大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

  福井一朗 さん ことば閲覧 2008年 5月17日夕方 MILBOOKSにて 
 その01 その02  その03 

  その02 15分14秒〜 25分 24秒 

佐藤:30年とか長く持っても ガウディだったら300年ぐらいもつかもしれないけど こいつら相当 永いですよ生命力は 中性紙じゃないから 赤くなっちゃっているのもあるけど  
福井:この辺 70幾つの方から買ったんで 戦後間もない頃の 
佐藤:この背表紙だけみてても時間の経緯 木の性質が縞状にみえて タイトル見なくっても 色のバリエーションがおもしろいですね これ風化の芸術じゃないですかね 30年とか 50年経たないと作品が出来ない この良さは分からない 観察し続けないと 

福井:同じ本でも 全然違いますしね〜 今出てる物と 
佐藤:そうなんですよね それで旅の途中であると 論文はいずれ書くと直感的に思いましたけど ああこの人は最終的には論文かくだろうな〜と 思ったけど 
福井:かかなかったんですよ

佐藤:これから書けばいいじゃないですか 
福井:なんかね〜そん時までに しっかり勉強してテーマ決めてれば 書いたかもしれないけど ふふふふ 
佐藤;それは騙されているだよ しっかり勉強しなくっても書いちゃえばいい 
福井:はは 
佐藤:しっかり勉強するっと言うのが トリックですよね 

福井:いや何かね タイミング良く と言うか悪くと言うか 古本屋から誘いが来たんですよ うちで働かへん みたいな 
佐藤:なるほど
福井:はははは そのバイトで プラプラしている 時に そんな事しているならチャントうちで働かない みたいな 
佐藤:迷い込む場所が古本屋と言うのがいいよね 
福井:新刊の世界だと

佐藤;これは役立たずの世界やから 
福井;圧倒的に古本屋 の方に魅力感じてましたからね〜 ふふふふ 
佐藤:脱権力した 社会だから 新しい本を出すというのは権力とセットだから  お金がないと出せないし  古本は脱権力されちゃってるからね それを並べ直して 見せるというのはとても 重要な 観察社会のよい例 観察しているわけですよね

福井:まあそっちの世界 に入ったら またそれがね〜楽しかったんですよね〜
佐藤:それは楽しいに決まってますよ 身体的な世界じゃないから いろいろ時間も横断出来るし 
福井;それまでも古本屋 廻りはかなりしてたと思ったんですけど 裏の世界を見たって感じで ふふ 

佐藤:たぶんこっちの世界の方が本当だと思うけど 古文書とか観て 数百年前の古文書 和紙に墨で書いてあるから  この洋書のような感じに成らないじゃないですか 崩し字だから日本語なのに読めないだけで あれよめちゃうと もの凄いおもしろいですよね と言うことは崩し字とか読めるって言うことですよね

福井:古いのは どっちかと言うとさわりぐらいで 今はね 離れたいるんですけど 漢詩の方の 勉強とかは してた
佐藤:崩し字ではなくって中国の 
福井;そうですね やっぱり 段々古くなって 行くと 明治とか江戸末期とか になるとどうしても 漢詩の文献読めないと いけないんで

佐藤:昔は 英語じゃなかったんだものね 
福井;そうなんですよ 中国 向こうが大国ですから ふふふふ 
佐藤:最近は英語が中心になったけど  昔は漢詩ぐらいかけないとね 
福井:最近の日本語は横書きばっかりやな〜と ほほほほ 思っているんですけど
佐藤:日本人らしいよね 中心の所をい ただいて 融合して 漢字交じりの英語混じりの文章は いいと思うんだよね それが日本らしいと言うか 平仮名もあったかどうだかしらないけど 漢字は中国からの輸入だから 明治当たりの インテリと言ったら 漢詩かけなきゃ いけないんでしょう

福井:そうですね 
佐藤:英語で詩を書いているインテリいるかどうか分からないけど 聞かないね 知識人と言うのは漢詩かけたわけだよね 
福井:昔の文人は 
佐藤:それが普通だよね 詩ぐらい書けよ 英語で会話したり 論文書いたりするだろうが 論文じゃね〜 人間的な感情を刻印するには 詩ですよね 

福井:みな漢詩やってましたからね 
佐藤:英語の俳句を一句つくるとかね 日本人なら英語で俳句を作ってほしいよね
福井:なにか普通に 昔の人の 漢詩いろいろ 勉強してると まあとるに足らない事を 書いているんですよ 今日何に食べたみたいな ははははは
佐藤:それを漢詩で書くと 
福井:はははは漢詩で書く
佐藤:俺の日記みたいに 今日は福井さんい会いましたと 漢詩で書いているだけ 

