして、造園の中でも少し普通じゃない仕事の仕方をしている部分もありますし、逆に建築の人と接すれば接するほどですね、造園のポジションみたいなものを 意識的にとらないと いけないような局面に立たされることもあって、ほどよく距離を取ろうとしつつ、いろいろ建築の事を気にしている。拝見させていただいているような感じです。

あの・・つっこみとかヤジとかお願いします・・

   佐藤 笑う

あんまりシーントして聞かれても どうしていいか分からなくなってしますので・・

  会場 笑い

佐藤さんとかにも 僕が普段どういう仕事をしているのかを、ほとんどお見せしたことがなかったので、チラットだけ、どんなことをやっているのかを お見せしようかと

     

コンペで取りました・・ある設計事務所のお手伝いと入って、内容を考えてコンペでその担当を僕がやってました。こんな感じです。
 ここはグランドだったんですが、そこを百年記念広場といいまして・・京都の大学の・・キャンパスというのは芝生の広場を作ると、ヘビーな使われ方をして、直ぐ芝が禿げちゃうんで、今回 予めゴムのチップを播いておいて、その上に芝は育って、人がその上を歩いても芝が保護されるという 変わった植え方をしまして、芝が少し顔をだしましてます

           
            
 これはK日本橋ビル。kのテナントビルの屋上庭園です。
          
             
最初は囲われたガーデンのような場所が提案されていたんですが、せっかく屋上なんだから街の風景が見えるテラスのようにしたほうが、よりこの屋上を楽しめるんじゃないでしょうかと提案をしてですね。こういう

             
 kさんに打ち合わせに行くと、打ち合わせコーナーに自動販売機がズラーッ 並んでいて全部ついいるんですね。「ご自由におのみ下さい」・・とかいてあって、それは非常によかった・・

会場 大笑い

僕も家に一台欲しいなと思っちゃって

会場 hosii ほしい 爆笑

m これは回りが完全に屋上だけですか

これは屋上だけなんですね。全体を50センチ人工土壌で持ち上げて、デッキの部分だけは浮いてるというか 飛んでいるんですけど、それ以外は土を入れて・・その方がポット状態にスルよりも、トレンチ状態になっている方が、木が長生きするというのがあって・・

            これが3年後なんですけど
会場・ほ・うん・・

造園て出来たては こうなっちゃうんで・・スライド戻る

僕らはいつも2〜3年してから 竣工写真というのを プロジェクトの写真を撮りに行くようにしています。

m へぇー

やっぱり2〜3年しないと・・例えば 下に万年草というのを播いて黄色い花をさかせて、そのにエゴの木を立てるというのをデザイン・・計画しているわけですけれど、出来た当時はいきなりは出来てこないんですね
              
建築と違うところがあるとすると一寸 時間がかかるというか、・・マチュアーになってからの方がイイ写真が撮れる。

            

これは大変・・お客さんが気に入ってくださいましてですね、凄くよく使ってくれているんですけども、余りに気に入ってさっていて、夏なんか ここでビアガーデンのように、ビールを飲んでいる。

佐藤笑い

               
こんな思わせぶりな、ベンチが役にたたなくて白いプラスチックのベンチとテーブルとkのロゴの入ったアンブレラみたいなものが本当はバーットあってですね・・全然雰囲気は違うんですね。今回 写真を撮るためにわざわざ片づけてもらった

会場 大爆笑

写真撮っていると寂しいんで、サクラで人を・・

会場わらい

意味のないこういう使い方は・・あんまりしてくれない

               これはkjのビルの屋上庭園です。10年前の写真ですけど、kjの自社ビルが出来た当時というのは屋上を庭園にすること事態が、結構珍しかったんで、こういうやり方でやったんですが・・10年前ですんで、植物が非常に造園的というか・・公園に近いような植物を一杯使ったんですね。10年経ってこんなふう(下 真ん中絵)になったんですね
   
佐藤笑

かつ ドレーンとかメンテナンスが出来なくなってしまって、このままでは一寸・・植物だけのリニュアールというのをやることになりまして、僕が担当させてもらって、好きなモノを植えていいということになって、
  

   
普通あまり 造園には使わないようなもの を一杯使いましてですね。稲科の・・グラスと呼んでいるんですけど草の・・宿根草の類なんですが・・第一号で使ってみました

          
            
