夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その122 発行日 2011年10月23日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 ホームページの更新作業に没頭していたら、夏が終わり晩秋に近付いてしまった。紅葉の季節も、もうそろそろ終わりに近付いている。今週はうららかな日が続いているせいか、まだモンシロチョウが翔んでいた。部屋の中には、嫌な奴のキイロショウジョウバエが入ってきた。ベランダでは、多くの雪虫が死んで、そしてテントウムシやカメムシが飛来してくる。
 どんどん色づいてゆく街に、菊の花が色を添えている。ヒグマも冬に備えて食料を求めて歩き回っている。もう、そこまで冬が来ているのである。
  言いたい放題
 原発の「やらせ」が、北海道電力と九州電力で問題化している。九電では、第三者委員会が佐賀県の古川知事の九電幹部に対する発言がやらせの発端になったと認定している。北電では、第三者委員会が道がやらせに関与していたことを示すメモがあるとしている。
 利潤追求の企業にとっては、利益誘導の行動は、ごく当たり前のことであろう。その行為が不法だと分かっていても、危険を冒してでも企業にとって有利ならば行動するのである。談合も、その実例であろう。そして企業内においては、人件費削減のために経営側は、雇用していることの優位性を悪用して、労働者に多くの理不尽な要求をしている。サービス残業、有給休暇未取得は、経営側からの強制や無言の圧力によるものなのである。それが企業という化け物の正体である。
 知事や道の発言は、企業にとっては公のお墨付きを貰ったようなもので、堂々とやらせを行うことが出来るのである。もし知事や道の関与がなくても企業は、それなりのことを行っていたに違いない。企業には、性善説が通用しないと思っていた方がいい。
  つくしんぼの詩
 テレビでは、自転車の取り締まりについての報道が流れていた。赤信号でも、平気で走り抜けてゆく自転車、走行禁止の歩道を走る自転車など危険な走行が増えてきているのである。このような取り締まり強化は、まだまだほんの一部地域なのだろうが、これからは、どんどん取締りを行って欲しいものである。
 ただ、すべての自転車が悪い訳ではない。自動車、自転車、歩行者にそれぞれに考慮した交通システムを構築しなくてはならないだろう。
  虫尽し
 インドネシア・スラウェシ島中部山岳地帯の森林の小径を歩いていた。鬱蒼とした緑の山々に囲まれた美しい自然なのだが、歩いても歩いても余り虫さんが見つからない。少し開けたところに出ると頭上を無数のトンボが飛び交っていた。
 よく見るとどうもウスバキトンボである。世界の国々で群れて飛んでいるトンボを見ると、殆んどがウスバキトンボであった。そして、そこにはヒメハネビロトンボも混じっていた。“スラウェシらしいトンボはいないのかな?”
  情報の小窓
『確かに、労働人口の三割以上が非正規雇用者となった今は中流幻想すら抱けない、哀れな状況です。経済格差が、結婚や子供の教育面での格差につながってもいます。しかし、そういう社会を批判し、変えていくことをおろそかにして、多くの日本人が今しているのは、一握りの勝ち組とやらを目指すことであったり・・・(省略)・・・。
 これもまた、考える力の問題と大いに関係しているのではないでしょうか。しっかりと目を開き耳をそばだてて広く世の中を見渡し、社会や人間について考えていないと、そのときまわりに流布している浅薄な言葉や価値観に振りまわされ、右往左往してしまいがちです。』
 集英社新書「不幸な国の幸福論」加賀乙彦著

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