夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その133 発行日 2012年10月21日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 北海道の10月らしい気候になってきた。ただ紅葉・黄葉は、まだまだ一部だけで、これからは一気に落葉となってしまいそうである。それでも、まだ日射しの暖かい日には、ハネナガキリギリスが啼いていた。食草が豊富な畑の中だった。普通なら9月初めには、聞こえてこなくなるのだが。
 札幌にも、クズの蔓が這っている。ただ夏が短いせいで、蔓が伸びてきた時点で、秋を迎え濃い紫色の花を見かけることは少ない。今年の長い残暑で、いろんな所でクズの葉と花を見たが、今年の成長は終わり、晩秋を迎えた。
  言いたい放題
 「コメの消費量が減少の一途をたどっている。農林水産省の調査によると、2011年度に国民1人が食べたコメの量は57.8キロ・グラムで過去最低を更新した。総務省の家庭調査でも2人以上の世帯が11年に「コメ」を購入した金額は「パン」に初めて抜かれ、長年維持してきた「主食」の地位が揺らいでいる。」(読売新聞より)
 非常に残念なデータであろう。低い食料自給率の中でも、お米の自給率は高水準を維持してきていた。何故ならば、お米は、日本人の主食であるからである。その主食たるお米の消費が減少すれば、食料自給率も更に低下してゆく恐れがある。単純に主食が米からパンに変わったという事実だけに留まらず、日本の原風景も変わるのである。
 私も、当然ご飯もパンも食べる。齢とともに食も細くなってきて、ご飯を食べるのは夕食だけになってしまった。ただ夕食のご飯がパンに置き換わることは、絶対ないだろう。畦道が続く水田風景を、この日本から消し去ってはならない。食料自給率低下の歯止めには、やはり主食に米を食べるしかないだろう。
  つくしんぼの詩
 「2050年までに60歳以上の高齢人口が20億人を超え、15歳未満の若年人口を初めて上回るなどの予測を示し、今後地球規模での高齢化が急速に進展することを明らかにした。」(読売新聞より)
 特に、日本の高齢化率は、急速に上昇している。そして既に始まった人口減少社会において、労働人口も減少してゆく。もう明らかである。働く意欲のある高齢者の継続雇用の促進、女性労働者の促進、そして働きやすい労働環境の整備であろう。
  虫尽し
 私は、定山渓の昆虫フィールドである2つの林道を交互に歩いている。初めの年、8月に林道の入口付近で札幌では珍しいミンミンゼミが啼いているのを聞いた。毎年、同じ時期、同じ場所で短い期間だけ啼いていた。
 “このままだといなくなるのかな?”と思っていたら、今年は、両方の林道で入口から2kmほど入ったところで啼いているのを耳にした。ただ両方とも単独で啼いていたのが気になるが、来年もまた元気な啼き聲を聞きたいね。
  情報の小窓
『もちろん、物事をいい加減にしてしまうのはよくありません。ベストを尽くすのは当たり前で「一応、精一杯やりますけど、結果はわかりません」という知識的で、高度な生き方がよいのです。このように生きるなら、怒りの現れる余地はありません。「自分は完全だ。完璧だ」と思う無知な人は、自分の思い通りに事が運ばないからと始終怒って、そのたびにひどい目にあっています。それはバカバカしいでしょう?どう見ても、すごく無知な生き方をしているのです。』
 サンガ新書「怒らないこと」アルボムッレ・スマトサーラ著

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