やってみると都会の風景と 
 
佐藤 笑い

草のなんともいえない野性的な感じが逆に面白いなーと・・

    
 これなんかは日本にはあまり無くて、カラマグロス・・このためにオランダから輸入してももらったものなんです。

    
これはコルタ・デリア・デボアールというのの(わいせい種)で・・
造園の人達だと・・ここでオォとか言う・・

会場 笑い・・オウォオオ・・ああ・・無理に盛り上げ上と演技する観客

m これはメンテナンスしやすいとか・・
 
いいとですね。春先に全部一回 地面まで刈り戻すんですね。今頃やるんで。一度0にリセットされるんです。1年かけで伸びていって夏終わりから秋にかけて咲いていく。丁度 田んぼのサイクルに似た みたいな感じです。1年に一回刈ればあとは放っておけばいい。さっきのツツジやなんかよりメンテナンスが楽なんですよね。
          
ただ ま〜こういうのを良いと思ってくれるお客さんじゃないと・・、マンションの植栽を管理している造園屋さんが雑草だと思って抜いて行っちゃう

会場 笑い
         

これも雑草が生えてくるので、まずインストラクションをしてからメンテナンスをしてもらわないといけないという欠点はあるんですけども。

   
これは新潟のリゾートホテルの庭で、割と大規模な処にいまみたいに 宿根草を使ってガーデンを造ったと。これも結構受けまして、ここでウェデング とかやってくれてて、非常にそういうのを見ると・・こういう牧歌的な仕事もしている

           
次の話は、東京西部にある、施設のリニューアルの計画でして、全体計画のお手伝いなんかもすることもありますが・・これが・・森本君が知ってますけどバイトしてまして・・

森本・・あぁ・・お金出てないので無給です

あそうか・・

会場笑い

バイト料払っていかなったんだっけ

森本 交通費だけ頂きました

会場笑い

そういう学生を搾取するような

会場 笑い
               
造園って・・建築みたいに 色んなきびしい機能や法規の要求から物事が組み立てていくみたいなところが少なくて・・なんか作るときも・恣意性が高いというか、なんでも有りみたない・・もう一つは「自然な感じにしてね〜」とかいうような・・

佐藤 笑う

そういう要求があったりしてですね・・「自然ってなんだろう」・・なにもとっかかりが無いときに、「2ヘクタールの広がりを

会場 わらい2ヘクタール

一体どうするんだ」ということを考えなくてはならない。で 人それぞれやり方違うんですけども・・僕なんかは、敷地図のスケールをドンドン小さくしていってですね、廻りのものを入れてみて考える。そういう習慣があります。

この施設をやるときに・・じゃー「多摩丘陵ってどうなっているんだろう」っていうのを考えて、で・・実はこの施設はこの尾根の緑の連続の最後の要になっていて、この施設が頑張んないと、この連続性は失われる・・みたいな(微笑む)
            
会場微笑む
              

そういう話を紡いだんですけど。東京でいう・・丁度このあたり、多摩ニュータウンの・
                
・これは10m等高線で色分けして、地形を出したんですが・・多摩ニュータウンがいかにもの凄い造成をしたかというのがハッキリ分かる。

多摩丘陵は北の方は多摩ニュータウンにやられて、南のこのあたりっていうのは東急の田園都市開発が・・

s 一寸でも役にたつように箸をだそう・・すみません、箸2本つなごう 

I いいいい・・の話と 佐藤の行為がごちゃ混ぜになる・・

娘 いいよ

このあたりダケは多摩丘陵を横断する緑地が残っているんですね。
 
東京都全体の現況植生を調べたものなんですけど、このところだけ緑が残っている。これは施設の地点から何処が見えるかというのを計算したカシミマップなんですけど。
              
赤い線が富士山の方向で

s一寸長くなりました・・と箸をさしだず
             
はいハイ・・これは多摩丘陵の開発がはじまる前の土地利用で、緑が森林・林でコレが農地でオレンジが人が住んでいた

             
会場オワー・・
二千年にはこんぐらいしかない。この連続っていうのがほとんど途切れそうなんだけど、「この施設だけが頼りです」みたいな話をした。

  ここを昔 施設が来た当時の航空写真というのを入手して、それと 今のヤツを見比べるとですね、元から有った植生と、施設が出来てから、大きくなったり この人達が植えた植生が区別できるんで、
 
これは昔の地形図から・・・施設の来る前の現地形を書きまして。それに対して今どういう風になっているかを書きまして。

これは植生の評価とか・・こういうストーリーを作って・・

               
こういうスケールで見るとこうなっています。みたいなふうに話をする習慣が 僕らはあります。仕事柄というか・・僕自身の傾向でもあるんですけど、なにか計画したり作ったり提案するときに、もう一寸周囲の処から話を組み立てて行くみたいな。

もともとなんか「自分が いま・・どこにいるのか・」「地図上の何処を歩いているのか」「地形でいうと何処を僕が歩いているのか」「どこに居るのかどういう位置に居るのか」ということを非常に気にする・・いつもそういう事を「知りたい」というふうに思ってデスね。

  講師自身の追加 解説へ 
  

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