福井:それが結構おもしろくって 
佐藤;それが時間が経つと大層文化的な行為のように見えてしまう とにもわらう オモロイことになる 時間をおくというのが 時間とうのもある種の権力なのかもしれないね 時間に晒すと見えてくると 言う事はね 
福井;そうですね 
佐藤:なにか不思議ですよね なんでも無いものを時間を掛けて 記録を残したから俺たちの頭のなかに そう思ってしまうのかも そこはまた難しい ことでけどね 

福井:本当にケイタイでしか文字読んでないとか 聞くとね 〜 ははははは 
佐藤:そうそう 校正無しで 文字起こしするじゃないですか 見せると えーええって 戸惑いを感じる人が多い 面白がったり 色々な反応が起こるけど 言葉と文字は相当違うけど 自覚して日常使い分けて居る人は すくないです よね 自分の日常の会話を 全部文字にしてみたらどういう事が起きるかと 

福井ふふうははははははは 
佐藤:これが意外にね 江戸時代の人が 腹へってますね〜と 言っていたかどうか分からない し 
福井:ほどんどそう言う感覚 ですよね        
佐藤:わかるけども 今生きてる人が江戸の会話 言葉は聞いてない 直後 無くなってしまうから とりあえず文字にしておいて ネットだとデータ量が 幾らでも入るし 文字データは写真デターに比べたら圧倒的に小さい からね
福井:そうなですよ 
佐藤:50KBだと文字がもの凄い量になる 
福井:たいしたもんじゃないですものね ちょっと書いたって 

佐藤:昔なら墨摺って 紙買ってきて そう言う行為を伴わないとアウトプットして置けなかった。今は電源入れて キーを叩けば あっという間に 世界を駆けめぐる キー打つ時間だけですむしね 今回のことば閲覧ことば紀行 の 場合だと多量に文字起こししなければいけないだけ 

福井;ふんふんふん
佐藤:その違いは 自覚的でありたい 誰の言葉でも文字に起こしやろうみたいな
福井:ふっふっふふ へへへへ 
佐藤:建築作っている場合じゃないと
福井:はは 作ってくださいね 
佐藤: つくるけど でも両方やらなければ成らない というのが俺の ね 建築の仕事が無い時に 「仕事がない」と しょぼくれてる場合じゃない ですよ。言葉や本だって建築なんだから これこそが建築なんかもしれない

福井;家建てる どうやったら古本屋やっってて 家建てれるなかな〜と 考えてるんですけど 
佐藤:家を建てるには所有すると言う概念が刷り込まれているから 混乱して

建てなければと思うけども みんな自分の家だと 考えてみたら 建てる必要ないじゃないですか そう言っているんですよ 今あんたが設計ししてるのは 俺の家だと 喜ぶ人もいるし 何言っているんだこのオッサンは〜みたいな 人もいるし 所有と言う 登記して貴方の物でしょと言う証明するわけだけど 実際は何の価値もない 不法占拠して棲んでしまえば あんたの所有物ですと登記所は証明していくれるけど 追い出してくれない 出てかなければ俺のものなだから

福井:はははは 
佐藤:それは刑法の犯罪だけどね 犯罪とすれすれの境界を観ることは大切な建築家の行為です 意識的に建築家はそこを越境して行こうじゃないかと 俺の挑発であるわけですよ 過激なんですよ 
福井;過激ですね 

佐藤:ここが俺の家だと言い張って 
福井:ははっはは 
佐藤:そういう事言い張って 本当に泊めてもらってしまう 「本当に泊まっていったよアイツ〜」 やる人いると 違和感とか そこで笑えたり フックを作って歩いてるだけなんだけど 頭の中でぼんやり考えてるけど それを行為したり。本にしたり建築として作ったり することによって 過激な概念が 理解されていくというか 知られるというか  文字のばあいは概念そのものだから 後は読み手の想像力に 任せるけど  建築家は残念ながら 建築的権力は実際に 存在してるので 作ると そこに建築的権力は立ち上がってしまうから それを逆使いして 行くよ と言うのが俺の考え なんだけどね わらえるでしょう そこを意図的に横断するのがいいのであって 近代の行き詰まった圧迫感が それでしか解消できないのではないかと 俺のおもいです ね  福井さんの様に古本屋をやっていると ほとんどが近代の本しか埋まってないんだけど ここに古文書とかが埋まってくるとさ〜 そうとう明確になるよね 
福井そうでしょうね 
佐藤:ここ150年位の間は異常な時間だった分かってくるでしょうね 

福井;まあそうですね
佐藤:異常だよね  
福井:変化のしようも激しすぎるしね〜   

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