近つ飛鳥風土記の丘・その二  2006.夏
 

近つ飛鳥風土記の丘の顔

もし、みなさんが近つ飛鳥博物館に行こうと思われたなら、あべの橋駅から近鉄河内長野線の喜志駅(25分)で下車し、阪南ネオポリス行きのバスに乗って終点で降りると便利です(約15分)。

博物館の正面玄関は太子町側にあるので、こちら側はいわば裏口ということにになっているのですが、私達の町{阪南ネオポリス)の方から行かれることをぜひお奨めします。というのも、風土記の丘の駐車場から博物館への道には桜や梅がいっぱい植わっていてアプローチがとても素敵なんです。

車で来られる方はカーナビで「近つ飛鳥博物館」と入力すると太子町側にある駐車場へ誘導されてしまいますので、「近つ飛鳥風土記の丘」と入力してくださいね。


さて今回は、この近つ飛鳥風土記の丘の顔、一須賀古墳群をご紹介しましょう。
トップの写真は古墳公園の中で一番大きい45号墳です。玄室4,1m,幅1,8m,高さ2,1m。私たちは散歩や買い物帰りにいつもこの風土記の丘に寄って写真のように古墳の上に座って空を見ながらボッ〜としています。

春は桜が満開ですし、夏は蝉やトンボ、チョウチョを追って走り回る子ども達の天国です。ここは一番のお気に入りの場所なので、時にはこの石の上でのんびりお弁当を食べることもあります。ただし、この45号墳はもともとこの一須賀古墳群=風土記の丘にあったものではありません。すぐ近くの寛弘寺古墳群からの移築なのですが、駐車場から博物館への道程に、まるで古代からここに存在していたかのような大きな顔をしていつも私達を迎えてくれます。

この近つ風土記の丘古墳公園は入場無料の上に犬の散歩もOKです。早朝は阪南ネオポリスの町の人たちの体力つくりの散歩コースとして、夕方は愛犬家の散歩コースとしていつも賑わっています。



近つ飛鳥風土記の丘

近つ飛鳥風土記の丘は、29haの広さをもつ史跡公園です。園内には6〜7世紀に造営された102基の古墳が公開されています。

今回は上記の案内図の赤い矢印にそって園内を歩いてきましたので、道沿いにあるいくつかの古墳の写真をご紹介したいと思います。

まずは管理塔からアスファルトで整備された園内の中央の道を通って、最深部のK支群とL支群へ行きました。そして古墳の真上に掛けられた橋の上から古墳の内部の様子をうかがえるJ支群。次に第一展望台、第二展望台、そして近つ飛鳥の古墳公園では最大級の石室を持つD4号古墳を目指しました。


所々にこのような看板が。皆さんコースをはずれて草むらへは入らないように気をつけてね。

 
最深部のL支群のL4号墳
K支群からさらに山道を50mほど進むと行き止まりにあるのがL支群です。このあたりの古墳は他の園内の古墳とはちょっと雰囲気が違っているような気がします。いざなみを追って黄泉の国に迷いこんだいざなぎに出会うかも?

この二つの古墳はあとでご紹介する園内最大のD4号墳につぐ大きさだそうです。L4号墳からは渡来系氏族に特徴的なミニチュア炊飯具形土器が出土したとのことです。


K支群、K9号古墳
この辺りは樹木が伐採されていて、眼下の河内平野が一望できます。ここには調査された4基の石室があり、K9号墳は直径17mでその中心的存在。

 
J古墳群
古墳の真上に橋が掛けられているので、上から横穴式石室内部をみることができます。

この近くに露出していた石にこんな印を発見!(写真右の縦の掘り込み) 古墳を作るための大きな石を割るときに古代人はこうして細い鉄の杭のようなものを差し込んで割ったのでは?

 
園内最大のD4号古墳
径25m、高さ2、3mの円墳。羨道長さ5、8m,幅1、5m高さ、1、6m。玄室(奥室部)長さ3、9m、幅2、5m、高さ3m。

中には石棺、木棺など4体以上が埋葬され、金銅製飾り金具、かんざしなど渡来系の特色ある遺物が副葬されていたそうです。

真っ暗な奥をおそるおそる覗くと、天井に写真のような生き物が! フラッシュを焚いて写すとカマドウマがいっぱい逆さまに張り付いているのを発見。気持ちが悪いです。

玄室の中はひんやりして天然のクーラーだけど、やっぱりちょっぴり怖い感じがするというのが正直な感想。今度行くときは懐中電灯を忘れずに持って行
つもりです。

  
園内にはアスファルト舗装された道や手すり付遊歩道、三角形の石を敷き詰めたデザイン的な階段など変化にとんだ道が整備されていて家族連れで楽しく散歩感覚で古代にタイムスリップできるようになっています。

この三角もようの階段は、蛇の鱗をかたどった魔よけではないでしょうか。

 
写真左の第一展望台からは古市古墳群の大きな前方後円墳(応神陵、允恭陵、仲津姫陵や河内平野が一望できます。

この日はうす曇で見えませんでしたが、晴れた日には堺市の仁徳天皇陵や大阪湾、淡路島までも見ることができるそうです。これまでに四回この展望台へきましたがまだ淡路島を見ることができません。

第二展望台からは二上山西麓の磯長谷(推古、用明などの貴人、官人層の墳墓が集中して造営されエジプトの王家の谷になぞらえて王陵の谷と呼ばれる一帯)が一望できます。

トイレも清潔に管理されているので安心してね。 →
ただし売店は全くないのでお弁当水筒は忘れずに!

 
その他、色々な古墳。

(案内板より抜粋)
わが国を代表する群集墳・一須賀古墳群の中心部29ヘクタールを史跡公園にしたのが近つ飛鳥風土記の丘です。園内には6世紀〜7世紀前半に造営された数多くの古墳があり、そのうち102基を調査して公開しています。それらは10数基ずつくらいのグループを作って丘陵の尾根ごとに分布しています。そのうちB、D、J、K、E支群が見学できるように整備されてています。風土記の丘の古墳のほとんどは横穴式で石室を人工の盛り土で覆った直径10数m、高さ3m〜4mの円墳で、一部方墳もみられます。古墳のほとんどが破壊されたり盗掘を受けて元の姿を留めていません。金メッキをほどこした耳輪や勾玉、ガラス小玉のアクセサリー、鉄刀、鏃(やじり)馬具、須恵器、その他の出土品は近つ飛鳥博物館で見ることができます。

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